理科教育

理科授業

【地学基礎】太陽の観測

2年生の地学基礎で、屋上の天文台で太陽の観察を行いました。 

 生徒の感想  (2年1組  酒巻朝陽  熊谷市立大里中学校出身)

 今日の実験では今地学基礎で学んでいる、太陽を観察しました。松山高校の屋上には天文台があり、開校90周年記念でいただいた望遠鏡を使いました。

 太陽には、黒点やプロミネンスがあり、運がいいと、2つが見えるといわれてましたが、この日はどちらも全く見えなくて、少し残念な太陽観察になってしまいました。

 望遠鏡で見た太陽は丸くてとても白かったです。自分の名前は朝日なのでその太陽のように輝き続けていきたいと思います。

 

10人ぐらいずつ天文台の中に入り、加藤先生による望遠鏡の紹介と、太陽についての説明を受け、モニターで太陽の観察をしました。

モニター上の太陽です。残念ながら、黒点が見えない周期に入ってしまい、真ん丸な太陽を観察しました。

【生物】遺伝子導入実験

 3年生、生物の選択クラスで、pGLOバクテリア遺伝子組み換えキットを使った、遺伝子導入実験を行いました。

生徒の感想  (3年6組  滝澤樹乃  行田市立西中学校出身)

 今回は2日間にかけて遺伝子組み換えの実験をしました。この実験は、故意に、大腸菌が持っていない遺伝子を取り込ませ(遺伝子導入)、その新しい遺伝情報を大腸菌内で発現させるというものです。

 遺伝子組み換えは、世の中に存在しない生物を生み出すので、取り扱いがとても重要です。言葉で表すとすぐできるように感じてしまうでしょう。実際は、50分でやるのは難しく、いかに班員で協力してスピーディーに取り組むことが大切かを実感しました。

 また、今回は初めて少量の液体を測り取りました。まだまだ使ったことのない器具もあるので、今後の実験で新しいことをやるのが楽しみです。

 

 

この実験では、生物発光するクラゲのGFP(紫外線を当てると、鮮やかな緑色の光を発するタンパク質)の遺伝子を専用の大腸菌に取り込ませ、GFPを持つ大腸菌(紫外線を当てると緑色に光る大腸菌)を作り出します。

最初に机や手を消毒します。

専用の大腸菌を培養したプレートより大腸菌をチューブに取ります。

つぎに、pGLO(GFP遺伝子を含んだプラスミド)溶液からプラスミドを取り大腸菌に加えます。(+DNA)

この時、コントロールとしてプラスミドを加えないものも用意します。(ーDNA)

氷上で10分ほど静置した後、42℃のお湯に50秒間付け、氷上に戻し2分間静置します。(ヒートショック)

そのあと大腸菌の栄養となるLB培地を加え10分ほど室温で放置します。ここで大腸菌はプラスミドを取り込んでいるはずです。

その間に、プラスミドDNAに紫外線を当てて光るかどうかの確認をしました。

DNAだけでは緑色に光りません。

遺伝子導入した大腸菌と、導入していない大腸菌を寒天培地のプレートにまき、ひとまとめにして37℃で一日培養します。

次の日、培養したプレートを取り出し、観察します。

UVライトボックスに入れて、覗くとGFP遺伝子が発現したものだけが、緑色に光っています。

△左上と右下のプレートは、遺伝子導入をしていないもの(-DNA)、左下と右上は遺伝子導入をしたもの(+DNA)です。左下のプレートだけが、GFPを作り緑色に発光しています。

最後に机と手を消毒し、使用した器具なども滅菌して処分します。バイオハザードを起こさないために!

