松高日誌

2011年12月の記事一覧

芸術鑑賞会

矢作裕基君(2年 東松山市・東中出身)のコメント
【今年の三月十一日、言わずと知れた東日本大震災で東北地方は大変な被害を受けました。岩手県も被害を受けた県の一つですが、その岩手県で1200年ほど前、迫害を受けつつも侵略してきた者に立ち向かうべく立ち上がったのが、今回の芸術鑑賞会で劇団わらび座の方々が披露してくださったミュージカルの主人公、阿弖流為(アテルイ)です。
 私は今回初めてミュージカルを見ることになりました。初めこそ、そこまでの興味を抱くことはありませんでしたが、次第にその世界に引き込まれ、パフォーマンスなどに見入っていってしまいました。キャストの方々の演技はもちろん、和太鼓での表現など、それ自体の優雅さ・力強さなども楽しめるポイントでしたが、何より心を打たれる思いにさせてくれたのは、各登場人物の意志や心情でした。
 主人公のアテルイはもちろんのこと、彼の幼馴染で敵として戦わなければならなかった坂上田村麻呂、その他の登場人物の思いなどを考えると、各々の無念の思いなどが我が身に降りかかってくるようでした。そして、彼らの思いはそのまま現在にも通じるものでもあります。なぜなら、朝廷側の将軍である田村麻呂も、蝦夷として迫害を受けていたアテルイも、そして私たちも同じ人間だからです。彼らの悲しみは、私たちもそのまま感じられるものであり、それを伝えてくれる手段がミュージカルというものなのだと、私は思います。
 今回の芸術鑑賞会では、今にも残る人種差別という問題、そこから生まれる悲しみ、それだけではない人と人とのつながりといったことを感じました。そして、東北地方で被災された方々の悲しみなどを、これからの時代で私たちも共有していかなくてはならないのだと考えさせられました。】