松山西支部総会挨拶(平成27年2月21日)

松山西支部総会挨拶

 皆さん今日は。松山高校校長の安齊敏雄と申します。現在3年目を迎えておりますが、毎年この西支部の総会には顔を出させていただいております。
 さて、同窓会の皆様には、日頃から本校教育活動にご支援・ご協力を賜り誠に有り難うございます。

初めに学校の概況を申し上げます。お手元に「松山高校の今」という両面刷りの印刷物があると思いますが、今年度で本校は92年目を迎えております。昨年3月に定時制が閉課程となり、現在は全日制のみで、28クラス1,072名の生徒が在籍しております。普通科と理数科があり、普通科には各学年1クラスずつ特進クラスがあります。これまでの卒業生は全・定合わせて28,000名を超えております。

次に進学状況ですが、昨年度は国公立大合格者が現役31名、浪人17名で計48名でした。三年前に少し落ち込んで26名、一昨年度が39名でしたので回復傾向にあります。大学名を一部申し上げますと、現役で東工大1、大阪大1、筑波大4、浪人でも東工大1、それに東北大1、さらに現・浪合わせて埼玉大9、群馬大5など、近年にない好成績を残してくれました。

また、私立大学も早慶上理やいわゆるG M A R C H(学習院・明治・青山・立教・中央・法政)などの難関大学にも現・浪合わせて112名が合格しております。

また、現役生については現在正に大学入試真っ最中です。先月1718日にセンター試験があり、312日の国公立後期試験まで続きます。今年度も最終的にはほぼ昨年に近い結果になるかとは思いますが、現時点で国公立大学に公募推薦、AO入試で既に10人合格しています。茨城・宇都宮・群馬・埼玉・筑波、埼玉県立大・首都大学東京、それに先日、島根大学の医学部に合格したとの連絡が本人からありました。現役の医学部合格は久しぶりだと思います。筑波大学には3人合格しています。3人とも野球部、ソフトテニス部、生物部で3年間部活動に頑張ってきた生徒です。野球部の生徒は7月の甲子園予選まで本校のエースでマウンドに立っていました。また、早稲田、慶応にも指定校とAO入試で一人ずつ合格していますが、早稲田大学は野球部、慶応大学はソフトテニス部の生徒です。このソフトテニス部の生徒は8月の全国総合体育大会、所謂インターハイで全国ベスト32本に入った生徒です。

一方、部活動においても、陸上、ソフトテニス、剣道、空手、柔道、スキー部が関東大会出場を果たし、インターハイには陸上部とソフトテニス部が出場しました。その内、陸上5,000m競歩では全国第8位に入賞。ソフトテニス個人戦では昨年と同じベスト32というすばらしい成績を残してくれました。また、お手元に「松山高校新聞」を用意させていただきましたが、先月18日に広島で開催された全国都道府県駅伝において、本校3年生の小山直城君の快走が埼玉県の初優勝に大きく貢献しました。小山君は4区で出場し、トップ集団3人で走っていたところを、最後1kmでスパートし、区間賞の走りで、見事1位で襷をつなぎました。彼は昨年の関東新人大会の1,500mで優勝していて、実力は十分持っていたのですが、今年のインターハイ予選の県大会では、ラストスパートで抜け出ようとしたところで、他の選手とクロスし転倒、骨折してしまい途中棄権で、インターハイには出場できませんでした。それだけに彼にとっては、この秋から冬にかけての駅伝に賭ける思いが強かったと思います。

なお、皆さんの関心の高い野球部ですが、残念ながら今年度も甲子園出場はなりませんでしたが、春・夏・秋すべての大会で県ベスト16と着実に力を付けてきています。

文化部では書道部と囲碁将棋部が全国総合文化祭への出品、出場を果たしました。映像制作部はNHK放送コンテストのドラマ部門で全国大会に出場しました。生物部はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の全国発表会で、その分野2位に当たる「奨励賞」を受賞しています。

加えて、卒業生の活躍も目覚ましく、陸上部OBで現在大東文化大学陸上部コーチの佐藤真太郎さん(高51回)が、昨年のソチ五輪で本校3人目のオリンピック選手(ボブスレー)として注目を集めました。また、昨春本校を卒業した生物部の生徒が在学中に研究し、英語でまとめたメダカの遺伝子に関する論文が国際学術誌「ゲノム」に掲載されるという快挙を成し遂げました。いずれも伝統の持つ松山高校の底力を感じさせてくれる出来事でした。

今後とも「文武不岐」の伝統を受け継ぎ、より一層勉学や部活動に励み、日本のトップリーダーたりうる人材を育成してまいる所存ですので、皆様には一層のご支援をよろしくお願い申し上げます。

なお、お手元に両面印刷してあるブルーの用紙があるかと思います。これは先週東松山警察署の生活安全課長さんが学校に見えまして、同窓会の皆様にお話する機会があれば「オレオレ詐欺」に騙されないよう注意してほしいとの依頼がありました。そこに書かれているように、昨年1年間で松髙の同窓会名簿を使ったと思われるオレオレ詐欺の予兆電話が、訴えがあっただけでも県内で170件あったそうです。その内実際被害にあった方は1名と聞いております。昨年は同窓会誌「ゆかりの色の」郵送時に同様の文書を同封させていただいたのですが、今年はこのような支部の総会時に配布させていただくことにしました。ご理解・ご協力をお願いいたします。


平成27年2月21日
平成26年度 冬休み前全校集会(平成26年12月23日)

平成26年度 冬休み前全校集会

                              平成261223

 

 お早うございます。本校は2学期制なので今日は通知表はありませんが、この年末は1年を振り返るには良い機会ですので、各自平成26年はどんな年だったかをじっくり反省してみてください。

 さて、本日は主に入試を間近に控えた3年生を中心にメッセージを送りたいと思います。

新聞をじっくり読む生徒は少ないかもしれませんが、読売新聞に「時代の証言者」というシリーズものがあります。各界の著名人が、こんな辛いことや嬉しいことがあった、こんな人との出会いがあったと自分の人生を振り返って書いています。

 現在の紙面では、中国の古代史を扱うことが多い小説家・宮城谷昌光さんを取り上げています。ちょうど一週間前にこんな言葉が出ていました。「3年園を窺わず」。出典は出ていませんでしたが、調べてみると、中国・後漢の班固の著『漢書』(かんじょ)の中の「董仲舒伝」(とうちゅうじょでん)に出てくる言葉で、前漢の儒学者、董仲舒が3年間庭に下りず、一心不乱に学問に励んだ故事から、少しも休まずひたすら学問に励むことをいうようです。

 今でこそ宮城谷さんは押しも押されもしない歴史小説の世界の第一人者ですが、作家としては遅咲きで、世に出るまではかなり苦労したようです。宮城谷さんは30歳の頃、海音寺潮五郎の小説「中国英傑伝」を読んで、春秋時代の面白さに惹かれていったと書いています。日本の歴史小説では、海音寺潮五郎や司馬遼太郎をしのぐ画期的な作品を書く余地はほとんどなかったが、中国の歴史小説は中島敦の「李陵」があるものの、それ以外の作家や読者も少なかった。そこで宮城谷さんは3536歳から古代中国を熱心に勉強し、ノートにまとめていったといいます。勉強が面白く、テレビも見ずひたすら部屋にこもり、3年間、外に出かけた記憶がほとんどない。長時間座り続けていたせいで、足に水がたまり、病院で抜いてもらった程だと書いています。その頃を振り返って「3年園を窺わず」という言葉が出てきたのです。

 3年生の皆さんは今まさにその時でしょう。これから3年間とは言いません。せめて冬休みの14日間、家にこもって董仲舒のように一心不乱に勉強してください。

 ところで、宮城谷さんのこの文章を読んでいて思い出した卒業生がいます。それは本校理数科1期生で東京大学に現役で合格したK君のことです。彼が本校の理数科「10年のあゆみ」という冊子に文章を寄稿していますが、その中にこんな文が出てきます。

「私の近況はこのような感じですが、松高時代はどうだったかというと、まったくもって勉強の虫でした。学校ではもちろん、家に帰っても勉強していました。はっきり言って高校時代はどこかに遊びに行った記憶などほとんどありません。周りからどう思われていたか分かりませんが、それほど楽なものではなかった気がします。しかし何か一つの事に集中してやり遂げるということは後々ずっと自分の自信になっていくはずだと思います。たまたま私の場合それが「東大合格」というものでしたが、皆それぞれ何であってもいいと思います」

 宮城谷さんの「3年園を窺わず」と似ていませんか。一流と言われる人、最難関の大学に合格する人、共に本気になって打ちこんだ時間を持っていました。いつも言っていますが、私の好きな言葉「努力したからといって必ず成功するとは限らない。しかし、成功した人は必ず努力している」ということだと思います。

 3年生諸君のこれからの追い込みを期待するとともに、1・2年生も1年後、2年後を考えてこの冬休み限定でもいいから、部活がない人は毎日10時間、部活がある人でも毎日最低5時間の勉強を自分に課して努力してください。先程大掃除のときに、2年生に「10時間勉強」の話をしたら、そんなにやることがあるのですかと聞かれましたが、それはまだ受験勉強にまったく手を付けていない証拠。多分3年生は休み中10時間ではきかない時間机に向かうことになるでしょう。そして、それでも時間がないと嘆く人が多いと思います。

 そして、年が明けるといよいよ大学への願書の提出が始まります。昨年のこの全校集会でも言いましたが、松高生なら国公立大、早慶上智理科大、GMARCHの中からせめて一校ぐらいは是非挑戦してください。受験料が35,000円もする時代に校長が軽々しくいえる額ではないのは分かっています。しかし、バスケットボールと同じです。シュートを打たなければ得点になりません。挑戦しなければ失敗することはないでしょう。しかし、成長もないと思います。挑戦をし、失敗をしてもいいではないですか。さらに努力し、もう一度挑戦すればいいのですから。そこにこそ若者の成長があるのです。最後は皆さん一人一人のチャレンジ精神が問われているのだと思います。

 3年生諸君の一層の踏ん張りを期待します。

同窓会正副会長会議(平成26年11月10日)

同窓会正副会長会議

                            平成26年11月10日

 

 お早うございます。今月3日に行われました日本スリーデーマーチでの「健康散策会」では大変お世話になりました。健康的なウオーキングとおしゃべりで楽しい一時を過ごさせていただきました。また、松高及び松高同窓会の存在感を十二分にアピールできたのではないかと思っております。有難うございました。

 さて、いつものように最近の本校の様子をお話したいと思います。

 まず、ソフトテニス部ですが、昨日、一昨日と新人戦の県大会がありました。土曜日に行われた個人戦では、2年生ペアの石橋・小林組が川越東のペアを破って優勝。個人戦の優勝は2年連続です。また、昨日の団体戦でも川越東を破り、こちらも2年連続13回目の優勝を飾りました。

 同じく昨日は東松山市市制施行60周年記念式典が東松山市民文化センターで行われ、私も参加させていただきました。そこでの上映はなかったのですが、本校の映像制作部が中心となって作成した、市制施行60周年記念映画「歩いていこう」が完成し、先月12日に松山市民活動センターで一般に公開されました。高校生が制作したとは思えない大変すばらしい出来栄えになっております。機会がありましたら是非ご覧いただきたいと思います。

 続いて、先週5日(水)に行われました全国高校駅伝県予選の結果です。昨年より一つ順位を上げ4位となり、3年連続の関東大会出場を決めました。公立学校ではトップの成績です。因みに、各校エースが集まる「花の一区」を制したのは本校3年の小山君でした。彼は春の県大会1,500m決勝で他校選手と接触・転倒し、骨折をしてしまいました。確実視されていたインターハイ出場を逃していましたので、満を持しての出場でした。事故直後は松葉杖をついての学校生活でしたが、焦らず、腐らずよくここまで我慢、そして努力したなと感心しております。今月22日(土)に栃木県佐野市で行われる関東大会での一層の活躍を期待しておるところです。

