松高日誌

カテゴリ:授業(各教科)

【国語科】後期の松高塾(創作)

国語科の矢野です。(8)

先日、後期の松高塾「創作プロジェクト 羊 2021」が再スタートしました。
2年生18名、1年生27名で、
特に1年生は新メンバーがたくさん増えました。

主に小説/エッセイを創作し「書く」プロを目指す。
日常を観察し、自分自身を解剖、そして自由に逸脱していく。

 

今回の課題は、
「ある『生き物』が登場する小説/エッセイを自由に創作してください。」
実在する生き物について「執拗に」描写する、というルールもつけました。

合評では、4人程度のグループで創作した作品を読み合い、コメントしていきました。

他学年の作品を読むのが、思わぬ刺激だったようです。
2年生は、1年生に
〈1年生がすごい。とてつもなく。彼らの才能に惚れるとともに、気合いの帯を締め直すいい機会だった〉
〈1年生はもっと爆発して自分なりの自由に面白い方向に飛んでいってほしい〉
〈1年生やっぱ凄いですね、後一年間フリーで創作できるからいっぱい伸びるし、羨ましいです〉
など、お兄ちゃんのような温かいコメントをしています。

1年生は、2年生に
〈合評のときの先輩の文章を読んで、面白く色んな表現ができるんだと気づかされました。そこまでいけるようにしたい〉
〈2年生が参加するだとか言うものですから緊張しっぱなしでした。ただ、書いたものを読み合い意見を交わすことは思いの外楽しかったです〉
など、文章(創作)力に驚いた・合評が楽しかったとコメントをしています。
おーーーすごくいいじゃないか!

松高塾(合評)のようす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いま個々の作品に講評を書きながら、HPを更新しています。

松高生や、これから高校生になる中学生は、至るところに転がっている「おもしろいもの」を見つけ、どうか自分の可能性に蓋をしないでほしいです。
私は、才能の芽に気づける場の提供と、才能を伸ばすアシストをしたいと思います。

 

ー生徒のコメントー【小澤昂心(東松山市立松山中学校 出身)】

 この松高塾に参加しようと決めた時、自分は「小説のルールを知ってちゃんとした小説を書けるようにしたい」という単純な目標を心の中で掲げてました。実際この松高塾に参加してみると、小説はかなり深いもので、全く知らない文学を学んでいる感覚でした。
 今まで、なにか物語を書けと言われたら、どんな文章を書けば相手に伝わるのか、相手を感動させるにはどういう展開にしていけばいいのか、などストーリーばかりにこだわっていましたが、小説を書くのにあたって面白みを引き出すには、どれだけ「逸脱」できるかが鍵だということをこの松高塾で学びました。常識から「逸脱」した小説を書くには、思いもしない展開にもっていくのではなく、一文一文をどれだけ「逸脱」させられるかが肝だと思います。もちろん展開にこだわることもその小説を印象的なものにする力になると思いますが、例えば句読点の位置を変えたり増やしたりすると、その文章からは違った雰囲気を感じられますし、同じことを十回言ってみたりすることで、なんだなんだと読者の気を惹きつけられたりと、ちょっとした遊び感覚で工夫を凝らすとその小説は普通とは離れたものになり、読んでいると今までにない面白さを感じられることがあります。
 文章が持つ力は想像以上に大きくて、とても魅力を感じます。これからも文学の深さをこの松高塾で学んで、自分にしか書けない文章を書けるようになりたいです。

【国語科】羅生門

国語科の矢野です。(7)

もうすぐ前期が終わろうとしています。
振り返ればあっという間で、ずいぶん濃い毎日でした。

 

夏休み前には、高校1年生の王道教材ともいうべき『羅生門』(芥川龍之介)を取り扱いました。

最後の授業では、この『羅生門』(芥川龍之介)と、「今昔物語集」第29「『羅城門』の上層に登りて死人を見たる盗人の話」の比較をしました。

 

昨年は『羅城門』を現代風に翻訳したものを使っていたのですが、
今年は、共同実践の際に松山女子高校から届いた『羅城門』のあらすじを教材として使わせていただきました。
わかりやすいイラストつきなので、
たとえば、最初から盗人! 朱雀大路に人がたくさんいる! など、
楽しく見つけられました。(松女のみなさん、ありがとうございます。)
【※8/31の投稿(松女との共同実践)をご参照ください。】

 

そして、この比較を参考に、
〈 芥川龍之介は『羅生門』で何を描きたかったのか 〉
という問いを考えました。
答えはひとつではない。生徒たちは、根拠をはっきりさせて自分なりの見解をまとめました。

 

楽しく学ぶのは、大切なことだと思います。

後期もわくわくする国語総合の授業を目指して、がんばります!

