校長室より

2020年3月の記事一覧

卒業生に向けて

 

 木々の芽も大きく膨らみ、花々も春の訪れを告げるこの日に、埼玉県立松山高等学校 第九十四回卒業証書授与式を迎えることができますことを、大変うれしく思います。

 しかしながら、今年は、新型コロナウィルスの影響で、皆さんの卒業を従来の形式でお祝いすることができません。大変心苦しく思います。皆さんが一番悔しい思いをしていることと思いますが、私たちは皆さんの安全を第一に考えました。そして、高校卒業は大きな節目ではありますが、過ぎた日々よりも、明日から始まる未来の営みをどう充実させるかを第一に考えていいただきたいと切に願っています。

 そして、只今、三百十九名の生徒の皆さんの卒業を承認いたしました。卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。その節目の皆さんに二つお話ししたいと思います。

 一つ目は、物事の本質を見極める目を持ってほしいということです。現代社会は、日本のみならず世界が過去に経験をしたことがない状況が次々と現れ、過去が前例になりにくい状況です。近年の日本でも、大きな地震や大雨、台風、竜巻、そして新型コロナウィルス等、それらが自然環境のみならず、経済にも人々の生活、そして心の在り様にも大きな影響を与えています。だからこそ、皆さんには、「本当に大切なものは何か。目指すべきものはどこかを見極める目を持ってほしいと思います。そして、過去を参考にしつつも、前例や目先の利益にとらわれず、冷静に柔軟に、そして迅速に対応する心とスキルを身に付けてほしい」と思います。

 二つ目は、「継続は力なり」ということです。使い古された言葉のようですが、できそうで、できないからこそ、言われ続けているのだと思います。この言葉の出所には諸説ありますが、大正・昭和期に活躍された宗教家である住岡夜晃氏の「讃嘆の詩」の一説に以下の部分があります。

「青年よ強くなれ 牛のごとく、象のごとく、強くなれ 真に強いとは、一道を生きぬくことである 性格の弱さ必ずしも悲しむなかれ 性格の強さ必ずしも誇るに足らず 念願は人格を決定す 継続は力なり 真の強さは正しい念願を貫くことにある 怒って腕力をふるうがごときは弱者の至れるものである 悪友の誘いによって堕落するがごときは弱者の標本である 青年よ強くなれ 大きくなれ」

日々の積み重ねがその人の心や体を作ります。卒業生の皆さん、松山高校で培った力を存分に発揮し、これからの進む道を切り開いていってください。

 結びにあたり、本日はご出席いただけませんでしたが、保護者の皆様に御礼申し上げます。常に生徒の皆さんを励まし、支えていただくとともに、本校の教育活動にご理解・ご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

 また、本校を支えていただいた関係各位の皆様、各教育委員会の皆様、地域の皆様にも心より感謝を申し上げます。

 私たち教職員一同は、今後とも生徒の皆さんの成長のために全力で取り組むとともに、松山高校が生徒の皆さんにとって安全な場、成長の場となることを願い、そして誓い、式辞といたします。

 

  令和二年 三月 十三日

   埼玉県立松山高等学校長  加 藤  浩

 

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