理科授業
【教科間連携】「見える」とは何なのか~国語✕生物~
国語科の大野先生と生物科の比留間先生が2年生を対象に教科間連携授業を行いました。
「見える」ということは実際、今の人類にはとてもまだ言葉にできないような、不思議で奇妙な事態なのではないか。
~白紙より~
これは教科書に載っている、森田真生さんによる「白紙」という文章の一節です。森田さんは数学に関する著作や講演などを行う独立研究者として知られています。
この「白紙」を題材に「わかる」とは何なのかを国語と生物学の両面からアプローチしました。
「見える」ということは実際、今の人類にはとてもまだ言葉にできないような、不思議で奇跡的な事態ではないのか。あまりに不思議で、あまりに大きな謎なので、かえって「当たり前」ということにされてしまう。
~白紙より~
文章の前半に書かれているこの言葉をもとに生物学的な視点から「見える」という現象の不思議さを探究しました。
授業では目の構造や「見える」仕組みについての講義に加え、プリントを用いて自分の視野には見えない領域があることを体験、確認しました。
次に視野の端では色を認知することが出来ない領域があることを実験で確認しました。
これらの実験を通して生徒たちは「見える」という現象は当たり前ではなく、不思議で特別なものでであることを共有しました。
分からない自分が白紙と向き合い、辛抱強く試行錯誤を繰り返しているうちに、ある瞬間「わかった」自分にかわるのだ。
~白紙より~
続いて国語科の大野先生の解説のもと、生徒たちは部活動や日常生活の中での体験を思い出し「わかる」体験を振り返り、その喜びや不思議さを共有しました。
「白紙」にもあるように普段は当たり前として感じていることを改めて問われることで、戸惑いもあったようですが、深く考える姿が見られました。
授業のまとめとして「わかる」とは何かを体験を通して認識し、さらに自分事に落としこむことで文章をより深く読めたかを確認しました。
この授業を通して生徒たちは「わかる」ことは「自力で成し遂げるもの」でありその瞬間は何ものにも代えがたい喜びであること、そのためには白紙と向き合う勇気を振り絞らないといけないことを、国語と生物の両面から深く考えることが出来たのではないでしょうか。