国語総合の授業のようす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー生徒のコメントー【新井綾晟(鶴ヶ島市立藤中学校 出身)】

 この授業では、松女からもらった『羅城門』のあらすじを参考に、『羅城門』と『羅生門』の違いをさがし、芥川龍之介は『羅生門』で何を描きたかったのか、を考えました。

 僕は「人間の心情はすぐ人に左右され、変わりやすい」ことを描いていると考えました。授業の中で矢野先生が示した答えのひとつである「人間のもつ利己的な面」と近くて嬉しかったです。

 矢野先生の授業は、前回の復習ができるプリントを毎時間作ってくれたり、授業の中で自分の考えた答えがどうちがうか、どこを直せばいいかを教えてくれたり、先生の生徒思いな所が見える授業です。

【国語科】インハイポエトリ

国語科の矢野です。(6)

昨日、9/8(水)の放課後、
新しい松高塾「インハイポエトリ」を実験的に行いました。

なんと!!
詩人の伊藤比呂美先生に、熊本からZoomで登場していただきました。

インハイポエトリのようす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7名の生徒が創作した詩を、比呂美先生に事前に送り、Zoom上で講評をいただきました。発表生徒は、別室より自作の詩を朗読して、比呂美先生と直接「対話」しました。分散登校中なので、自宅から参加した生徒もいます。

また、早稲田「詩の教室」の批評隊4名から、事前に個々の詩にコメントも寄せていただきました。ありがたい・・・

さらに、早稲田大学院生の冨所さんにもZoomでお越しいただき、「thingamabob」というご自身の詩を朗読してくださいました。独特な語りに、生徒は度肝を抜かれていました。

 

さて、「インハイポエトリ」とは、大学で詩の授業を受講している学生たち(およびその卒業生)に発表の場を提供する「インカレポエトリ」に倣ったものです。

松山高校からどんどん輪が広がることを期待して、
何より教員として、生徒に貴重な体験をさせてあげられたら、と思います。

10月から松高生へ公募し、本格的に始動していきます!
伊藤比呂美先生、またよろしくお願いします。

 

ー生徒のコメントー【平山 桜介(滑川町立滑川中学校 出身)】

 皆さん突然ですが、「詩」と聞いて何を思い浮かべますか?「難しい」「よくわからない」などマイナスなイメージを思い浮かべる方がほとんどだと思います。僕もその内の1人でした。そのため矢野先生から「インハイポエトリ」に誘われたときは正直不安の方が大きかったです。しかしそんな僕もいざ受講してみると、僕の「詩」に対する世界観は一変しました。
 まだまだひよっこの僕が「詩」について語るなんておこがましいですが、「詩」の魅力といういうのは無数にあるし、未だに増え続けていると僕は思います。そのため今回は僕が思う「詩」の魅力を1つあげてお話ししようと思います。
 「詩」というものはとっても自由なんです。当たり前の事なんですが、この自由さこそ「詩」の難しさであり奥深さでもあると思います。そんな自由な「詩」の世界で、僕は今まで無意識に制限を設けて「詩」を創作していました。こうしないと何にもかけなくなってしまうんです。しかし今回の「インハイポエトリ」で講師をして下さった伊藤比呂美先生は、そんな僕が作っていた壁を壊して僕が怖がっていこうとしなかった「詩」の世界を見せてくれました。
 何をかいてもいいし
 一見読みづらいようなものでもいいし、ダサくてもいいと
一瞬でも「詩」を理解した気になった自分が恥ずかしくなりました。そのためもっともっと沢山の「詩」をかいたり、色々な書き方をためしてみたりして「詩」の世界というものを少しでも理解できたらなと思いました。 

【国語科】松女との共同実践

国語科の矢野です。(5)