 次に、空手道部ですが、今月3日(月)に県新人大会が行われ、団体組手で3位、団体形で4位に入りました。花咲徳栄や埼玉栄などが上位を占める中でのこの成績も立派だと思います。

 また、先月26日(日)に県立総合教育センターで「科学の甲子園」埼玉県一次予選が行われました。数学・物理・化学・生物・地学・情報6科目の問題を解き、得点を競うというものです。今年で4回目ですが、これまで浦和高校が1回、大宮高校が2回、全国大会に参加しております。松高もこれまでチャレンジしてきましたが、なかなか一次予選を突破できませんでした。しかし、今年は42チームが参加し、6チームが二次予選に残ったのですが、本校の2年生チームが見事その6校に入りました。来週17日(月)に全国大会出場を賭け、物理、化学、生物分野の実験競技が行われます。健闘を期待したいと思います。

 続いて、先月4日(土)に県の教育委員会主催「第1回 彩の国 高校生ビブリオバトル」が開かれました。ビブリオバトルというのは自分のお気に入りの本の魅力を制限時間内(5分)で発表しあい、誰の紹介した本が一番読みたくなったかを観客の投票で決めるというものです。県内20校から30人が参加しましたが、本校2年生の今村君が見事第1回チャンピオンに輝きました。そして、今週末東京で開催される「首都圏大会」に県代表として出場します。

 このように、勉強にも部活動にも頑張る「文武不岐」の精神はいまだ健在です。以上、最近の学校の様子をお話させていただきました。

平成26年度前期終業式(平成26年9月26日)

平成26年度前期終業式 挨拶

                               平成26926

 前期終業式に当たり大きく3点お話します。

1点目は学習についてです。1年生は高校に入って初めて通知表をもらうわけですが、思わぬ成績、順位でショックを受ける生徒もいるかもしれません。しかし、焦らず地道に努力を重ね、一つずつ順位を上げていくつもりで頑張ってください。

2点目は部活動です。先程表彰式、壮行会がありましたが、文化部、運動部ともよく頑張っていると思います。夏休み以降の活躍を少し挙げてみます。

まず野球部ですが、北部地区新人戦で優勝したことは前回お話しましたが、今月15日から始まった秋季大会地区予選でも96で秀明栄光に勝って県大会に出場します。初戦は28日(日)で、対戦相手は本日行われる所沢北と浦和実業との勝者です。是非頑張ってほしいと思います。

次にサッカー部です。全国高校サッカー選手権大会1次トーナメント初戦で熊谷西に40で勝ったところまでは夏休み明けの全校集会でお話しましたが、次の代表決定戦でも本庄第一に2対0で勝ち、決勝トーナメントに駒を進めています。初戦は1011日に対埼玉平成と行われます。全国大会出場を目指して頑張ってほしいと思います。

次にラグビー部です。全国高校ラグビー埼玉大会が始まっていて、本校は先週土曜日に独協埼玉に240で快勝し、次の対戦相手は昨年負けている慶応志木です。試合は野球部と同じ28日(日)です。是非昨年のリベンジをしてほしいと思っています。こちらも花園ラグビー場出場を目指して頑張ってください。

次に、ソフトテニス部です。こちらは3年生が引退した後の新チームの結果を心配していたのですが、杞憂に終わったようです。北部地区大会では団体戦優勝、個人戦のベスト4までを本校が独占しました。県大会はまだ少し先のようですが、こちらも本校の看板ですので、県大会での活躍を大いに期待します。

このように今月だけをとってみても、正に実りの秋といった感じです。普段の練習の成果をいかんなく発揮していると思います。

次に、大きな3点目です。皆さんはこの漢文を見たことがあると思います。

「少年易老学難成、一寸光陰不可軽」

読める人はいますか。

「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んず可からず」

作者は誰か。わかる人はいますか。これは昔から中国の有名な学者(朱熹)の詩の一節であると言われてきましたが、今は異論も多いようです。作者はともかくとして、意味は、

 「若いうちはまだまだ先が長く、あわてる必要はないと思いがちなものだが、若いと思っているうちにすぐに年を取ってしまい、それに反して学問のほうはなかなか進まない。だから僅かな時間も無駄にせず、勉強しなければいけない」

というほどの意味です。

実は日本の古典にも次のような例を挙げて、同じようなことを説いている文章があります。内容はこうです。

「ある人が、説教を専門とする法師になろうとしました。法事に呼ばれて説教をしなければならなくなったときに、自分は輿や牛車を持たないので、馬に乗れなくては困ると思い、まずは馬に乗ること、つまり乗馬の方法を習った。次に、法事に呼ばれて酒を勧められるようなことがあった場合、芸の一つもなくては頼んだ人も興ざめだろうからと早歌(うた)を習った。その内、この二つの事に熟達し、一層稽古に励んでいるうちに、肝心の説教を習う時間がないまま年をとってしまった」

と、いうものです。

 この文章の出典がわかる人はいますか。そうです。「徒然草」です。この文の次に兼好は、

 「目の前の事にのみまぎれて月日を送れば、ことごと成す事なくして、身は老いぬ。」

(目に前のことだけにまぎれて月日を送るから、どれもこれも完成することがなくて、わが身は年を取ってしまう)-188段「或者、子を法師になして」

と、書いています。

なぜ、今私がこんな古典を持ち出したか賢明な松高生ならばわかると思います。夏休み前にあった支部別PTAで、保護者の方から、また今、本校の先生方と面談をしているのですが、その中で担任の先生方から、皆さんが、ラインやゲームに時間を取られ、勉強時間が確保できていないという心配を多く聞いたからです。

しかし、一方で、3年生には夏休み前に110時間、40日間で400時間勉強しなさいという話をし、実際どれくらいの生徒が達成できたか楽しみにしていると夏休み明けの全校集会でお話しました。結果は私のところに勉強時間を塗りつぶしたグラフを持参した生徒は49名で、一番多く勉強した生徒は600時間でした。つまり、1日平均15時間を40日続けた生徒がいました。流石松高生です。その他500時間を超えた生徒も3人いました。

3年生にはもう今さら私が申し上げるまでもないとは思いますが、12年生でも一部の部活動、あるいは今どの部活動にも所属しておらず、時間をもてあましている生徒は、スマホやゲーム機を机の中にしまい、コンスタントに普段の日は15時間、土日で10時間勉強する習慣をつけてください。13食の食事の時間と風呂に入る時間を除く全ての時間を勉強に充てるつもりならば十分可能なはずです。

昨年「今でしょ」という言葉がはやりました。自分の好きな、あるいは得意な部活に熱中できるのも確かに「今です」。一度始めたからには是非最後までやり抜いてください。 

しかし、それだけでは松高生としては物足りません。「文武不岐」を校是とする本校にあっては、部活動で頑張る生徒は勉強も頑張ってください。また、様々な理由で活動をやめてしまった生徒は、高校時代「せめて勉強はした」といえるぐらい勉強して下さい。

もう一度言っておきます。「少年老い易く学成り難し。一寸の光陰軽んず可からず」です。
夏休み明け全校集会(平成26年8月28日)

夏休み明け全校集会校長講話

          平成26828

皆さんお早うございます。40日間の夏休みはいかがだったでしょうか。私からは夏休み中に行われた部活動等の成果をまずお話したいと思います。

最初はインターハイに出場した陸上部です。本校からは3種目に3人の生徒が出場しました。まず5,000m競歩に出場した3年生の初雁君が、猛暑の中よく頑張り全国第8位に入賞しました。また、ハンマー投げで2年生の伊東君が自己新記録を出し予選13位、三段跳びに出場した3年の本間君が予選19位と二人もよく健闘してくれました。

次に、同じくインターハイ出場のソフトテニス部です。本校からは個人戦に3チームが出場し、3年生新保・佐藤ペアが5回戦まで勝ち進み、最後は大阪の上宮高校に敗れましたが、全国から集まった精鋭316チームの中で昨年と同じベスト32というすばらしい成績を挙げてくれました。また、2年生中島・大熊ペアは3回戦、3年生和栗・関根ペアは2回戦で敗れはしましたが、こちらもよく健闘しました。

 次に、野球部ですが、皆さん知ってのとおり夏の甲子園予選では5回戦で準優勝した市立川越高校に敗れ、残念ながら甲子園出場はなりませんでしたが、7月末からスタートした新チームが北部地区新人戦で3連覇を達成しました。来春の選抜大会につながる秋の大会が来月11日からスタートしますが、大いなる活躍を期待したいと思います。

 次に、バスケットボール部ですが、こちらも県北選手権大会で、私立高校が犇めく中、よく健闘し3位に食い込みました。

 また、卓球部は埼玉県ジュニア高校学年別強化大会で、2年生の諏訪部君がシングルスで6回戦まで進み県ベスト32の成績を挙げています。

 最後にサッカー部ですが、いよいよ全国高等学校サッカー選手権大会の1次予選会が始まりました。本校は一昨日、熊谷西高校と対戦し、40で勝ち、今月30日のブロック代表決定戦に駒を進めています。

 

 また、文化部では、生物部のメダカ班が86日、7日、横浜で開催されたSSHの生徒研究発表会で日頃の研究の成果を発表しました。全国のSSH指定校200校余りの発表があり、その内、SSH指定3年目の学校73校を対象とした審査で本校はその分野2位に当たる「奨励賞」を受賞しました。また、同じく生物部のクロム班は83日~5日、山形県鶴岡市で開催された「第4回高校生バイオサミット」で全国7位に相当する「山形県教育長賞」を、メダカ班は「優秀賞」を受賞しました。

 詳細については、本日配布される新聞部発行の「松高新聞」をご覧頂きたいと思います。

 ところで、私はこの夏、県高野連の役員として本県代表の春日部共栄高校と一緒に甲子園球場に行ってきました。結果は皆さんご存知の通り、開幕戦で春の選抜大会優勝校の龍谷大平安高校を5-1で見事破りました。2回戦では福井県代表の敦賀気比高校に110で敗れてしまいましたが、全国の高校野球ファンの注目を集めました。

 その春日部共栄高校ですが、埼玉県大会では決勝戦で市立川越高校と対戦し、7回まで2-1で負けていたのを8回に一挙6点を入れて逆転し、7-2で優勝しました。逆の見方をすると市立川越は7回まで勝っていながらあと残り2回の所でひっくり返されてしまいました。

 今年の埼玉大会は156チームの参加でしたから、1回戦から出場するとなると負けずに8試合勝ち続けないと甲子園への切符を手にすることはできなかったのです。市立川越高校は7試合勝ち続け、しかも決勝戦の7回までリードしていたのに負けてしまいました。その時私の脳裏に浮かんだのが、次の言葉です。読める生徒は手を挙げてください。

 「行百里者、半於九十」(百里を行くものは、九十を半ばとす)

出典は、中国前漢時代の劉向(りゅうきょう)が編集した『戦国策』です。皆さんの教科書にも出てくる「虎の威を借る狐」や「漁夫の利」「蛇足」などの故事の出典になっているものです。

 百里を行くものは、九十里まで来てやっと半分に達したと考える心掛けが必要で、物事は終わりの方に困難が多いものであるから、九分通りを半分と心得よ。最後まで緊張して努力を続けよという戒めと辞書にはあります。

 市立川越高校が決勝戦の7回の時点で隙があったとは思いません。実際のところは投手の疲れが既にピークに達していたということだと思います。ただ、事実はどうであれ、この夏の県大会を通して見てきて、2,000年も前のこの言葉の重みを痛感しました。8回勝たなければ優勝できない大会ならば、7回勝って決勝戦まで来てやっと道半ばとする。もっと言うと、決勝戦の5回ぐらいまで来てやっと半分と心得、そこからの残り半分が本当の勝負と思うぐらいでないと物事は成就しないと思いました。

