校長室より

【校長室】令和4年度 始業式(令和4年4月7日)

 おはようございます。

 新しい学年になりました。これから頑張ろうとする諸君に、校長として、ぜひ、自学への取り組みを勧めます。自学自習というときの、自学です。

 自学というと、人から教わらず自分一人でもくもくと勉強するというイメージでとらえる人もいるかもしれません。しかし、そうではありません。先生方から、どんなに多くのことを教えてもらっても、自分で能動的に学ぼうとしない限り、本当の力にはなりません。逆に自分で学ぶ姿勢、学ぶ力を身につけさえすれば、何からでも、誰からでも学ぶことはできます。自学とは、このように自ら学ぶ姿勢や力を身につけ能動的に学ぶことを言います。

 自学とは、表面的には、授業や松高塾や予備校の講座以外の時間に行う“自分で時間を決めて行う勉強”を示します。具体的には、朝早く来て、勉強することを勧めます。自習室が7時半から開いていますので、1時間は勉強時間が取れると思います。自習室でなくても構いません。いままでどおり、教室でも朝自習は可能です。

 部活動で、朝練をやっている人は、一生懸命に朝練に励むと良いと思います。放課後に勉強する人はそれで結構です。ただし、放課後の部活動で時間がない人も多くいます。ぜひ、朝早く来て、自学をすることを勧めます。

 今までは、始業時間の繰り下げなどがあって、早く来ていいのかどうか、よくわからない状態もありました。まん延防止が解除され、新しい学年になった今こそ、変わるチャンスです。夜遅くまでスマホやゲームに没頭し、朝早く起きられず、ボーとしたまま学校に来るという生活を変えるとしたら、親は、大変でも、喜んで早起きに協力してくれると思います。 

 朝自習の勧めに関連して、いつものたとえ話を一つします。

 羊の大群を追う一人の羊飼いの姿を想像してください。果てしない草原でたった一本の棒と一匹の犬で二千頭にもなる羊を上手に操ります。どうしてそんなことができるのか?

 羊という動物は、他の羊が蹄の間から出す分泌腺の匂いを追う性質を持ち、常に集団で行動します。群れているので警戒心が弱く、前の羊のおしりを見ているだけなので、群れ全体の動きも把握していません。草を食べつくしても新たな餌場を自主的に探さずウロウロするだけです。

 この中にヤギを一頭入れます。意外にもヤギは、自分の状況を客観的に判断し、自主的に動きます。ヤギが動くと何頭かの羊がそれに従い、その後、群れ全体がヤギの行動についていくことになります。危険な時、餌場を探す時には、ヤギがリーダーになるのです。羊飼いは、このヤギとヒツジの性質を知っているのです。 

この中の誰かが、羊の中のヤギになってくれることを期待しています。

ただ、羊がダメでヤギがいいのか、と言うと、世の中はそんなに簡単ではありません。その話は、また次回にしたいと思います。                                 以上です。