松高日誌(令和4年度)

松高日誌(令和4年度)

【SSH】SS理数数学Ⅰ 大学出張講義

1月23日(月)1年の理数科特進対象に、東京電機大学の硲文夫先生を講師にお招きして、出張講義を実施しました。

 

 

講義のタイトルは「三段論法のふしぎ」です。

三段論法とは論理学における、論理的な推論を重ねながら結論へ導く論法です。

これは古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスが確立した論法です。

そう聞くと、数学とは関係無いように思えるかもしれませんが、提言命題を4つの方に分け、記号であらわすことで数学的に解けるのです。

提言命題は4つの型があります。

「すべてのSはPである」

 (例)全ての人間は動物である

「すべてのSはPでない」

(例)全ての三角形は四角形でない

「あるSはPである」

(例)ある松高生は埼玉県民である

「あるSはPでない」

(例)ある自動車は日本製でない

です。

 

 これらから提言三段論法について考え、ベン図を使って妥当性の吟味をしました。

 

生徒の感想 荻野航(日高市立高麗川中学校出身)

東京電機大学の硲文夫先生に三段論法のふしぎという講義をしていただいた。講義内容としては、三段論法の提言命題からベン図を用いた考え方を学び、その後、近くの席の人たちと相談しながら、その妥当性について吟味した。

数学で学んだ「集合」という分野でも用いたベン図をこのようなところにも応用すると、提言命題にある4つの型を簡単に示すことができていた。また、この考え方をうまく使うと、他の数学の問題も解くことが出来るのでは無いかと思う。理数科は理数探究があるのでこのような視点を活かしていきたい。

【歴史総合】校内授業公開

1年生の新しい教科でもある歴史総合の授業で、他教科の教員にも授業を公開してより良い授業を作っていこうという趣旨のもと校内公開授業が行われました。

教科書と黒板を使った授業です。生徒同士の話し合いや、先生の問い出しに生徒がその場で答えるコール&レスポンス風な授業が行われ、生徒が自主的に参加するような時間になっていました。

 

冷戦の始まりと東アジア諸国の動向についての授業です。第二次世界大戦のあとアメリカとソ連の対立がヨーロッパのみならず、アジア諸国に影響を及ぼし、今の国際状況にもつながっていることを学びました。

時間の都合がついた先生方も複数、見学に来ていました。ちなみに今日は、教頭先生・英語・理科・地歴公民の先生が見学していました。

【SSH】生徒研究発表会クラス内予選

1月25日(水)理数科2年が1月28日(土)に実施予定の生徒研究発表会のクラス内予選を実施しました。

 

ここで選ばれた発表が、生徒研究発表会のステージで発表します。

 理数科2年生が1年半かけて研究してきたことをPowerPointを使って発表しました。

質疑応答も活発に行われました。

予選を通過したのは以下の青で網掛けした6本です。

 

 

これら6本と化学部、総合的な探究の発表と合わせて12本が1月28日(土)に東松山市民文化センターにて実施予定の生徒研究発表会で口頭発表をします。

また口頭発表後、探究Ⅰ、探究Ⅱの全ての研究と、理数系部活動のポスター発表をします。

【地学基礎】太陽(黒点)の観測

1月18日に2年生特進クラスの地学基礎の授業で、天体ドームにおいて太陽の観測を行いました。

生徒の感想  (2年  特進クラス  森下朔志  川越市立東中学校出身)

 地学基礎の授業で、太陽の黒点の観測を行った。黒点とは太陽表面にある黒いシミのようなもので、周りに対して低温であるため暗く見えるものである。また、黒点の位置を継続的に観測することで太陽の自転もわかる。

 松高には屋上に天体ドームがあり、それを使って観測した。松高の魅力の1つでもある。私は、太陽系や宇宙に興味があるので、実際に天体望遠鏡を使って観測できたのは、良い経験になった。そして、授業で学んだことを、目で見て確認することができるのはとても楽しく、今後の勉強のモチベーションになり有意義な時間を過ごせた。  

 

天体ドームの中には、直径15㎝のレンズを持つ天体望遠鏡があります。PCにつないで画像をみんなで見ることができます。時折HPに出てくる天体の画像もここで撮られています。

光の強い太陽の観測なので、お手製のフィルターを通して観測します。

黒いぽつぽつとしたものが黒点です。今年は黒点が多めに観測できます。

屋上からは、遠くの山々も見渡すことができます。富士山は残念ながら雲がかかって見えませんでしたが、浅間山や日光の方の山まで確認できました。

国立大学 出願開始 

寒いですね。

3年生は本日より家庭研修期間に入りました。

土曜日に学年集会を行い、激励を行いました。

受験生は不安です。みんな不安です。不安を解消するにはやり切るしかありません。

受験生の中にはくじけてしまうものもいるでしょう。

しかし、松高生はそうではないと信じています。

授業や部活動、行事を通し 「最後の最後まであきらめず、やり切る力」を身に付けました。

それは松山高校が100年育んて来た文化でもあると思います。いわゆる「松高魂」なんだと思います。

最後までやり切れる松高生はきっと大丈夫でしょう。

 

そして今日、国立大学の出願が始まりました。

松高は近隣の高校の中でも比較的、国立大学志望が多い高校です。

ぜひ自分の夢の実現にむけて頑張ってもらいたいと思います。

頑張れ松高生!