 3年生には夏休み前に110時間、40日間で400時間の勉強をするようにお話しましたが、結果はいかがでしたでしょうか。400時間を達成できた生徒はその表を持って校長室に来てください。約束通り記念品を差し上げます。以前「シラバス」の巻頭言に書きましたが、語学の世界では周囲に認められるまでに語学が上達するには1,000時間が必要だと言われています。しかし、大学受験に何時間勉強すれば希望校に合格するというような時間は存在しません。これで十分という時間は存在しないのです。

 つまり、受験勉強においては「合格」という二文字を手にするまでは、常に「まだまだ道半ば」との意識を持って、毎日コツコツと勉強をやっていくことが肝要だと思います。 

 そして、このことは部活動においてもいえることだと思います。春日部共栄高校が敗れた敦賀気比高校の選手は冬の間中11,000回バットを振っていたといいます。それだけでも私から見ると驚きですが、それを上回る打撃力を持つ大阪桐蔭高校の練習量はどれほどだったのでしょうか。「日本一を目指す」と口で言うことは簡単ですが、そこに到達するまでの努力は並大抵のことではないと思います。

 生徒の皆さん、どうか低いレベルで満足せず、常に高みをめざし、日々努力してください。結果は必ず後からついて来ます。改めて、「文武」両面にわたり松高生のより一層の奮起を期待します。

第88回卒業証書授与式 校長式辞(平成26年3月13日)

式 辞

 

 「残りたる雪にまじれる梅の花 早くな散りそ雪は消ぬとも」という歌が万葉集にあります。(残雪に混じって咲いている梅の花よ 早く散らないでおくれ たとえ雪は消えてしまっても)という程の意味ですが、2月の記録的な大雪に隠れていた梅の花も、やっとその出番が回ってきたかのように馥郁とした香りを漂わせております。

 この佳き日に、PTA会長 國嶋良一郎様、後援会長 坂本哲也様、同窓会長 荒井桂様を始め、多くのご来賓のご臨席と保護者の皆様のご出席を賜り、埼玉県立松山高等学校第88回卒業証書授与式が盛大に挙行出来ますことを、職員を代表して心からお礼を申し上げます。

 只今卒業証書を授与した357名の皆さんご卒業おめでとうございます。皆さんは本校で学ぶべき全課程を修了し、栄えある卒業証書を手にしました。それは皆さんの弛まぬ努力とお子様を励まし続けて来られた保護者の皆様の深い愛情が「卒業」という二文字に実を結んだと言えます。「文武不岐」の精神を伝統とする本校三か年の学びを通じ、礼節と品格を備えた松高の卒業生として、明日からはそれぞれの進路へと旅立ちます。この意義深い門出にあたり、心から幸多かれと祈念いたします。

 さて、本校は今年度、生徒募集用のポスターにこれまでの「挑戦」という文字とともに、「日本のトップリーダーになれ!-科学者からオリンピック選手まで-」という言葉を付け加えました。

 勿論本校の建学の精神は先程も申し上げましたが「文武不岐」であり、勉強にも部活動にも頑張る生徒を育てることにありますが、中学生にはわかりにくいので、「文武不岐」の「文」を「科学者」に、「武」を「オリンピック選手」という言葉に置き換えてみました。 

 卒業生の皆さんは1年次の立志講演会でお話をしてくださった昭和62年度卒業の高輝度光科学研究センターSpring-8の中村哲也さんを覚えているでしょうか。今年度2年生の修学旅行では1グループ8人が兵庫県にあるSpring-8に行き、中村さんに広大な研究施設を案内していただきました。また、今年1月の立志講演会では、平成4年度卒業の理数科2期生で、現在、三菱電機の宇宙技術部に所属する高野敦さんが人工衛星の設計にかかわるお話をしてくださいました。一方、平成10年度卒業の陸上部OBの佐藤真太郎さんが本校3人目のオリンピック選手として、先月ソチ五輪に出場しました。今月24日の終業式の日には本校に来て、オリンピックで経験したことを話してくださいます。このように皆さんの周りには科学者や研究者として、またオリンピック選手として、日本で、そして世界で活躍しているOBがいるのです。

 さらに言えば、ここに座っている卒業生の中にも将来、オリンピック選手として、あるいは日本を代表する科学者として、世界で活躍する人が出るかもしれません。例えば、インターハイで実績を残した陸上部や水泳部の生徒たちは2020年の東京オリンピック出場の可能性を十分持っていると思います。また、昨年度の日本学生科学賞・内閣総理大臣賞と高校生科学技術チャレンジ・協賛社賞を受賞し、サイエンスレポーターとしてアメリカに行ってきた生物部の生徒たちは差し詰め「科学者の卵」と言えるでしょう。

 ところで、ソチオリンピックで大きな話題を呼んだ競技種目にジャンプがありました。ラージヒルと団体で銀と銅メダルを獲得し「レジェンド(伝説)」と呼ばれている葛西紀明選手と、金メダルを期待されながら4位に終わった17歳の高梨沙羅選手。葛西選手はソチ五輪を振り返ってこう言っています。「満足のいくオリンピックが7回目にしてやっとかなった。ワールドカップで450試合近く戦ってきて、たった16勝。本当に悔しい思いばかり。それがモチベーションになった」と。一方、初出場の高梨選手は不利な追い風にも言い訳一つをせず「自分の準備不足だと思うし、まだまだ練習が足りなかった。もっともっと強くなりたい」4年後の雪辱を期していました。

 全校集会の際、私はしばしば皆さんに次のような話をしてきました。「努力したからと言って成功するとは限らない。しかし、成功した人は皆努力している」と。葛西選手は勿論「成功した人」であり、高梨選手やフィギュアスケートの浅田真央選手、モーグルの上村愛子選手などは「成功するとは限らない」方に入ってしまいました。上村選手はこれまで出場したオリンピックの順位が7位、6位、5位、4位で、今回5回目のオリンピックでメダルを狙っていましたが叶いませんでした。

 浅田選手や上村選手はこれで引退するとのうわさもあります。勿論種目によっても違うとは思いますが、葛西選手は7度目の挑戦で銀メダルです。私は浅田選手や上村選手にももう一度オリンピックに挑戦し、世界のアスリートと戦ってほしいと思っています。

 経営の神様・松下幸之助にこんな言葉があります。「成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでに諦めてしまうこと」

 先程申し上げた科学者やオリンピック選手にも手が届きそうな生徒や見事現役で大学合格を勝ち取った生徒諸君は、私がここで改めて言わずとも日々実践していることだとは思いますが、自ら限界を設けず、更に高みを目指し、奢ることなく謙虚にただ只管努力を重ね、次のステージに駒を進めて行ってください。一方残念ながら今回の入試で思うような結果が出せなかった生徒諸君、今は我慢の時です。一度や二度の失敗でくじけたり、弱気になったりしていたのではこの先大事は成し遂げられません。皆さんには4年後ではなく、1年後にまたチャンスが巡ってくるのです。自らの力を信じ、夢をあきらめることなく、地道な努力を積み重ね、再度希望校に挑戦してください。そういった苦難の時こそ、校歌・応援歌練習や部活動で培った我が松高健児の意地の見せ所です。担任の先生とともに朗報を待っています。

 結びにあたり、保護者の皆様に一言お礼を申し上げます。三年間の高校生活によって子供たちは、心身共に大きく成長し、この日を迎えました。時には子育ての苦労もあったと思います。今、卒業証書を手にするお子さんをご覧になり、感慨一入のことと拝察いたします。誠におめでとうございます。そして、これまで本校にお寄せいただきましたご支援ご協力に対し改めて感謝の意を表したいと思います。有難うございました。

 我々職員は、諸先輩が築き上げた、松山高校の実績をより確かなものとするため、卒業生が母校として誇れる学校づくりに邁進していくことをお約束いたします。

 また、本日ご列席のご来賓の皆様におかれましては、卒業生への引き続きのご指導と松山高校への変わらぬご支援ご協力をお願い申し上げ式辞といたします。

 平成26313日           

                        埼玉県立松山高等学校長 安齊敏雄

冬季休業後 全校集会(平成26年1月8日)
冬休み明け全校集会挨拶

 
 新年明けましておめでとうございます。3年生は受験を間近に控え、正月どころではなかったかもしれませんが、今のところ事故等のお話は聞いていないので、皆さんが健康で無事新年を迎えられたことと思います。

この冬休み中の本校にとってのニュースとして2つ挙げておきたいと思います。

   一つ目は、ソフトテニス部が122526日所沢市民体育館で行われた県高校インドア大会で2位に入り、今月2425日東京で開催される関東高校選抜大会への出場を決めたことです。

   二つ目は、正月恒例の第90回箱根駅伝で本校陸上部OBの植木章文君が、昨年に引き続き大東文化大学の選手として3区を走ったということです。多分本人にとっては満足のいく走りではなかったと思いますが、チームとしては総合10位で、シード権が取れなかった昨年に比べれば、大きな前進であったと思います。

さて、お正月には「一年の計は元旦にあり」という言葉をよく耳にします。皆さんも一度ならず聞いたことがあると思います。

 では次に、今朝教室で配られた資料を見てください。そこにも同じ「一年の計」で始まる漢文が書いてあります。

「一年之計莫如樹穀、十年之計莫如樹木、終身之計莫如樹人。一樹一穫者穀也。一樹十穫者木也。一樹百穫者人也」

何と読みますか。チャレンジしてみようと思う生徒は手を挙げてください。ヒントを出すと、漢文の基本構造と比較の句法、それに「者」という助字の使い方がわかれば、そう難しくはないと思います。

「一年の計は穀を樹うるに如くは莫し、十年の計は木を樹うるに如くは莫し、終身の計は人を樹うるに如くは莫し。一たび樹ゑて一穫する者は穀なり。一たび樹ゑて十穫する者は木なり。一たび樹ゑて百穫する者は人なり」。

現代語訳すると、

「一年を目安とする計画は穀物を植えるのが一番よい。十年を目安とする計画は木を植えるのが一番よい。一生を目安とする計画は人を植えるのが一番よい。一度植えて一度収穫のあるのは穀物である。一度植えて十度収穫のあがるのは木である。一度植えて百年も収穫のあがるのは人である」

 この言葉の出典は中国春秋時代の斉の管仲の著と伝えられる「管子」です。この言葉は「終身之計」の部分を「百年之計」に置き換えて、「国家百年の計」或いは「国家百年の大計」として人材育成の大切さを言うときに多く使われています。この同じフレーズから「一樹百穫」(いちじゅひゃくかく)という四字熟語も生まれています。

 ところで、朝日新聞は11日朝刊一面に「教育2014 世界は 日本は」という年間企画記事第1号を載せています。それによると、韓国では平成9年の通貨危機後、政府は外貨を稼ぐ企業や人材を育てるため、ことさら英語教育に力を入れるようになりました。「世界1%のグローバル・リーダーを育てるアジア最高の英語教育都市」との触れ込みで、新都市の建設を済州島で進めています。そこに欧米トップクラスの名門私立校の分校と大学を誘致するといいます。因みに、平成23年度において大学などの高等教育機関に在籍する日本人のうち留学している学生は1.0%であったのに対し、韓国では4.0%と日本の4倍にも上っています。とは言え、日本でも国際的な舞台で活躍する人材を育てるための新しい動きも見られます。先頃発表された文部科学省の英語教育改革プランでは2020年を目処に小学校で英語を学ぶ学年を現在の5年生からを3年生に引き下げたり、中学校で英語の授業を英語で教えたりするそうです。また、昨年4月、新潟県立国際情報高校では「海外大学進学コース」を新設しました。1年の2学期にはアメリカの大学のキャンパスツアーを実施し、2年生では英語でのディベート指導が始まると言います。

