松高日誌(アーカイブ)

【SSH】理数科特別講義「世界とつながる理数科」

3月10日(火)、理数科の1・2年生を対象に、こども科学センター・ハチラボからお二人の先生をお迎えし、特別講義を行いました。

今回お呼びしたのは、こども科学センター・ハチラボのセンター長 櫻井英雄さん と、学術顧問の 池辺靖さん のお二人です。
まず初めに、池辺さんにお話しいただきました。


池辺さんの話のポイントは、
「あなたを形作っているのはモデルである。モデルを超えることが人生」
という言葉から始まりました。
宇宙像の変遷は、
アリストテレスの地球中心宇宙像 → コペルニクスの太陽中心宇宙像 → ブルーノの無限宇宙論 → ダークマター宇宙論 → ブラックホールの実在証明 → 系外惑星の実在証明
へと変わってきました。
人間は、その時代その時代の「モデル」を通して宇宙を見てきたのだといいます。
そして、そのモデルはあらゆる階層に存在しています。
社会規範の側では、国際社会や民主主義といった概念があり、物理法則としては運動方程式、エントロピー、周期表、化学反応など、さまざまなモデルが存在しています。
モデルを獲得することで世界を見る目は増えますが、同時に、私たちはそのモデルに縛られて生きているとも言えます。
ここで大切なのは、モデルは真実そのものではないということです。
だからこそ、
「私たちを形作っているのはモデルであるが、モデルを超えることが人生である」
そして、それが 探究に取り組む理由 なのだ、と池辺さんはまとめられました。

 

講義終了後に池辺さんに質問する生徒の姿も見られました。

 

次に、櫻井さんが講演をされました。

 

櫻井さんは「君たちはどう生きるか」というタイトルでお話しされました。

 

科学館で働く理由について、「世の中の人々が自分自身で『なぜ』と考え、自分の意見を持てる社会になってほしいから」と語られました。そして、科学も仕事も常に「なぜ」を考え、それを解決していくことが大切だと、冒頭で話されました。

生徒たちには、毎日を楽しく過ごしてほしい。そのために大切なこととして、次の4つのテーマを示されました。

① 「なぜ」をいつも考えること
何か困りごとがあったときには、「なぜそうなったのか」を考え、対策を立てる。うまく解決できたときには、それが楽しさにもつながる。

② 物事に前向きに向き合うこと
「ありがとう」と感謝の言葉を口にし、失敗しても「まあ、しょうがない」と気持ちを切り替えることで、周囲の雰囲気も良くなる。

③ 自分の価値観を持つこと
好きなことを「好き」と言えるようになると、自分の考えに自信が持て、さらに物事を追究していくことができる。

④ 視点を変えてみること
例えば、富士山は静岡県の山なのか山梨県の山なのかと議論すると対立が生まれるかもしれません。しかし、「日本の山」と考えれば、そこに異論はありません。

 

これらの話から、「大局を見る」こと、つまり物事の全体像や方向性、長期的な視点を持って状況を判断することの大切さについても語られました。

最後に、「楽しく生きることは、周りの人たちの幸せにもつながる。何が楽しいのか、何が幸せなのかを、自分自身の基準で考えてほしい」とまとめられました。

櫻井さんは終始、生徒たちに語りかけるように楽しそうに話され、教室全体が温かく楽しい雰囲気に包まれた講義となりました。生徒たちにとっても、「楽しく生きる」ということを実感できる時間になったようです。

 

 

生徒の感想 

理数科2年 S・R(川越市立川越第一中学校出身)

今回の行事ではこども科学センター・ハチラボ センター長 櫻井 英雄 氏 板橋区教育科学館 学術顧問 池辺 靖 氏による講義が行われました。

櫻井 英雄 氏による講義では、 人生を楽しく生きていくために大切なことや視点を変えることの大 切さについて講義していただきました。

池辺 靖 氏による講義では、 国際的な研究活動によって得られたものをもとに宇宙物理学を中心 に講義していただきました。 自分がこの講義で一番印象に残ったことは、 日々の出来事について「なぜ」を持って生きるということです。 そうする事で視野が広がり今後の探究活動にも生きてくると思いま した。

理数科1年 K・T(長瀞町立長瀞中学校出身)

今回の講義の感想としては、固定概念にとらわれず、多くの視点を用いて考えていくことが探求、ひいては生活を楽しく過ごすために必要なことだと思った。池辺さんの、宇宙のモデルも、事あるごとに固定概念や考え方を変えていったり、櫻井さんの、日常を楽しく過ごすために意識していることの中にも、「視点を変える」や、「対局をみる」などの事を話していました。その考えは、探究でも役立つものだと感じました。現在、私は探究でも、全然結果が出てこず、行き詰まっているので、もう一回視点を変えて、実験方法をもう一度見直していこうと思います。