 

本日で3年生の通常登校が終わりました

本日(1/21)で、3年生の通常登校が終わりました。

ここからは家庭学習期間となり、各自で進路実現のために一層尽力する期間となります。

辛い時もあるかもしれませんが、何とか乗り越えて、気持ちのいい春を迎えてもらいたいものです。

(閑散とした3年生の教室が並ぶ階の廊下)

 

そして同時に、2年生に対する受験生に向けた切り替えの時期だという空気感もどんどんと高まっていますね。

ちょうど1年後に受験するであろう試験に向けての準備はもう始めていますでしょうか?

(2学年の英語科教員による共通テスト解説講座の掲示)

 

どの生徒も今年・来年に素敵な春を迎えられることを願っております。

(本校の中庭に咲く梅)

【SSH】立志講演会

12月22日(木)本校体育館にて中央大学理工学部教授 株式会社ソラリス取締役会長・創業者で本校卒業生の中村太郎先生を講師にお招きし、立志講演会を開催しました。

 

 中村先生は松山高校理数科の2期生の卒業生です。

 講演のタイトルは

”やわらかい”生物型ロボット研究と実用化への挑戦

 ー「ワクワク感」と「使命感」の追求ー

です。

 

中村先生は現在、「柔らかいロボット」であるソフトロボディクスについて研究されています。

ロボットと言うと固くて冷たい、というイメージがあるかもしれませんが、これからはイキモノのような柔らかいロボットが世界を変えていくだろう、とのこと。ソフトロボティクスの世界は宇宙や海底、インフラ点検、医療リハビリ、拡張現実まで広がってくと中村先生は考えています。実際、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やJAMSTEC(海洋研究開発機構)などと共に研究を進めている事業もあるのです。

 

 

講演の後半では、松山高校生時代をどのように過ごしていたのか、の話をしていただきました。

 

 

中村先生の松高生時代は「こんなはずではなかった」という、いわゆる暗黒時代だったそう。しかし、その後大学で研究室に配属されてから研究の面白さにのめり込みました。そして、高校時代に努力したことを自信とし、上には上がいるという挫折した覚悟とハングリー精神をもって研究をし、当時、最年少で中央大学の教授になったのです。

 

 中村先生から後輩の松高生へのメッセージとして

高校時代は要領よく勉強するよりも泥臭く勉強してほしい。

今、テストで結果が出なくても「高校時代」に時間を惜しんで取り組んだ経験

自分の人生に深く刻まれ、やがて何十年たって、自信にかわる。

 

というメッセージをいただきました。

 

講演終了後、応接室で中村先生に質問をする場を設けたところ、数人の生徒がやってきてロボットや将来のロボット技術についてあれこれ話をしていきました。

  

生徒の感想 

1年理数科 小笠原浩平(坂戸市立若宮中学校出身)

松山高校の100周年を記念し行われた今回の立志講演会では、中央大学の中村太郎教授にお話いただきました。
テーマは「やわらかいロボット」、中村教授の研究するミミズ型ロボットなどについてです。
ミミズ型ロボットというのは、名の通りミミズの動きを真似ることができるのですが、それを医療、工業、はたまた宇宙開発という壮大なものなど、幅広い分野において活用しています。
身近にいて普段気に留めることもない「ミミズ」という生物に焦点を当てそこまで広げることができることに驚きました。身近なものを観察し発展させる観察眼や発想力は、これからの私達に必要な大切なことだと思いました。

 

2年理数科 時田 樹(東松山市立白山中学校出身)

今日は、立志講演会があり、中央大学の中村太郎教授の講義を聴きました。中村先生が行っている研究や、研究室についてのお話を聞き、理系の進路を志す者としてとても興味を惹かれました。また、先生の研究に対する考え方がお話の中に見えて、先生の熱意が良く伝わってきました。特にお話の中で共同研究に関する話題が多く、講演した中に先生がおっしゃっていたように、開かれた研究室であることと、そのように開かれた考えを持つことの重要性を理解できました。今回の立志講演会で学んできたことをこれからの進路や人生に生かせるようにしていきたいです。

【部活動】冬休み後の更新!

 HP管理担当者です。

 松高HPもこの間1000万アクセスを突破したと思っていたところ、あっという間に1100万アクセスを突破していました(ご覧いただき、ありがとうございます!)