いつの時代にあっても「教育」は国家の重要な政策の一つであるし、国民最大の関心事と言ってもいいかもしれません。逆に教育を受ける皆さんの立場からすると、今は「一樹百穫」の「一樹」の期間なのです。この高校3年間で何を学び、どの大学を選び、さらに何を学ぶのかが問われているのです。今の時代、大学院まで進む人も多いかもしれませんが、それにしてもあと十年足らずの間で「管子」で言うところの「一たび樹ゑて」の期間が終わり、次は収穫の時期に移っていくのです。質がよく、百年もの間収穫できる実を結べるよう、是非一時間一時間、一日一日を大切にして、多くのことを学んでいってほしいと思います。

最後に、3年生に一言。今月5日の読売新聞のコラムにこんなことが書いてありました。

「…時間の経過がとりわけ恨めしいのは受験生だろう。2週間後に大学入試センター試験が迫る。…冬休みを無駄に過ごしたと悔やむ受験生は思い返してほしい。学校の試験の前夜、「あと1週間あれば」と考えたことはなかったろうか。1週間どころか倍の時間がある。なくしたものより今あるものを数えよう」と。自分の可能性を信じ、最後まで諦めなければ現役生はいくらでも伸びます。入試でも試験終了のチャイムが鳴るまで粘ってください。

3年生諸君の健闘を祈ります。
冬季休業前 全校集会(平成25年12月24日)
冬休み前全校集会挨拶

 何年か前の読売新聞のコラムにこんなことが書いてありました。昭和の大横綱双葉山の連勝記録「69」を止めた安藝ノ海が師匠の出羽の海親方はさぞ喜んでくれるだろうと意気揚々と部屋に戻ったところ、師匠はニコリともせずこう言ったといいます。「勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれ」と。

さて、今年の9月、秋季高校野球県大会の3回戦で、今年の春の選抜大会全国優勝の浦和学院が本庄第一高校に延長戦の末、23で敗れるという大波乱がありました。翌日の埼玉新聞は一面に「選抜V浦学敗退」という見出し記事を載せました。正に今や浦和学院の野球部は勝って当たり前、負けて騒がれるチームになっています。

しかし、その浦和学院にしても昔から強かったわけではありません。今年度前期始業式で少し触れたので覚えている生徒もいるかもしれませんが、浦和学院の甲子園初出場は昭和61年の夏です。その前年、昭和60年の夏は初戦で騎西高校に42で敗れ、更にその前年、滝島先生が現役プレーヤーとして活躍し松高が県準優勝した昭和59年の夏も、浦和学院は緒戦で毛呂山高校に23で敗れています。つまり、浦和学院でさえ血の滲み出るような努力をして、努力をして頂点を極めるわけですが、頂点であり続けるためにはさらなる努力が必要だということです。本庄第一高校に敗れた後のインタビューで浦和学院・森監督は「常に勝つというのは難しいと実感しています」と答えています。

ところで、皆さんは今年の離任式で、今井前教頭先生が菊池寛の短編小説「形」の話をしたのを覚えていますか。

摂津の国の侍大将、中村新兵衛は槍の名手でした。彼の真っ赤な羽織と金色の唐様の兜を見ると敵の兵士達は戦う前から逃げ惑い、敢えて近付いて来る者はいませんでした。ところが、明日が初めての戦となる主君の息子が新兵衛の羽織と兜を貸してほしいと頼んできました。そこで新兵衛はいつもの真っ赤な羽織と金色の兜をその若武者に貸し、翌日自分は黒の鎧を着て南蛮鉄の兜を被って戦場にたちました。するとどうしたことでしょう。真っ赤な羽織を纏った若武者の前には戦わず浮き足立っていた敵陣が、全く目立たない黒い鎧の新兵衛には猛然と向かってきたのでした。新兵衛は必死の力をふるって対抗しました。何時もは虎に向かっている羊のように怖じ気付き、うろたえ血迷う彼らを突き伏せるのに何の苦労もありませんでした。しかし今日は違います。いつもの2倍もの力さえ振るったのですが、ともすると突き負けそうになるのです。気安く兜や真っ赤な羽織を貸したことを後悔する念が新兵衛の頭の中をかすめた時、敵の突き出した槍が彼の腹を貫いていました。

という話です。

敵は兜や鎧で判断し、初陣の若武者に恐れを抱き逃げ惑い、近畿中に名のしれた槍の名手に挑みかかっていく敵の兵士を皆さんはどう思いますか。

実は私たちにもこのようなことはあると思います。野球で言うと「浦和学院」サッカーの「市立浦和高校」、ラグビーの「浦和高校」などのユニホームを見ただけでとても勝てそうもないと思ってしまう。正に先入観のなせる技です。戦う前にユニホームに負けてしまっているのです。

そして、このことはスポーツだけでなく、これから本格化する受験にも言えないでしょうか。受験料が135000円もする時代に校長が軽々に東大を受けなさいとは言いませんが、冒険校が1校や2校あってもいいのではないでしょうか。昨年の3年生にも言ったのですが、模擬試験の合格判定結果が全てABCDEE判定であったとしても、受験当日まで伸びる自分の可能性を信じ、松高生ならせめて早慶上智理科大やGMARCHの一校ぐらいは受けてほしいと思います。受験すらせず、始めから無理と諦めることなく受験してみる。どんなに点数が悪くても大学としては受験料さえ払ってくれていれば文句は言いません。私は今年のPTA総会で保護者の皆さんにこう言いました。現役にこだわるのではなく第一志望に拘ってくださいと。ですから、受験してみて、手応えを感じながらも不合格だったなら、来年再度挑戦してほしいと思います。挑戦なくして成功なしです。

センター試験まではあと24日ですが、国公立大学の2次試験や私大の後期試験までにはまだ2月あります。この冬休みは学校の自習室や図書館でも、予備校の学習室でも、自分の家でもいいですからそこに根が生えるぐらい根を詰めて勉強してみてください。

また、既に指定校推薦やAO入試で大学合格を決めている生徒にお願いがあります。よく言われるように、受験は団体戦です。「チーム松高」でいってほしいと思います。折角他の生徒が遅まきながらですがやる気になっているところです。激励することはあっても水を差すようなことは厳に慎んでください。また、大学によっては学部に関係なく入学直後に全員にTOEICを受けさせているところもあります。大学としても社会の国際化を意識してのことだと思います。AOや推薦で合格が決まっている生徒も是非クラスメートとともにセンター試験を本気で受け、さらに英語力を付けて卒業していってほしいと思います。

3年生諸君の一層の踏ん張りを期待しています。


 

90周年記念式典 式辞(平成25年11月16日)
式  辞
 比企の山並みが錦繍に映える本日この佳き日に、埼玉県教育委員会春山賢男県立学校部長様、地元選出の中村健県議会議員様、江野幸一県議会議員様、地元の森田光一東松山市長様、比企地区内の町村長・教育長様を始め、多数のご来賓のご来駕を賜り、埼玉県立松山高等学校創立90周年記念式典がかくも盛大に挙行できますことは本校にとりましてこの上ない喜びであり、県教育委員会を始め関係の皆様に厚く御礼を申し上げます。

顧みますと、本校は比企地域の人々の人材育成への熱い思いと並々ならぬ努力が実を結び、大正12年に埼玉県立松山中学校としてこの地に産声を上げました。以来、初代若月秀吉校長の教育理念である「文武不岐」、つまり「勉学と部活動に分け隔てなく励む」ことを校是として、これまで各界に多くの人材を輩出して参りました。本校が地域や埼玉県、延いては日本の発展に果たしてきた役割は極めて大きなものがあります。進学名門校として、また県下をリードする部活動の盛んな高校として、さらに礼節教育の浸透している独特の気風と風格を持った高校として、高い評価を得ております。これも母校発展のために限りないご声援とご支援をいただいている同窓会を始め、PTA・後援会、地域といった「チーム松高」の皆様のお蔭と改めて御礼申し上げます。

さて、7年後の2020年、56年ぶりに再び東京でオリンピックが開催されることになりました。この7年後という歳月をどう受け止めるか。「ずいぶん先」というわけでもなく、「もう直ぐ」という感覚でもない微妙な時間的長さだと私は思っております。7年後の自分は何歳で、その時自分は何をしているだろうと多くの日本人が自らに問うたのではないでしょうか。

因みに、本校90年の歴史の中で、陸上部からオリンピック選手が二人出ています。お一人は前回1964年の東京オリンピック・ハンマー投げ日本代表の笠原章平さん。そして、もうお一人が1988年ソウルオリンピック・100m日本代表の大沢知宏さんです。本日は特別に大沢知宏さんにこの式典に御出席いただいております。折角ですから皆様にご紹介申し上げます。恐れ入りますが大沢さんその場でご起立いただけますでしょうか。有り難うございました。新聞部が本日の式典に合わせて発行した「松山高校新聞」に「創立90周年記念特集」を組み、そこに両先輩へインタビューした記事を掲載しております。皆様方には後程ゆっくりとお読みいただきたいのですが、そこで笠原さんは挫折を乗り越えてこそ強くなること、また大沢さんは自ら考え行動することの大切さを後輩達に訴えていらっしゃいます。

ところで、この夏の北部九州で開催されたインターハイに本校から3競技延べ14人が出場しました。結果は、陸上ハンマー投げが第6位、200mでは100分の1秒差で決勝進出は逃したもののタイム的には9位、水泳50m自由形で2位、100m自由形でも8位、ソフトテニス個人戦で全国ベスト32といずれも好成績を挙げてくれました。その内の二人と先日校内ですれ違ったときにこう声をかけました。「オリンピックが東京に決まったけど出られるといいね」と。すると二人とも間髪を入れず「狙っています」と力強く答えてくれました。さすが松高生。笠原、大沢両先輩に続くオリンピック選手が出るかもしれません。皆さんと共に7年後を楽しみにしたいと思います。

また、本校は昨年度文部科学省から5年間のSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の指定を受けました。この事業は若者の理科離れが進む今日、将来の科学技術系人材の育成を目指すもので、現在全国で201校が指定を受けております。本校では理数科及び理数系部活動が中心となって活動を進めております。本校の特徴は地域の自然環境を生かした研究と地域の拠点校としての理数教育の振興にあります。お陰様で各大学や研究機関で最先端の施設を見学したり、大学教授や研究員に来校して講義を行っていただいたりしております。また、昨年度は地域の理数教育振興の一環として、地元の小中学校に呼びかけ松高科学展を開催し、優秀な研究には「松高賞」を授与しました。今後長く続けていきたい行事の一つです。

SSH効果と申し上げてよいかわかりませんが、昨年度は生物部が日本学生科学賞で全国第1位の内閣総理大臣賞を受賞したり、高校生科学技術チャレンジで特別賞を受賞したりして、今年5月にアメリカ・アリゾナ州で開催されたインテル国際学生科学・技術フェア(所謂世界学生科学展)に本校の生物部員6人がサイエンスリポーターとして派遣されました。このように本校では90年変わることなく「文武不岐」の伝統が生き続けております。

ところで、今年度は創立90周年の年であると同時に、66年の歴史を持つ定時制の閉課程の年にも当たります。この節目の年に当たり、改めて本校の歴史に思いを致すとともに、次の創立100周年へ向け新たな一歩を踏み出す時と決意を新たにしております。今後とも建学の精神である「文武不岐」を基軸に据えながら、新しいこと、困難なことにも挑戦していく学校であり続けたいと存じます。

結びに、本日ご臨席をいただきました関係各位の皆様に心から感謝いたしますとともに、変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう切にお願い申し上げ式辞といたします。

平成251116日
埼玉県立松山高等学校長 安齊敏雄


 

夏休み明け全校集会校長講話(平成25年8月29日)

