松高日誌

過去に学ぶこと

 

自粛が求められる中で、

何かとストレスを抱えている人も多いかと思います。

 

これまでの「豊かな暮らし」から一転、

様々な点で不便な生活が強いられている現状に不満を抱く人も多いことでしょう。

 

ではそもそも「豊かな暮らし」とは何なのか、

それについて考えた歌人が鎌倉時代の日本にいました。

 

それが、卜部兼好です。

 

彼が書いた有名な著書『徒然草』の章段を1つ紹介したいと思います。

 

 

人の身に止むことを得ずして営む所、第一に食ふ物、第二に着る物、第三に居る所なり。人間の大事、この三つには過ぎず。人間の大事、この三つには過ぎず。饑ゑず、寒からず、風雨に侵されずして、閑かに過すを楽しびとす。ただし、人皆病あり。病に冒されぬれば、その愁忍び難し。医療を忘るべからず。薬を加へて、四つの事、求め得ざるを貧しとす。この四つ、欠けざるを富めりとす。この四つの外を求め営むを奢りとす。四つの事倹約ならば、誰の人か足らずとせん。(一二三段)

 

彼は人が生きていくために必要なこと、

それは「食・衣・居」の3つに「薬」を合わせた4つだけだと考えていました。

 

この4つが欠けていない状態が「富(豊かな状態)」、

この4つが欠けた状態が「貧(貧しい状態)」、

この4つ以外を望むことが「強欲」。

 

これまでの生活ではこれらが満たされ、

それを私たちは当然のこととして享受してきました。

いわば常に「豊かな暮らし」だったわけです。

 

通いなれた道で通学し、

学校に着いたら友に会い、

くだらないような話をし、

みんなで授業を受け、

昼になれば一緒に昼食を食べ、

放課後は部活に打ち込み汗を流す。

 

 

まさかこんな日々がある時、

突然途絶えてしまうなんて考えてもいなかったと思います。

 

だからこそ、この事態が収束した時、

 

衣食住や医療に困らないこと。

そして「友と共に」いられること。

 

そういった日常の大切さに気付き、

それを大切にしてほしいと思います。