松高日誌(令和4年度)

【SSH】立志講演会

12月22日(木)本校体育館にて中央大学理工学部教授 株式会社ソラリス取締役会長・創業者で本校卒業生の中村太郎先生を講師にお招きし、立志講演会を開催しました。

 

 中村先生は松山高校理数科の2期生の卒業生です。

 講演のタイトルは

”やわらかい”生物型ロボット研究と実用化への挑戦

 ー「ワクワク感」と「使命感」の追求ー

です。

 

中村先生は現在、「柔らかいロボット」であるソフトロボディクスについて研究されています。

ロボットと言うと固くて冷たい、というイメージがあるかもしれませんが、これからはイキモノのような柔らかいロボットが世界を変えていくだろう、とのこと。ソフトロボティクスの世界は宇宙や海底、インフラ点検、医療リハビリ、拡張現実まで広がってくと中村先生は考えています。実際、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やJAMSTEC(海洋研究開発機構)などと共に研究を進めている事業もあるのです。

 

 

講演の後半では、松山高校生時代をどのように過ごしていたのか、の話をしていただきました。

 

 

中村先生の松高生時代は「こんなはずではなかった」という、いわゆる暗黒時代だったそう。しかし、その後大学で研究室に配属されてから研究の面白さにのめり込みました。そして、高校時代に努力したことを自信とし、上には上がいるという挫折した覚悟とハングリー精神をもって研究をし、当時、最年少で中央大学の教授になったのです。

 

 中村先生から後輩の松高生へのメッセージとして

高校時代は要領よく勉強するよりも泥臭く勉強してほしい。

今、テストで結果が出なくても「高校時代」に時間を惜しんで取り組んだ経験

自分の人生に深く刻まれ、やがて何十年たって、自信にかわる。

 

というメッセージをいただきました。

 

講演終了後、応接室で中村先生に質問をする場を設けたところ、数人の生徒がやってきてロボットや将来のロボット技術についてあれこれ話をしていきました。

  

生徒の感想 

1年理数科 小笠原浩平(坂戸市立若宮中学校出身)

松山高校の100周年を記念し行われた今回の立志講演会では、中央大学の中村太郎教授にお話いただきました。
テーマは「やわらかいロボット」、中村教授の研究するミミズ型ロボットなどについてです。
ミミズ型ロボットというのは、名の通りミミズの動きを真似ることができるのですが、それを医療、工業、はたまた宇宙開発という壮大なものなど、幅広い分野において活用しています。
身近にいて普段気に留めることもない「ミミズ」という生物に焦点を当てそこまで広げることができることに驚きました。身近なものを観察し発展させる観察眼や発想力は、これからの私達に必要な大切なことだと思いました。

 

2年理数科 時田 樹(東松山市立白山中学校出身)

今日は、立志講演会があり、中央大学の中村太郎教授の講義を聴きました。中村先生が行っている研究や、研究室についてのお話を聞き、理系の進路を志す者としてとても興味を惹かれました。また、先生の研究に対する考え方がお話の中に見えて、先生の熱意が良く伝わってきました。特にお話の中で共同研究に関する話題が多く、講演した中に先生がおっしゃっていたように、開かれた研究室であることと、そのように開かれた考えを持つことの重要性を理解できました。今回の立志講演会で学んできたことをこれからの進路や人生に生かせるようにしていきたいです。