皆さんお早うございます。40日間の夏休みはいかがだったでしょうか。私からは夏休み中に行われた部活動の成果をまずお話したいと思います。

最初はインターハイに出場した陸上部です。競技は730日から83日にかけて、大分県で行われました。本校からは5種目に延べ8人の選手が出場しました。まず競技初日で、ハンマー投げの3年生斉藤君が、決勝で自己新記録の59m89を投げ、全国第6位に入賞しました。インターハイという大きな大会で自己ベストを更新するという精神力の強さに感動しました。次に、同じく初日に行われた4×100mリレーですが、いずれも3年生の奥・北川・舛田・福島の4選手が出場しましたが、残念ながら予選通過はなりませんでした。続く競技2日目、3日目、4日目で本校のエース、3年生北川君の走り幅跳び、100m200mがあったのですが、足の故障で満足のいく競技ができず、走り幅跳びと100mは予選を通過することができませんでした。しかし、本人にとって最後の競技、200mでは前日の針治療の甲斐あってか、予選をグループ1位で通過しました。各組2位までが決勝に進めることになっている準決勝で、100分の1秒差でグループ3位に終わり、決勝に進むことはできませんでした。もし決勝に進出していれば、今注目のスプリンター・京都・洛南高校の桐生君との勝負が実現するところでした。残念でした。しかしタイム的には全国第9位の成績ですから大健闘です。

次に、同じくインターハイ出場のソフトテニス部です。会場は陸上部と同じ大分スポーツ公園で82日、3日の2日間で行われました。3年生遠山・岡部ペアは残念ながら初戦で、京都の西城陽高校に敗れてしまいましたが、同じく3年生福嶋・井山ペアは5回戦まで勝ち進みました。最後は岐阜の中京高校に惜敗しましたが、全国から集まった精鋭314チームの中でベスト32というすばらしい成績を挙げてくれました。

続いて、同じくインターハイに出場した水泳部です。会場は長崎市で、817日~20日までの4日間で行われました。3年生山口君が50m100mの自由形に出場しました。テレビ、新聞等を見て結果を知っている人も多いかと思いますが、50mで全国第2位、100mで全国第8位という大変すばらしい成績を残してくれました。顧問の坂本先生にお聞きしたところ、山口君も泳ぐたびに自己ベストを更新しているようです。競泳の世界選手権400m個人メドレーで日本人初の金メダルを獲得した毛呂山町出身の瀬戸大也選手が今、時の人となっていますが、山口君も世界で活躍する選手になってくれることを期待しています。

 次に、野球部ですが、皆さん知ってのとおり、夏の甲子園予選では残念ながら3回戦で春日部高校に敗れ、夏休み前から新チームがスタートしました。その新チームが北部地区新人戦で昨年に引き続き優勝しました。3回戦では甲子園出場経験をもつ本庄第一に32で競り勝ち、古豪・熊谷商業との決勝戦では投打がうまく噛み合い85で逃げ切りました。来春の選抜大会につながる秋の大会が来月7日からスタートしますが、大いなる活躍を期待したいと思います。

 また、卓球部は816日に行われた埼玉県ジュニア高校学年別強化大会で、2年生の相原君が県ベスト16、岸本君と赤木君が県ベスト32の成績を上げています。

 最後にサッカー部ですが、いよいよ全国高等学校サッカー選手権大会の1次予選会が始まりました。本校は昨日、春日部東高校と対戦し、10で勝ち、今月31日の代表決定戦に駒を進めています。

 また、文化部では、生物部が87日、8日、横浜で開催されたSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の全国大会で研究発表を行いました。全国から集まったSSH指定校198校の発表があり、本校もレベルの高い発表ができたと思います。

 詳細については、本日配布される新聞部発行の「松高新聞」を読んで頂きたいと思います。

 ここまで夏休み中の皆さんの活躍を紹介してきたわけですが、この内、私は81日、2日と12日で大分に行って、陸上部とソフトテニス部の応援をしてきました。帰ってきてすぐ、7日には横浜のSSH研究発表会を見学しました。そこで感じたことを次に二つお話したいと思います。

 一つ目は、「文武不岐」についてです。顧問の川田先生にお聞きしたところ、陸上でインターハイに出ている県内の学校は公立・私立併せて男子で22校、女子では14校あるそうです。一方県内でSSHの指定を受けている学校は公立・私立併せて10校です。これらの学校で、陸上でインターハイに出場し、SSHの指定も受けている学校は県内にいくつあると思いますか。

実は男子では松高と早大本庄の2校、女子では浦和一女1校のみです。インターハイでこれだけ活躍し、しかも将来の科学者の卵も多く抱える本校のような学校は全国的に見てもそう多くはないと思います。つまり、先程紹介したような皆さんの活躍は、本校の建学の精神「文武不岐」を証明して見せているということです。今回陸上だけに限って見たわけですが、これを運動部、文化部併せての全国大会出場校としても結果はそう大きくは変わらないと思います。皆さんの一層の活躍を期待します。

 二つ目は、「競争相手」についてです。今回陸上のインターハイが行われた会場は4万人収容可能な大分銀行ドームというところでした。そこに全国から数千人のアスリートがそれぞれ日本一を目指して集まっていました。会場に着いての私の最初の印象は、「ここで勝つというのは並大抵のことではないな」ということでした。本人の体調が万全ではなかったといえ、100mでは埼玉県で1位、北関東大会でも優勝している北川君が予選を通過できない選手の集まりというのは、スーパーマンの集まりです。陸上でも水泳でも隣のコースのスーパーマンに勝たなければ優勝はできない。テニスでも野球でもサッカーでも同じです。目の前の敵を倒さなければ先に進めない。だから選手たちは普段から厳しい練習にも耐えているのだと思います。

それを受験に置き換えてみたらどうなりますか。

 昨年の大学入試センター試験の志願者数は約57万人。先程いった大分銀行ドーム14個分以上の受験生と競わなければいけないのです。全ての受験生が同じ大学を受けるわけではないので、そう単純な話ではないのですが、それにしても皆さんが希望している大学は全国区の大学ですから、インターハイと同じようにそれぞれの学校、或いはそれぞれの県を代表するような受験生と戦わなければならないはずです。そのことは模擬試験の結果として全国でその大学を希望している受験生の中の何番目という数字で表されてきます。しかし、それはあくまで数字であって、その数字に見合った生身の人間の存在を感じることはなく、むしろすぐに偏差値に目がいってしまうのではないでしょうか。先程申し上げましたが、私は今回大分ドームに集まった多くの高校生を目の前にしてひるんでしまいましたが、生徒の皆さんにも、数千人の高校生を相手にするということはこういうことなんだということを肌で感じ取ってもらいたいと強く思いました。

 しかし、それは実際には不可能ですので、数字を数字として眺めるのではなく、実態として想像できるものに置き換えてみてください。例えば、同じ学部に1000人希望しているとします。それはここにいる松高生全員分の人数です。同じ学科に400人希望しているとします。それは松高生1学年分に相当する人数です。それだけの人を相手にして戦わなければならないとすると、そうのんびりはしていられないということです。

 ところで、先日、日米通算4000本安打を達成したニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手は私の尊敬する人物の一人です。4000本安打を達成できた要因に多くの専門家は大きな故障をしなかったことを挙げています。それだけイチローの体の管理は徹底していたのです。その彼を評してオリックスに同期入団し、大リーグでも活躍した田口壮さんは「(筋力トレーニングを)毎日繰り返しやるのはつらいもの。『今日ぐらいは』と思うことがあるものだが、彼はそれがない。」と語っています。(H25.8.25読売新聞)

とは言ってもイチローのような徹底した自己管理ができる人はそうはいない。一人で勉強しているとどうしても怠け心が出てきます。ではどうしたらよいか。私は自習室や図書館を利用することを勧めます。まず勉強しているのは自分だけではないということを意識できる環境をつくる。そして次に身近なライバルをつくることだと思います。あいつが帰らない内は俺もここ(自習室)で頑張るといった具合に。

これから3年生は受験本番まで勉強漬けの日々が続きますが、「今日ぐらいは」ということなく毎日コツコツと地道に勉強していってください。3年生諸君の頑張りを期待します。


新入生歓迎球技大会挨拶(平成24年5月28日(月))
  皆さんお早うございます。
  新入生歓迎球技大会にあたり一言お話をします。
 先週の土曜日に、お隣の松山中学校の運動会に行ってきました。実際に見たのは最後の全員リレーだけでしたが、とても楽しく見学させてもらいました。
 各クラス35人ぐらいでしたが、男女が順序を問わず混合で一人100メートルを走り、バトンで繋いでいきます。およそ見ていると最後の方に足の速い生徒を揃えていたように見えました。しかし、30人以上が走っていくうちには、速い子もいれば遅い子もいる。どんなに速い生徒がいても、一人が走る距離は決まっていて100メートル。結局は総力戦で、クラス全員が、或いは担任の優勝するんだという意気込みが前面に現れていたチームが勝ったように見えました。
 今日の本校の球技大会も同じだと思います。5種目それぞれでチームワークが大切なことは言うまでもないことですが、総合優勝するには、クラスの生徒全員が優勝に向かって一つになってかかっていかないとできないことだと思います。
 先日の関東大会の壮行会でもお話しましたが、やるからには「勝つ」「優勝する」といったハッキリとした目標に向けて、チーム全員、クラス全員が力を合わせ競技をして下さい。
 そして、この大会は単なる球技大会ではありません。新入生歓迎球技大会です。2,3年生はその強さを是非新入生に見せつけて下さい。沽券に関わります。ゆめゆめ1年生に負けることのないようにお願いします。また、1年生は自分たちの持てる力がどこまで先輩に通用するか、立ちはだかる壁に挑戦してみて下さい。
 昨日校内を見回っていましたら、力が有り余っているのではないかと見受けられる生徒がいました。青春真っ只中の皆さん、そのエネルギーをこの2日間で燃焼させて下さい。熱戦を期待します。