【地学基礎】火成岩の分類と密度測定

 地学基礎の授業で、火成岩についての実験を行いました。火成岩はマグマが冷えて固まった岩石であり、急激に冷え固まってできた火山岩と、ゆっくりと冷えて固まった深成岩に分けられます。

 いくつかの火成岩を肉眼観察で分類しその特徴をつかみ、それらの岩石の密度を測定し、密度と地球内部の構造を考える実験です。

生徒の感想  (2年 1組 芦原漣  坂戸市立住吉中学校出身)

 ルーペを使い、火成岩に光沢があるかどうかを基準として火山岩と深成岩に分類した。そして同じ岩石組織のグループ内で色調の順(黒っぽいものから白っぽいもの)に並べた。

 火成岩の密度測定では、アルキメデスの原理を利用し、形のバラバラな岩石の体積を求めることができた。今回の密度測定の結果から、地球の層がどのような岩石に近いのかが分かりおもしろかった。また実際に岩石にさわることで特徴をよく知ることができた。

 

 

まずは、6種類の火成岩の岩石標本(岩石の小さい塊)をルーペでよく観察します。岩石の組織から火山岩と深成岩に分類し、色調からさらに岩石を特定していきます。

次に岩石の密度を測定します。それぞれの岩石とボルト(鉄の塊)の重さを測り、アルキメデスの原理を利用して、それぞれの岩石とボルト(鉄)の体積を測ります。重さと体積から密度を計算します。

中には、水に入れると気泡が出てくる岩石もありました。こういった岩石は、隙間が多く、密度は小さいと予想できます。

地球の内部は地球表面から 地殻上層部・地殻下層部・上部マントル・核 と層状構造をしています。それぞれの層の平均密度と、今回測定した深成岩と鉄などの密度とをくらべ、それぞれの層はどの岩石に近いかを考察しました。

手元の岩石から、地球の内部を想像できる機会となりました。

【生物基礎】カタラーゼの実験

 1年生の生物基礎では、酵素の最適温度・最適pHを調べる実験を、ネットや教科書・資料集などの資料を基に自分たちで組み立てて行う実験をしています。今回は1年6組にお邪魔しました。

 

生徒の感想  (1年6組  江原颯太  深谷市立川本中学校出身)

 カタラーゼの最適温度、最適pHを調べる実験で、酸性・アルカリ性・中性の液体に過酸化水素水を加えてから液温を0℃・20℃・40℃・70℃にし、そこに肝臓を加えてカタラーゼの反応を見た。私たちは、今回のような実験は高校生となって初めて行いました。中学とは違い、手順や必要な道具など詳細なことは、自分たちで調べたり考えたりしなければなりません。私たちの班では、過酸化水素水を加えるのを忘れてしまったり、試験管の数が足りないなどハプニングもあったが、この実験を通してカタラーゼは中性でヒトの体温位が最も活発に反応することに気づけました。

 

 

実験の前に実験計画を班で話し合い、実験計画書を提出します。

 試料は肝臓に含まれるカタラーゼを使います。カタラーゼがどんな酵素か調べ、”カタラーゼが熱で失活することを調べる実験”と、”カタラーゼの最適pHはほぼ中性であることを確認する実験”を考えます。

 使用する器具や薬品、装置も用意してあるものから、必要な数を自分たちで考え使います。用意している以外のものが必要になれば計画書に書いておきます。(そうすることで、実験の日までに用意しておきます。)

 

実験当日! 各班で使うものを集め実験開始です!!

各班、各自の方法・順序で実験を行っています。一見するとみんなバラバラなことをやっているようにも見えます(汗)

最後は試験管などを洗ったり、道具を戻したりと片付けもきちんとします。

班で実験のまとめをして、考察します。生徒は、考えることがたくさんあり大変ですが、深く理解する助けになるはずです。頑張れ!(毎回このような実験を行っているわけではありません。)

【生物】脱水素酵素による酸化還元反応の実験

3年選択生物で脱水素酵素の実験を行いました。

 

アスピレーターやツンベルク管など初めて手にする器具を使い、酵母とメチレンブルーを使って脱水素酵素のはたらきを確認します。

 

メチレンブルーはふつう青色ですが、水素と結合して還元されると無色になります。

 

メチレンブルーが青色から無色になることで、クエン酸回路におけるコハク酸脱水素酵素の働きを確認することができました。

 

 

【生物基礎】顕微鏡の扱い方

生物基礎で顕微鏡の観察実験を行いました。

このクラスは実験の後で身体測定があったので、今回は特別に体操服で実験しています。

松山高校では、ひとり1台、高性能な顕微鏡を使っています。

ムラサキツユクサの雄しべの毛

 

ネンジュモ

 

口腔内表皮細胞

 