松山高校でも分散登校が始まりましたが、

もう少しだけ夏休み前の授業を振り返りたいと思います。

 

6月末、松山女子高校さんと、高1国語総合の共同実践を行いました。

大まかな流れは・・・

各校で扱っているテキスト(松女 : 今昔物語集『羅城門』/松高 : 伊勢物語『芥川』)に関して、

古文が苦手な人でもわかるように「あらすじ」を言葉や絵を使ってまとめる。

そして、進度に合わせた「文法問題」と、わかりやすい「解説」を個人/グループ作成する。

問題の質よりも、解説のわかりやすさを重視しました。

定期テスト前だったので、よい復習にもなったはずです。

グループワークのようす(1組)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを相手校へ届け、

実際に、初見となるテキストの「文法問題」を「あらすじ」を頼りに解いていく。

最後は、こんなところがよかった! とコメントを添えて、相手校へ返却する。

松女生コメントつきの個人ワーク

 

 

 

 

 

 

 

 


松高生もなかなかの「あらすじ」を書き、松女生は丁寧にコメントを書いてくださっています。

私がちょっと感動しました。

実は、松女さんから届いた、今昔物語集『羅城門』は、別の機会でも使わせていただきました。

次回のブログでご紹介します。

ただ!この実践は、まだ序の口。また、次の実践が動き始めています。

 

分散登校や部活動の制限など、やるせない毎日がつづいています。

みんなが元気でいてくれることを祈っています(いつか憂さを晴らせる日が来る)。

今こそ、合言葉の、ガンバレ松高!

 

ー生徒のコメントー【千葉 海星(川越市立鯨井中学校)】

 これをご覧になっている皆さんは、顔も見えず、相手の情報も全く分からない誰かに、文と絵で物語のストーリーを伝えようとした経験があるでしょうか。少なくとも自分は、先生方が企画してくださった共同授業がその初めての経験をする機会でした。

 今振り返ってみると、自分がやったことは上の通り、伊勢物語『芥川』のあらすじを文と絵にまとめて紙に書くという単純なことなのに、疲労感と達成感は1つのゲームをクリアしたかのような感覚でした。自分はやはり、やったことのないことをやってこその学生だと思いますし、それを体験できる場が授業だと思うので、新しいことを知れた今回の共同授業は、自分だけではなく、共同授業を共に行った同級生のみんな一人一人が成長できた授業だったと思います。次も企画されているらしいので、前回よりもクオリティをあげて、松女の方々の器用さに負けないように頑張っていこうと思います。

【国語科】夏期の松高塾(小説創作)

国語科の矢野です。(4)

8/6(金)に「創作プロジェクト 羊 2021【拡大版】」という松高塾を行いました。

主に小説/エッセイを創作して「書く」プロを目指す松高塾で、前期から継続しています。

そして「書く」ために「読む」ことも大切にしています。

この夏は、川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(2007) を教材にしました。

松高塾(小説創作)のようす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常を観察し、自分自身を解剖、そして自由に逸脱していく。

小説/エッセイを創作することで〈自分〉と向き合うこともできます。

今回の課題は「『海』にまつわる小説を自由に創作してください。」

「海」のみを統一テーマとした自由度の高いものでした。なかなか苦しんだはず・・・。

 

そして、今回ははじめての合評にトライし、これがまた効果あり。

自分の書いたものを、真剣に読んでくれる仲間がいるって幸せだよね。

さあ、後期も、楽しんでいきましょう!

(そして、新たな松高塾も動きはじめた・・・?)

 

ー生徒のコメントー【桑田和明(東松山市立松山南中学校)】

 この「書く」松高塾は国語の好き嫌いとか、理系だとか文系だとか関係なく、純粋に小説を書くことを楽しめます。また今回は自分で小説を書いて、それをみんなで合評して、自分の良いところや課題がわかったり、他の人の小説の面白い部分がわかったりして、とても勉強になりました。

 また、先生が毎回自分の書いた小説を添削してくれるので、どんどん書いていくごとに、自分の小説が前よりも上手く書けているような気がします。これからも、いろいろな分野の小説にチャレンジしてみて、これを現代文の勉強等にも活かしていきたいと思います。