第90回入学式 校長式辞(H24・4・9)
  校長式辞
 例年になく寒く長かった冬もようやく去り、桜の花が今を盛りと咲き匂う今日ここに、埼玉県立松山高等学校第 90回入学式を挙行するに当たり、PTA会長 坂本哲也様、後援会長 堀口幸男様、同窓会長 荒井桂様、県議会議員江野幸一様、松本恒夫様、東松山市教育委員会教育長中村幸一様を始め、多数の御来賓の皆様並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、誠に有り難うございます。新入生はもとより私たち教職員一同大きな喜びでございます。
 只今入学を許可した359名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
 皆さんは自らの意志で本校を選び、見事に難関を突破し、入学を許可されたわけです。今日の感激とこれまでお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに勉学や部活動に励み、実り多い高校生活を送られるよう願っております。
 ご案内のとおり本校は「文武不岐」を建学の精神とし、大正12年に創立された県下に誇る伝統校です。卒業生は既に2万7千人を超え、政界、財界、法曹界など様々な分野で活躍しております。この間、平成元年には従来の普通科に加え理数科を、更に3年前には普通科に特進クラスを設置するなど魅力ある学校づくりにも推進してまいりました。また、今年度から、将来の国際的な科学技術系人材を育成することを目指し、理数系教育に重点を置いた文部科学省の事業である、ssh=スーパー・サイエンス・ハイスクールの指定を受けることになりました。今後とも「個性、能力の伸長」に向け、生徒、保護者、全教職員が一体となった「チーム松高」としての教育活動を展開してまいりますので、新入生諸君の積極的な取組と保護者の皆様を始め、本日御臨席の皆様方の御協力をお願い申し上げます。
 さて、私は本日午前中に行われた始業式では、在校生に「立志、努力、挑戦」ということを話しました。つまり、まずしっかりと目標を立て、次に目標が決まったらそれに向かってコツコツ努力をし、そして最後は自分の力を信じ、目標に向かって挑戦することの大切さをお話しました。勉強においても部活動においても「もうこれ以上は無理、限界」というその一歩先のところまで努力をして、自分の、或いは自分たちの持てる可能性に挑戦して欲しいということです。
 そこで、新入生の皆さんには、高校生活のスタートに当たり、「挑戦」について話しておきたいと思います。
 先週4月2日、各紙朝刊に、昨年「大人の流儀」でも注目された直木賞作家、伊集院静さんが新社会人に向けてメッセージを贈っていました。タイトルは「落ちるリンゴを待つな」です。「落ちるリンゴを待っていてはダメだ。木に登ってリンゴを取りに行こう。一、二度木から落ちても何でもない。…風に向かえ。苦節に耐えろ。常に何かに挑む姿勢が、今、この国で大切な事だ」と。
  私はこのメッセージを読んだ時、すぐに埼玉県の市民ランナー川内優輝さんを思い浮かべました。川内さんは県立春日部高校の定時制の事務職員です。勤務は定時制ですから、昼の12時45分から夜の9時15分までで、平日の練習は午前中のみ。休日は各種の大会に参加することが練習となっているようです。彼は昨年2月の東京マラソンで自己ベストの2時間8分37秒を記録し3位に入り、9月の世界陸上に出場し、日本の団体銀メダルに貢献しました。また、ロンドンオリンピック選考レースの一つになっていた12月の福岡国際マラソンでは日本人最高の3位に入りました。記録は自己ベストに及びませんでしたが、オリンピック候補に名乗りを上げました。しかし、彼はこのタイムでは世界で戦えないと残りのオリンピック選考レースの一つである今年2月の東京マラソンに日本人トップと自己記録更新を目指し再挑戦しました。結果は皆さんご存じの通り、給水ボトルを取れなかったことが影響してか14位に終わってしまい、オリンピック代表選手にも補欠メンバーにも選出されませんでした。
 この結果を皆さんはどう思いましたか。私は今回のオリンピック出場をかけた彼の再挑戦に心から拍手を送りたいと思っています。月並みな言葉ですが「彼は偉い」。彼はオリンピック出場というリンゴが落ちてくるのを待つことなく、果汁溢れる美味しいリンゴを取ろうと、再挑戦という木に自ら登って行きました。結果は木から落ち、リンゴを取ることはできませんでした。しかし、多くの人に、挑戦することの難しさとともにその大切さを教えてくれたと思います。松高生諸君が進取の気象を持ち、リンゴの木に登っていくことを期待しています。私からは次の言葉を新入生の皆さんに贈ります。「心を耕し、頭と体を鍛え、常に挑戦者たれ」
 終わりになりましたが、保護者の皆様に一言、お祝いとお願いを申し上げます。
 お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
 本日より大事なお子様をお預かりいたします。私たち教職員一同心を一つにし、全力を尽くして生徒一人一人の教育に専念する所存でございます。保護者の皆様におかれましても、是非本校の教育方針を十分御理解いただき、絶大なる御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
  また、本日御臨席の皆様には、今後とも本校教育発展のため、変わらぬ御支援、御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、式辞といたします。
                               平成24年4月9日
                   埼玉県立松山高等学校長  安齊敏雄
  
卒業式式辞(H24・3・13)

式辞

  厳しかった冬の寒さも和らぎ、比企丘陵に暖かな日差しが注ぎ、今年も新たな希望に満ちた、春が巡ってまいりました。この佳き日に、PTA会長坂本哲也様、後援会会長堀口幸男様、同窓会長荒井桂様、をはじめ 多くのご来賓のご臨席と保護者の皆様のご出席を賜り埼玉県立松山高等学校第八十六回卒業証書授与式が盛大に挙行できますことを、職員を代表し心よりお礼申し上げます。
 ただ今 卒業証書を授与した、三百六十八名の皆さんご卒業誠におめでとうございます。皆さんは、本校で学ぶべき全課程を修了し、栄えある卒業証書を手にしました。それは皆さんの弛(たゆ)みなき努力と励まし続けられた保護者の方々の深い愛情、そして熱心に指導された先生方の熱い心が「卒業証書」という言葉の中に結晶化しています。「文武不岐」の精神を伝統とする本校三年間の学びを通し、礼節と品格を備えた松高の卒業生として、明日からはそれぞれの進路へと旅立ちます。この意義深い門出にあたり、心から幸多かれと祈念いたします。また、この間、陰になり日向になって、お子様を育み、支えてこられた保護者の皆様、このたびはまことにおめでとうございます。
 さて、卒業生の皆さん、今日の世界や日本の産業や経済の状況を見ると、1年先さえも予測できません。グローバル化や情報革命、技術革新は急激な変化をしています。世界の生産拠点は、中国をはじめとする東南アジアなどの新興国に移りつつあります。その中で、日本が生き残り新しく生まれ変わるためには、高い付加価値をもった産業への構造転換が必要になると考えられますが簡単ではありません。そして何よりも、日本国内では、昨年起きた未曾有の痛ましい大震災の問題です。復興、人々のきづななど、様々な問題があります。今、この国自体が問いかけられていると言えます。この問題を卒業生の皆さん、一人ひとりが自分に関わることととらえて下さい。この国の未来を切り開いていくのは、皆さん一人ひとりの力にほかならないと言うことです。このような社会に旅立つ皆さんに一言「餞」の言葉を贈ります。
 まず第一は、「学び続ける心」を一生離さないで下さい。
 前例が通用しない変化の激しい時代では、学ぶことにより、確かな知識・判断力が身につき、変化する社会への対応が可能になります。自分自身の可能性を広げ、豊かな人生を送るため必ず必要となります。松高記念館の玄関には渋沢栄一が松山高校のためにしたためた「為爾惜居諸(なんじのためきよしよをおしむ)」の書がかかげてあります。学ぶことは何時でも何処でもやる気さえあれば可能です。強い意志、ねばり強い、折れない心を持って学び続けて欲しいと願っています。学びの基本は書を読むことにあります。本を通じて、自分が知らない世界を体験できます。松高では、勉強や部活動に忙しかったと思います。しかし、卒業後は自分の使える時間が増えることでしょう。是非、良い本をたくさん読んで下さい。  
 二番目は、「何度でもチャレンジする強さ」を持って下さい。社会に出れば自分の行動そのものに責任が伴います。大学生であっても同様です。従って、自分が何か行動を起こせば、それが社会にどのような影響を与えるのかを予測できる知識と経験を積んで欲しいと思います。そのことを通じて仕事の意義がわかり、人生の楽しみも深まるでしょう。忘れてはいけないのは、「挑戦することを怖がらない」ことです。社会に出て生まれる責任に萎縮することなく、たとえ壁にぶつかってもへこたれない強い精神力を持って下さい。そして、社会のリーダーとして活躍して下さい。          
 また、進学準備に入る人もいます。この期間は、将来の糧になり得る期間です。最後の最後まで、粘り強く頑張って下さい。    
 在校生の皆さんにも話しておきます。卒業生の残してくれた数々の実績や素晴らしい伝統を受け継ぎ、日々精進して欲しいと思います。高校生活は瞬く間に過ぎていきます。学業と部活動、どちらも最後は自分との戦いです。一日一日を大切に精進して下さい。そして、一年生は二年後、二年生は一年後に満足できる今日の日を迎えて下さい。
 終わりにあたり、保護者の皆様に一言お礼を申し上げます。三年間の高校生活によって子供たちは、心身共に大きく成長し、この日を迎えました。時にはご苦労もあったと思います。今感慨無量のことと推察いたします。本当におめでとうございます。そして、これまで皆様が本校にお寄せいただいたご支援とご協力に対しまして心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。 
 我々職員は、諸先輩が築きあげた、松山高校の実績をより確かなものとするため、卒業生が母校として誇れる学校づくりに邁進していくことをお約束いたします。 
 また、本日ご列席のご来賓の皆様におかれましては、引き続いての卒業生へのご指導と松山高校への変わらぬご支援ご協力をお願い申し上げ式辞といたします。
               
 平成二十四年三月十三日 
                      埼玉県立松山高等学校長
                               山田 良秋

全体集会講話(H24.1.10)
  みなさんお早うございます。
 新しい年が明けて、みなさん一人ひとりが決意を新たにしたことと思います。昨年度の自分自身の勉強や部活動の成果を振り返り、新たな目標を定め、挑戦をすることが必要です。
 さて、今日は年末にかけて読んだ、ちょっと古い本ですが、額田晋氏の「人生観」という本について話します。
 人間は、他の動物と違います。著者は人類の特徴を、「理想にもとづいて行動する」ところにあると言っています。


 その理想は、おおよそ真・知・善・愛・美の5つに分けられるそうです。著者の生き方の哲学であるこの本から、君達の励む勉強や部活を人間の生き方という視点によって意味づけられると感じたからです。
◎真は、真理の探究です。まだわかっていない自然界の真理を見いだそう
 と努めることです。
◎知は、すべての事柄に対して正しい知識を得ようと努力することです。
◎善は、善き行為をしようと努力することです。自ら進んで社会のために良
 い事に努めることです。
◎愛は、隣人に対する愛です。親兄弟、友達は勿論、自分を愛することも
 含まれると思います。
◎最後の美は、芸術などによって人間生活の内容を豊富にしようと努力す
 るということです。
 以上の、5つの理想の完成に向かって、努力するのが人類の特徴であると著者は言っています。  
 そして、人生の意義は、努力することにあると結んでいました。人間の人生の意義は、努力です。論理学で言う対偶をとれば、努力がなければ、人生の意義はないと言うことになります。
 つまり、真理を探究し、正しい知識を得ようと努力し、善行を行い、愛を持って、自分自身の生活を豊かにしないと、人生の意義がないということです。
 さて、休みが明けて今日から学校が始まりました。これからの、1月2月3月は、勉強でも部活でも仕上げの時となります。
 勉強に関しては、3年生の多くの人は、4日後にセンター試験が控えています。3年生の93%の生徒が受験します。あと4日間、風邪等に注意してしっかり集中して勉強をして下さい。 また、1・2年生は、学年の成績がつく時です。今まで、悪かった人も、成果の出た人も決して傲らず、油断せず、過去をリセットして、切り替えてエンジンをトップにして下さい。
 勉強は真・知に向かう第一歩です。そのためのトレーニングと位置づけられます。
   また、部活動においても、いくつかの部を除けば、今は鍛錬期です。今の時期じっと耐え、基礎基本をしっかり積んで、試合シーズンに向けて欲しいと思います。
 繰り返しますが、これから勉強も部活も貴重な時期となります。
 勉強と部活の大きな意義をとらえ、みなさん自身が、これからの時期を上手く活用することを期待して、全体集会の話とします。

全体集会講話(12月22日)
全体集会講話
 平成23年12月22日
  みなさん、お早うございます。
  今年は、国内では、東日本大震災から始まり、たくさんのことがありました。世界を見ても、世界規模の不況が心配されます。しかし、本校は君達の活躍で、良い事がたくさんありました。                        
  それでは、全体集会に当たり、話をします。今日は、「形」と「内容」について話します。       
 


私が昔トライした陸上競技を例にとります。陸上競技のトラックレースは、一定の距離を如何に早く移動するが競われます。逆立ちして、ゴールしても記録されます。ゴロゴロ転がってゴールしても記録されます。しかし、一番速く走るのは言うまでもなく二本の足を使います。そして、その2本の足の使い方が重要になります。松山高校の陸上部の生徒達の練習を見た人もいると思いますが。ダンスのような色々なスキップの練習を行っています。区分化したトレーニングを行い、体に覚え込ませているのです。着地の仕方、股膝の上げ方、曲げ方、腕の振り方など、動きの中で体にしみこませているのです。そうすることによって、同じ人間の、筋力、柔軟性、敏捷性でも力学的に早く走れるようにしているのです。同時に、更に筋力、柔軟性、敏捷性を向上させるトレーニングも行っています。     
 これは、他の競技でも同じだと思います。それぞれの部活動で準備運動が終わり、基礎トレーニングを行います。剣道なら、打ち込み等を行うでしょう。バスケットならドリブル等の練習をするでしょう。野球なら、バッテングやキャッチボール等を行うでしょう。これらの基礎練習は、すべて実践で活かせるために行います。               
 