生徒たちは、顕微鏡でしか見られないミクロの世界に魅了されていました。

【地学基礎】歩いて測る地球の大きさ

2年生の普通科文系の地学基礎で、「歩いて測る地球の大きさ」という実習が行われました。

松高内の南北に延びる2地点を自分の歩幅で測り、エラトステネスの方法によって地球の大きさを求めます。このことによって、普段実感のない地球の大きさを体験的に知ることができます。

今回は2ー4文系と、2-5文系のクラスにお邪魔しました。

生徒の感想  (2年4組  中山椋介  小鹿野町立小鹿野中学校出身)

 体育館横にあるトイレから、ラグビー部の倉庫の横までの直線距離を歩いて測り、一歩の間隔や平均の距離などを求めて、それらを利用して地球の円周を計算する実験をしました。

 高2になり、外に出て初めての実験をしました。自分の体を使って実験するのは不安だったけれど、とてもやりがいを感じ、楽しかったです。結果をまとめるまで容易ではなかったけれど、友達と協力して各々の答えを出すことができました。誤差が大きくなってしまったので、また次の授業に繋げていきます。

 

実習は、松高内のほぼ同緯度にある2地点(A・B地点)の距離を歩いて測歩します。

まずは、B地点からA地点を目指してできるだけ真っすぐ、できるだけ同じ歩幅で歩数を数えながら歩きます。

A地点(ツツジの植込みの根本)からB地点まで同様に歩きます。

A-B地点を2往復してデータを取ります。みんな神妙に歩きます。

最後に20メートルを2往復歩いて、一歩の歩幅を出します。

後半は教室に戻って、A地点・B地点の経度と歩数から求めた距離を使って地球の円周を計算しました。

【化学基礎】身近な物質のpHを調べよう

 1年生の普通科の化学基礎で、最後の実験が行われました。

 「身近な物質のpHを調べよう」という実験で、洗剤や髪染めといった日用品から、飲料や調味料、中華めんや梅干しといった食料品、実験でおなじみの塩酸や水酸化ナトリウムなどの水溶液まで、24種類の物質のpHを測りました。

 今回は3月17日の2限の1ー7にお邪魔しました。

 

生徒の感想  (1年7組  長田都夢  寄居町立男衾中学校出身)

 化学基礎の授業で身近な物質の液性を調べました。今回はpHを測定する24種類の試料それぞれにpH試験紙をつけ、色の変化を観察しました。このような方法で紅茶(ストレートティー)は酸性、こんにゃくは塩基性であることなどを簡単に確認することができました。

 身近な物質の液性を調べることで酸性や塩基性の存在を身近に感じ、化学の授業への関心をより一層高めることができました。今回と同様の実験を紫キャベツの色水でも行うことができます。紫キャベツのような身近な指示薬でもpHを調べることで、さらに多くの物質の液性を知り、新たな発見をしていけたらと思います。

 

まずは、各班に振り分けられた試料を時計皿に少し出します。1班につき3種類!

pH試験紙を2~3㎝ちぎって各試料に付けて色の変化よりpHを測定します。

2~3分で各班を順番に回り、一回りするとすべての試料を測定することができます。

2~3分で移動なので手際よく測定し、まとめないと時間が足りません!

9班は試料が無いので一回休み。気づいたことや感想などを記入していました。

【化学基礎】実験 ボルタ電池・ダニエル電池・鉛蓄電池・燃料電池

1年生普通科の化学基礎で、電池に関する実験を行いました。今回は3月10日の2限の1-3にお邪魔しました。

生徒の感想  (1年3組  小川柚悟  小川町立東中学校出身)

 今日は、化学基礎の実験で様々な電池を作成しました。作ったボルタ電池、ダニエル電池の起電力の差異は小さく、どちらも約1V(ボルト)ほどでしたが、鉛蓄電池は約2Vと他と比べ大きいものでした。

 今回作った3つの電池の内、鉛蓄電池は二次電池といい、充電をすることで繰り返し使用することが可能で、これは自動車のバッテリーに使用されます。そして今回時間が足りなかったため作れなかった燃料電池は、二次電池であることに加え、発電効率が高く、環境に優しいなど様々な利点があります。これは、化石燃料を用いずに作ることができるため、近い未来に多く活用されることが期待できます。もし機会があれば作りたいと思いました。

 

ボルタ電池は、希硫酸に電極である亜鉛板と銅板を浸して完成です!

