校長室より

【校長室】令和3年度 冬季休業後全校集会(令和4年1月11日)

 明けましておめでとうございます。

 コロナの感染状況を考慮して、今回は安全策をとってオンラインの集会としました。諸君は、今まで以上に感染防止に努めてください。これまでと同様に、誰が感染してもおかしくない状況になりつつありますので、感染した人を探ったり、攻撃したりすることは厳に慎んでください。

 これまでいろいろなたとえ話をして諸君に考えてもらおうと思って話をしてきました。

 ・「ファーストペンギンになるな」として、「自分で決めろ」ということ

 ・「ニホンムラサキ」では、「自分ひとりでも学べ」ということ

 ・「完全変態の勧め」では、「自分で変われ」ということ

 要は、自分から頑張れという事です。

 ですが、いつも「頑張れ」では、聞かされている諸君も疲れてしまうと思うので、3学年全員が集まる最後の機会ですので、今日は、違う視点で、やわらかく、ゆるい気持ちの大切さをうたった1つの詩を紹介します。 

 吉野弘という埼玉県の詩人です。「祝婚歌」という詩です。本来は、これから結婚しようとするカップルに向けた詩ですが、人と人の付き合い方で大切なことを示していると思いますので、参考にしてください。 

祝婚歌(吉野弘) 

  2人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい

  立派すぎないほうがいい

  立派すぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい

  完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと

  うそぶいているほうがいい

  2人のうちどちらかが ふざけているほうがいい

  ずっこけているほうがいい

  互いに非難することがあっても 非難できる資格が

  自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい

  正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい

  正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと

  気づいているほうがいい

  立派でありたいとか 正しくありたいとかいう

  無理な緊張には 色目をつかわず ゆったり ゆたかに

  光を浴びているほうがいい

  健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに

  ふと 胸が熱くなる そんな日があってもいい

  そして なぜ胸が熱くなるのか

  黙っていても 2人にはわかるのであってほしい 

 特に3年生は、法律が変わって、4月1日から全員そろって、法律上は成人になります。人との付き合い方にも、大人としての対応が求められます。卒業後に多くの人に出会ったときに思い出してくれると嬉しいです。

 ただ、もっと厳しい言葉が今必要だと思う人は、松高新聞を読んで下さい。

 今年一年が、一人ひとりにとって最高の年になることを願っています。 以上です。