 さて、これから本題です。高校生の基礎練習は何だと思いますか。                          それは先ず、生活をキチンとすることです。そのためには、形から入ることが必要です。衣食住や睡眠・休養は基礎の中の基礎です。
  次は、挨拶と服装です。松高生は、90%以上の生徒が良く挨拶をします。外部からの評判も高いです。しかし、残り、数パーセントの人は残念ながら、あまり挨拶が出来ないようです。更に、その様な生徒の服装は良くありません。中には、自分の趣味のカーディガンを羽織って登校するような生徒も、時々見かけます。                       
 高校は人間づくりの場です。人との関係は挨拶から始まります。そして、服装は着ている人の姿勢があらわれます。だから挨拶と服装は係わってくるのではないでしょうか。
 是非とも、学校生活を形から始めて下さい。形は形骸ではありません。自分自身の表現で、必ず自分のためになります。               
  それでは、皆さんが充実した冬休みを過ごせることを期待して、全体集会の話とします。


比企一周駅伝開会式「挨拶」

第47回比企一周駅伝大会開会式「挨拶H23.11.22」

 明後日の松高駅伝に向け、君達に向けた言葉があります。 
 昔のことになりますが、私も本校の青木先生と同じように長距離の監督をしていました。その時の話です。毎年1月に、川本から上尾まで走る埼玉駅伝があります。松高の陸上部も毎年出ています。前年の11月県高校駅伝で優勝し、京都の全国大会でも11位でしたので、再び優勝を狙って埼玉駅伝に出場しました。選手達への注意は、経験豊かな選手ですので、事前に中継時間等を書いたペーパーを渡しておきました。その大会は、予想した通り、一区のスタートは2位と遅れたもの、二区、三区、とつなぎ、四区でトップに立ちました。私は、役員として移動監察車に乗って、選手の走る姿を見ながら優勝を期待していました。ところが、四区の選手が五区の選手にタスキを渡す時、5区の選手が中継地点にいませんでした。
                



     四区の選手は、大きな声を出しながら五区の選手を捜してしていました。私はその光景を見て、呆然としました。その間に、埼玉栄高校、狭山ヶ丘高校が通過しました。4位の浦和実業までが通過しようとしていました。その時間2分近くあったと思います。ようやく、ジャージを脱ぎながら五区の選手があわてて中継所に現れました。その選手はタスキを受け、走り出しましたが、車の中から見ていても焦っている様子がわかりました。浦和実業の選手にも離されていきました。最終区の選手も懸命に前のチームを追走しましたが、4位で終わってしまいました。      
 試合直後のミーティングで、ミスした5区の選手に聞いてみると、付き添いと共に、6区の中継時間を念頭に置いたようでした。思い込みから犯した取り返しのつかないミスでした。 
  駅伝競走は、選手、補欠、付き添い、更には中継所役員、そして、応援のクラスの生徒も一つのチームとなります。是非とも当日はミスのないようにお願いします。
  また、松高駅伝は、全区間走行距離61.6kmに渡ります。フルマラソンの1.5倍の距離です。先日、小川町「小川和紙マラソン」の交通規制の捨看と同じように、ドライバーの方達に協力を求める松高駅伝実施の看板を目にしました。体育科の先生方が事前に用意・設置したものです。
  当日は、PTAの方々500名ほどの協力をいただきます。
 更に、松高駅伝は、地域の方も楽しみにしています。地域の人たちの声援にこたえて頑張って下さい。         
  最後に、「一本の矢はもろくても、束ねれば強い」という諺があります。
 生徒全員がそれぞれの役割を担って一つにまとまって、立派な伝統ある第47回松高駅伝にして欲しいと願っています。  クラスのタスキをつなげると共に、学校全体で次の第48回大会へとタスキをつないでいきましょう。 
  以上、開会式の挨拶とします。
後期始業式「挨拶」(平成23年10月3日)
 皆さん、お早うございます。              
 今日から後期が始まります。また、衣替えでもあります。 詰め襟を着、新たな気持ちで登校したと思います。
 今の気持ちを持ち続けて下さい。            
 さて、一週間程前に前期成績会議が行われました。その結果は、担任から君達に渡ったと思います。
 「文武不岐」を全うしている生徒も沢山います。全体的に言えば、頑張っている人、今後頑張らなければならない人の両極化が進んでいるようです。この傾向は、学年が進むにつれてさらに大きくなっています。
 「学習」が学校生活の中心です。皆さん自身が、早め早めの弱点克服をしなければなりません。


  3年生の諸君は、卒業後の進路決定の試験が間近に迫っています。推薦入試も始まり、センター試験の受付もまもなく始まります。
 学校の目標である「W60」、即ち現役進学率60%、併せて国公立大学合格者60人の実現に向けて頑張って欲しいと思います。因みに、現役進学率はここ数年60%前後ですが、国公立大学合格の60人はまだ達成していません。
 松山高校の国公立大学の合格者は、私が着任した前年は、 26人でした。そして、翌年33人、今年は41人となり、年々増加傾向にあります。先生方の指導に皆さんが応えている結果です。国公立大学だけが全てでは勿論ありませんが、今年の3年生に大いに期待しているところです。君達の進路実現は、日本の将来につながります。自分の人生の充実と日本の発展を繋げて下さい。このような事を言うと、今の3年生には、プレッシャーになるかも知れません。しかし、プレッシャーは活用できるのです。                     
 女子マラソンの選手で、有森裕子を皆さんは知っているでしょう。川越女子高校の教頭をしている時に、彼女を講演会で招聘したことがあります。                  彼女は「プレッシャーを喜びに変える」と言っていました。試合前の緊張感を集中力につなげたり、記録の向上に役立てています。何もしない人にはプレッシャーなどありません。プレッシャーを感じることは行動している証拠なのです。そして、このプレッシャーを大いに活用して下さい。
 次に、1・2年生の皆さんに話します。目や心が、目標をはっきり見つめることを、「目指す」「志す」といいます。
 進路目標や校内での目標を明確にし、目標の達成を「目指す」こと。それが日常の授業にも身が入ることにつながっていきます。目標が決まれば、行動を起こせます。そして、自分が決めたことに対してする行動は、義務的なそれとは比べられないほど、大きな成果が得られます。
 学習において、授業中先生の話を漠然と聞いているだけではダメです。予習を行い、課題を持って授業に臨むことで成果は表れます。課題を持つことで更に集中力が生み出されます。
 是非とも、松高生として妥協することなく、少し高いレベルを目標に定め、一人一人が目標達成に力を尽くしてほしいと思います。「能力の差は小さく、努力の差は大きい」との言葉は真理です。努力の継続・反復が必要です。         
  言うまでもなく、同じ松高生でも君達一人ひとりは別々の人間です。だから、成長の早さにも違いがあるかも知れません。しかし、「継続・反復」すれば、必ず成果は表れます。もう一度言います。「能力の差は小さく、努力の差は大きい」のです。努力を止めた時点で成長は止まります。一時的な努力ではいけません。努力の継続。それこそが勝負の分かれ目です。
 そして、大前提となるのが、自分の決めた目標なのです。日々気持ちを新たにして、勉学に向かって下さい。
  部活動も同様です。いつも顧問の先生から指示を待っているような指示まち人間ではダメです。やらされているのでもダメです。消極的な姿勢では、効果はないのです。むしろ、後退する場合があります。顧問を乗り越えるような積極的な姿勢がないと伸びません、また上達しません。自分から取り組む姿勢が大切です。時々、自分の取り組む姿勢。それが正否を分けるのです。やらされているのか、或いはやっているのか、顧みて下さい。
  以上始業式の話とします。


前期終業式「挨拶」(平成23年9月30日)
  皆さんおはようございます。
  今日で前期が終了します。朝夕涼しく、秋めいてきました。「読書の秋、スポーツの秋」と言われています。過ごし易い気候で、勉学に身の入る時期です。また、部活動にも気持ち良く取り組めます。これからの時期、皆さんは、学習にしっかり取り組み、さらに部活動にも大いに頑張って下さい。     
 今日は、松山高校生が行った善行について話します。   
 



 今週の火曜日のことですが、東松山市福祉エリアの職員の方から、お礼の電話がありました。             
 9月25日の日曜日、市内の福祉施設に入所している2人の子どもが行方不明になりました。施設では、2人がなかなか帰ってこないので、捜索願を出そうとしていました。
 実は、その子どもは、松山高校敷地内の部室の前にいたのです。本校の生徒が、困っている2人を見つけて、手をひいて施設まで送り届けてくれました。施設の職員の方々は、2人が何事もなく帰って来たのでホッとしたそうです。       
 職員の方々は、本校の生徒に対して「対応が穏やかで、素晴らしい生徒である」と感心したそうです。このことで福祉エリアの代表の方から、お礼の電話があった訳です。 
 本校生徒の善行はたくさんあります。全体集会等で私は、ほんの一部を時々紹介することにしています。        
 今日紹介したのは2人ですが、松山高校の多くの生徒がこの様な心を持っていると思い、感心しています。今後とも、君達は、良い行為は自信を持って、勇気を持って、率先して行動して欲しいと思います。
 また、折角の機会ですので、併せて、直すべき一面も話します。本校の生徒諸君は、挨拶も非常に良くでき、素晴らしいと思いますが、下校時にジュースなど飲みながら帰る生徒が希に見受けられます。勿論皆さんのことですから、空き缶などのポイ捨てはないと思います。しかし、市民の方々から見ると決して、品の良いものではありません。           
 君達は地域の人々に、将来この国を担う人材として期待され注目されているのです。そして、地域の人たちに支えられているのを忘れてはいけません。             
 すべての生徒が期待にふさわしい行動をとることが、求められているのです。           
 簡単ですが、終業式の話とします。

平成23年度夏季休業前全体集会「挨拶」(7月20日)
全体集会
平成23年7月20日
  あらためて、お早うございます。
  明日から夏季休業に入ります。普段と違い、自分の裁量時間が多くとれます。時間を有効に使ってください。
 この時間の使い方で、大きな差が出てきます。勉強にも差が出ます。部活の力にも差が出ます。気持ちの面「志」にも差が出ます。 
 是非とも、充実した夏休みを過ごしてください。        
 そのための方策を話します。
暑い中ですから話は、短く済ませます。


先ず、勉強に関してです。勉強は自分自身のスタイルの確立が必要です。数学の例で言えば、ある問題が分からなかったら時には、次に進んでみます。ある程度の領域が終わったら、また戻ってきてもう一度やり直します。これを何回か繰り返すと、前には分からなかった問題が解けるようになっていきます。
 他の教科でも考えてみて下さい。            

 また、勉強の場所も松高塾や自習室を積極的に活用するのも有効です。同じ仲間が近くで勉強していると緊張感が高まり、集中力も増します。           
 夏休み中に、自分にあった勉強の「方法と場所」を確固たるものとして下さい。                   

 なお、一学期に不本意な成績をとった人は、その教科について、復習と2学期の予習を徹底的に行って下さい。そうすると、その教科は不得意ではなくなるでしょう。意地になり徹底的にやってみて下さい。

  さらに、オープンキャンパスに足を運ぶのも重要です。
 この大学に何が何でも入学しようという「志」を高めてくれるでしょう。
 次に、部活についてです。私は陸上部を指導していました。強くなる生徒は夏休みにしっかりと練習をつめた生徒でした。夏休みは油断すると胃腸を壊したり体調を崩します。規則的な生活をして充分練習できた生徒が、秋になり急成長をしています。
 そして、その選手達は、翌年のインターハイや国体で優勝したり、高校駅伝で活躍しました。