 各部活動で、冬休み後もHPの更新をしてくれています(更新、ありがとうございます!)。

 ここでまとめサイトのように、各部の記事をまとめてみました。

 

●「新聞部」の記事「重松清が松山高校に来た!?」

 …すごい!!の一言。なぜ?どうしてそうなった??さすが県知事賞。

●「バスケットボール部」の記事「新人大会埼玉県予選結果」

 松高だと関東・全国大会出場の部活動がありすぎてすごさが伝わりにくくなってしまうのですが、バスケットボール部も県ベスト16です。もっと知ってもらいたい部活動の1つです。

●「スキー部」の記事「インターハイ予選 結果報告」

 大会となると顧問の先生も冬山に泊まります(修行に値するという噂)。

 そして、1年生がインターハイ決めました。おめでとう!

●「吹奏楽部」の記事「東松山物産展イベント」

 吹奏楽部単独のイベントはもちろん、応援団と合わせて地域のイベントに引っ張りだこなのです。

 「男子だけ=中学までの経験者が少ない」中でとても頑張っています。

●「生物部」の記事「日本分子生物学会」

 幕張メッセでの発表もすごいのですが、毎年のように科学専門誌に研究が掲載されています。

 予算が年々厳しくなるなか(研究にはお金がかかるのは常)でも、実績を残しています。

●「柔道部」の記事「令和4年度全国高等学校柔道大会埼玉県予選会 結果報告」

 関東ジュニア出場の実績もさることながら、たまに現れる茶目っ気たっぷりの集合写真が有名です。

●「剣道部」の記事「新年のご挨拶と冬季休業中の活動報告」

 埼玉県外を転々と遠征を繰り返した剣道部。冬休みの総移動距離は数百キロ?だとか。

 

 気になる部活動があったら、ぜひ部活のページものぞいてみてください!

【生物】東京理科大学研修

東京理科大神楽坂キャンパスで実施された細胞培養と微生物実習に理数科3年の生徒が参加してきました。

細胞培養の実習は12月25~26日、微生物実習は1月5~6日に行われました。

この実習に参加している高校生達は、自ら理科大のwebサイトを見て申し込んでいて、とても意欲的な学生たちです。遠くは関西地方から泊りがけで参加している生徒もいました。

 

細胞培養ではニワトリ胚から取り出した心筋と胸筋の組織を培養しました。

 

2週間程度温めたニワトリのタマゴ。

 

発生が進んだニワトリの胚から取り出した細胞を、丸1日培養したものです。核が確認できます。

微生物実習では、乳酸菌を使った培養実験をしました。

 

紫外線が乳酸菌に与える映鏡についてや、ワサビ、ショウガ、ニンニクによる殺菌効果の実験をし、その結果からどのようなことが考えられるかなどをグループごとに発表しました。

 

 

 

 

 ご指導いただいた松田良一先生。

初めて会う生徒同士で実験をし、結果をまとめて考察し発表をするという貴重な機会となりました。

 

生徒の感想 佐藤琉晟(川越市立福原中学校出身)

今回、私は東京理科大学の細胞培養実習と微生物実習に参加してきました、
細胞培養実習では、孵卵して10日目前後のニワトリの卵を使いました。卵を割って、取り出した生き物は、目や足、手がすでにできている状態でした。取り出した生き物から、心臓の筋肉、胸筋を解剖して取り出しました。そして取り出した筋肉をいくつかの工程を通して、培養を開始しました。培養2日目は核や筋繊維が再生しており、まだ動いていない状態でした。しかし、培養4日目には心臓から取り出した筋肉による拍動や胸筋の動きなどが確認できました。細胞培養実習は高校ではないような機器を使っていたのと、実際に細胞が再生していくことを観察できた貴重な実習となりました。
 微生物実習ではヤクルトとR-1に含まれている乳酸菌を用いて複数の実験を行いました。その中でも一番面白かった実習は薬味の殺菌効果を調べた実習です。これは、おろしワサビ、おろしショウガ、おろしニンニクをR-1由来の乳酸菌中に入れ、どの薬味がどれぐらい殺菌効果があるか調べる実習です。結果はニンニクの圧勝でした。かなり殺菌されていたので驚きました。結果を踏まて、確かにニンニクを食べると風邪をひきにくくなる、たくさん食べると口の中がヒリヒリするなど殺菌が原因で起きているのではないかと思われる日常の出来事があるなと思いました。一見、簡単そうな実習でしたが非常に興味深かったです。
 今回の実習を通して実験の面白さを再認識しました。そして、ただ実験がうまくいくのが大切ではなくなぜこの操作を行い、どうしてこのような結果になるのを考えながらやっていくのが一番大切だと思いました。この気持ちをこれから先の大学での実験でも忘れないようにしたいです。