△希硫酸をビーカーに注ぎます。

▽電極を浸したら、起電力を測り、プロペラモーターや電子オルゴールにつないで電池の性能をチェックします。

 プロペラもゆっくりとですが回ったところが多く、電子オルゴールもかすかな音を発していました。

ダニエル電池は半透膜を付けた銅管に硫酸銅を入れたものと、亜鉛板を硫酸亜鉛溶液につけて完成です。

同じように起電力を測り、プロペラモーターや電子オルゴールで電池の性能をチェックします。

 ボルタ電池よりは力強くプロペラや電子オルゴールを動かしたようです。

鉛蓄電池は鉛板2枚をビーカーに固定して、希硫酸をそのビーカーに注いで作ります。

そして、ゼネコン(手回し発電機)で充電したら起電力を測り、電池の性能チェックをします。

 起電力も、電池としてのパワーもボルタ電池やダニエル電池より上でした!

燃料電池は飽和食塩水と炭素棒2本の炭素電極を使い、ゼネコンで充電したら完成です。

 生徒は実験では作ることができませんでしたが、先生が演示で作ってくれました。食塩と、炭素しか使っていないのに鉛蓄電池と同様な電池になりました!

【生物】東京理科大学研修

東京理科大神楽坂キャンパスで実施された細胞培養と微生物実習に理数科3年の生徒が参加してきました。

細胞培養の実習は12月25~26日、微生物実習は1月5~6日に行われました。

この実習に参加している高校生達は、自ら理科大のwebサイトを見て申し込んでいて、とても意欲的な学生たちです。遠くは関西地方から泊りがけで参加している生徒もいました。

 

細胞培養ではニワトリ胚から取り出した心筋と胸筋の組織を培養しました。

 

2週間程度温めたニワトリのタマゴ。

 

発生が進んだニワトリの胚から取り出した細胞を、丸1日培養したものです。核が確認できます。

微生物実習では、乳酸菌を使った培養実験をしました。

 

紫外線が乳酸菌に与える映鏡についてや、ワサビ、ショウガ、ニンニクによる殺菌効果の実験をし、その結果からどのようなことが考えられるかなどをグループごとに発表しました。

 

 

 

 

 ご指導いただいた松田良一先生。

初めて会う生徒同士で実験をし、結果をまとめて考察し発表をするという貴重な機会となりました。

 

生徒の感想 佐藤琉晟(川越市立福原中学校出身)

今回、私は東京理科大学の細胞培養実習と微生物実習に参加してきました、
細胞培養実習では、孵卵して10日目前後のニワトリの卵を使いました。卵を割って、取り出した生き物は、目や足、手がすでにできている状態でした。取り出した生き物から、心臓の筋肉、胸筋を解剖して取り出しました。そして取り出した筋肉をいくつかの工程を通して、培養を開始しました。培養2日目は核や筋繊維が再生しており、まだ動いていない状態でした。しかし、培養4日目には心臓から取り出した筋肉による拍動や胸筋の動きなどが確認できました。細胞培養実習は高校ではないような機器を使っていたのと、実際に細胞が再生していくことを観察できた貴重な実習となりました。
 微生物実習ではヤクルトとR-1に含まれている乳酸菌を用いて複数の実験を行いました。その中でも一番面白かった実習は薬味の殺菌効果を調べた実習です。これは、おろしワサビ、おろしショウガ、おろしニンニクをR-1由来の乳酸菌中に入れ、どの薬味がどれぐらい殺菌効果があるか調べる実習です。結果はニンニクの圧勝でした。かなり殺菌されていたので驚きました。結果を踏まて、確かにニンニクを食べると風邪をひきにくくなる、たくさん食べると口の中がヒリヒリするなど殺菌が原因で起きているのではないかと思われる日常の出来事があるなと思いました。一見、簡単そうな実習でしたが非常に興味深かったです。
 今回の実習を通して実験の面白さを再認識しました。そして、ただ実験がうまくいくのが大切ではなくなぜこの操作を行い、どうしてこのような結果になるのを考えながらやっていくのが一番大切だと思いました。この気持ちをこれから先の大学での実験でも忘れないようにしたいです。