  勉強も部活も夏休みが勝負の時であると今でも確信しています。
「時に及んで、当(まさ)に勉励すべし」皆さん、明日からの夏休みを是非有効に使って下さい。            

   以上で、夏休み前の、全体集会の話とします。


平成23年度支部PTA「挨拶」
平成23年度支部PTA「挨拶」
平成23年7月
 保護者の皆様、こんにちは。校長の山田でございます。
  本日は、お忙しい中、松山高校支部別PTAにご出席いただきまして、ありがとうございます。感謝申し上げます。
  皆様のお陰をもちまして、平成23年度も、大過なく教育活動が進捗し、間もなく夏季休業を迎えることになります。
 この夏休みを境に大きく成長する生徒が沢山おりますので、ご家庭でのご指導を、よろしくお願いいたします。
 それでは折角の機会でございますので、学校の近況とお願いを、いくつかお話しさせていただきます。



●1点目は、学習面です。
 21日から夏休みに入ります。夏休み中は、「松高塾」と銘を打ち、たくさんの補習が行われます。1年生は8講座30コマ、2年生は11講座44コマ、3年生は28講座157コマに及びます。更に、これから開講予定の講座もあります。詳しい予定は、後日生徒に配付しますが、お手元の総会資料8p・9pに概況一覧をを掲載しました。先生方は、生徒の学力をより一層につけたいと努力しています。生徒諸君には積極的に参加して欲しいと願っております。          
 夏休みには、自分の裁量時間が多くとれます。部活動に参加しても時間はたくさんあります。是非とも、多くの時間を勉強に向けて欲しいと思います。また、夏休みには、各教科で課題も出ております。夏休み明けに試験を行います。学習により一層自信が持てるように、この夏休みを過ごして欲しいと強く願っています。
 来たる20日の夏休み前の全校集会で、私から家庭学習に関して話しますので、ご家庭でも、話題にしていただきたいと存じます。
●2点目は、進路指導です。
 本校の生徒は、例年98%が進学希望となっています。
 本年度の現役進学率は、4年制大学が63.3%でした。短大・専門をいれると66.6%となります。因みに県内の公立進学高校の現役進学率は、ほぼ60%です。本校の国公立大学合格者は、ボトムの平成21年度の26人から、昨年度は33人、そして今年度は41人と、増加しています。今年は、特進クラス設置、理数科・特進・普通科希望者の土曜補習開始から3年目となります。補習を受けている生徒数は学年の約3分の1です。夏の勉強合宿は、理数科・特進クラスとも行われています。この様な取り組みの結果、全国模試の上位層が確実に増えていますので、来年度の国公立大学の合格者数、更には早慶上理・GMARCH合格の増加を期待しています。           
 今、大学は全入の時代です。大学を選ばなければどこかには入学できます。しかし、将来設計を描いて、「自分が希望する大学に最後まで諦めないで挑戦する」という姿勢が大切です。ご家庭でも、生徒のこの姿勢を醸成して欲しいと考えます。生徒達がこれから生きていく未来は、厳しくなっていくことが予想されます。大学受験に向かって、最後の最後まで努力した経験は、必ず将来の糧になることと確信しています。  
●3点目は、部活動です。
 本校には、運動部が16部、文化部が18部あります。加入率は93%であり、どの部の生徒も頑張っています。これも松山高校の大きな特色です。とりわけ現在、本年度全国大会への参加運動部は、陸上部とソフトテニス部です。文化部では、映像制作部と書道部です。関東大会へは、柔道部と水泳部が出場しています。
 また顕著な例では昨年末、生物部がストックホルム水大賞で全国ベスト3にまで残り、ストックホルム派遣へ今一歩のところまで行きました。
 部活動は結果を残すことだけではありません。活動を通して、人間関係の在り方を学んだり、将来たくましく生きる財産も獲得できると思います。また、夏休みの練習をきっかけに、「原石からダイヤに変身する生徒」もいます。夏休みの部活動は生徒にとって大きな意味を持つと考えておりますので、ご家庭でもご支援をお願いします。
●4点目、生徒の登校時間です。
  松山高校のSHRは8時40分に始まります。遅れた場合遅刻となります。2年前より生徒指導部長が毎朝校門に立ち、遅れた生徒に声をかけています。残念ながら声をかけられている生徒が数人います。
 部活や朝補習に早くから登校する生徒がいる一方で、遅刻ギリギリの者も多数見受けられます。遅くとも8時30分には校門を通過するようにして欲しいと思います。余裕のある登校は交通安全にもつながります。ご家庭での指導を是非ともお願いいたします。
●最後の5点目は、交通安全です。
  「文武不岐」の精神で、勉強や部活動等で頑張り、成果が上げられるのも、健康な体があってのものです。4月、5月、6月の3ヶ月、生徒の部活動中の怪我や自転車事故が起きております。そのほとんどが、自分の不注意や友達とふざけあったりしている時に起きております。幸いなことに、大きな事故にはなっていません。しかし、学校に報告が来ていないケースもあるかもしれません。決して安心できません。学校でも、クラスや部活動で、折に触れ指導をしております。
 ご家庭でも、登校時には一言「車に気をつけなさい」と言っていただきたいと思います。交通事故の防止は、注意を喚起するしか、方法はないと思います。
 以上、報告やお願いをいたしましたが、お子様はあと数年後には親離れするでしょう。
 高校生の年代は、親が思う通りにならない面もあると思いますが、面倒を「見させてもらえる」のも今のうちだと考えて、根気よい御指導をお願いできればと思います。 
 また、過日の授業公開、進路説明会では多くの保護者の皆様からアンケートに対する回答をいただきました。率直なご意見に感謝しております。その結果を全職員に示しました。教職員の意識改革の一つにするつもりです。引き続き、学校に対する、ご意見ご要望等ございましたら、遠慮なさらず、話していただきたいと存じます。お子様、そしてお子様の母校となる松山高校のために手を携えていきたいと願っています。
 以上、開会にあたってのご挨拶とさせていただきます。 
前期始業式「挨拶」(4月8日)
  お早うございます。
  今日は、最初に戦国時代と幕末期について簡単に話します。
 戦国時代は、皆さんもご存じのように応仁の乱(1467)から豊臣秀吉が全国統一をした頃までです。この時代は、途切れることのない内戦が続いていました。そこでは、古い権威が否定され新興の実力者が新たなる権力階級にのし上がり、領国を統治していくようになります。
 


  様々な経歴を持つ戦国大名が登場します。低い身分から身を興した者もいます。また、経済が急速に変化し、無名の庶民がいろいろな形で成功を収めることもありました。社会構造が急速且つ大幅に変わっていったのです。貨幣経済が確立したのもこの時代です。文化や宗教も広がりをみせました。農民にとっては、農閑期に農兵として戦争に参加し、短期雇用の場でもありました。
  次に、幕末期ですが、マシュー・ペリーの来航(1853)から徳川慶喜が大政奉還(1867)を行うまでの14、5年という短い期間です。
 この短期間に劇的に日本は変わりました。西洋の軍事技術を用いた薩長が、徳川の全国政権の地位を奪い、幕藩体制は崩壊しました。NHKの篤姫でも、この時期のストリーを放映し、人気を呼びました。
 なお、この頃は政情不安や物価の高騰による生活苦から「世直し一揆」や「打ち壊し」なども頻繁におこりました。
  これが、戦国時代と幕末期の概略ですが、いずれにしても、一般人は、先が見えず不安が多く苦しい時代でした。   
 現代は、この「戦国時代と幕末期」が重なった状態であると言われています。日本の価値観が根底から変わり、個人も社会も国も「21世紀をどう生きるか」という模索の努力を続けています。経済も不安定です。このような社会は暫く続くと思われます。
  企業などは、今、戦国時代の「籠城」の状態です。血眼になって製品のコストを下げて、自社の技術を磨くことに努力しています。そして、状況が大きく動いた時に、その流れに乗れるよう生き残りをかけています。
  今皆さんの保護者の方は、この時代の中で生きています。一方、高校生という立場の皆さんは、親鳥の翼に抱かれた雛のような存在です。保護者の方が、この厳しい時代の中で皆さんを守っているのです。皆さん自身は、この厳しい荒波を直接受けることはないと思います。保護者の方が防波堤となっているからです。そして、保護者の中には、仕事で大変苦労している方もいらっしゃると思います。だからこそ、当たり前の言葉ですが、「親への感謝の気持ち」を忘れないようにして下さい。                
 更に、このような社会の中で、今、何をしたらよいか考えると、自(おのず)ずから答え出るでしょう。
 それは、本校の建学の精神である「文武不岐」を実行するのみです。
 高校生として、学校生活の中で、優しさを持って、友と助け合い、友を良きライバルとして、勉学、そして部活に全力を注ぐのみです。
 昨年は、先輩達が多くの実績を上げてくれました。先輩に続いて下さい。それが、厳しい時代の中で生きる、皆さんの義務だと思います。 
 そして、これから数年後に、皆さんは厳しい社会へ船出します。厳しい時代こそ、チャンスが多いと考えられるようなたくましい心を日々養って欲しいと思います。           
 それでは、今日から始まる前期頑張って下さい。

平成23年度第89回入学式式辞(4月8日)

  厳しかった冬も過ぎ去り、桜の花も満開のこの春の佳き日、PTA会長堀口幸男様、後援会会長大室貞夫様、同窓会会長荒井桂様、中村健県議会議員様、小川町教育委員会教育長関根則夫様を始め、多くのご来賓・保護者の皆様のご臨席を賜り、平成23年度第89回入学式が挙行できますことは、私たち教職員、在校生にとって大きな喜びであります。
 



 ただいま、本校への入学を許可した362名の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの入学を心から歓迎します。また、保護者の皆様には、お子様が厳しい入学試験を突破し、本校に入学されましたことをお慶び申し上げます。
  本校は「文武不岐」を建学の精神とし、教育活動を進めてきました。その結果、比企地区の伝統校として多くの優れた人材を世に輩出してまいりました。卒業生は、27,292名に及び、政界、財界、教育界、法曹界など様々な分野で活躍しております。これからも教職員一同、生徒一人ひとりの「学力の向上」や「個性・適性」を最大限に伸ばす指導を進め、また、時代に即した教育システムづくりにも取り組んでまいります。新入生諸君の真摯な取り組みと保護者の皆様のご理解ご協力を強く期待しております。
  さて、皆さんは、今日から松高生としての生活が始まります。そこで、松山高校での生活を充実させるために心がけて欲しいことを二点お話しします。
 一点目は、まず勉学を頑張って下さい。併せて部活動等に全力で取り組むと言うことです。本校には熱心な先生方が皆さんのためにさまざまな活躍の舞台を用意します。また、君達の先輩が伝統的に作り上げたものもあります。 
 高校では、授業や生徒会活動などが高いレベルで行われています。そして部活動は国際大会で活躍するなどしています。また、明日から恒例の校歌の練習も始まります。これも皆さんの将来にとって大切であると考えて下さい。高校時代は、自分の好みとするものを学ぶだけではなく、可能な限り多くのものに取り組んで欲しいと思います。この三年間は、専門分野を学ぶ大学へ入るまでの総合的な感覚を磨く大切な時期となるからです。全体を学んでこそ、自らの個性や能力が発揮できるものだと確信しています。是非とも松高で行われる教育活動一つひとつに全力で取り組んで欲しいと思います。           
 二点目は、「責任感と思いやり」を持って欲しいということです。これから皆さんは、クラスや部活動で、新たな仲間との出会いが始まります。是非とも、友達同士お互いに、相手を思いやる心を持って下さい。相手を気遣い支え合う気持ちを持ち、その上に立って良いライバルの関係を築くことを望みます。時に、人間関係の構築を間違え、相手を苦しめてしまう場合もあります。自分が何か行動を起こしたとき、それが自分の周り、更には社会にどのような影響を与えるのかを想像できる知識と経験を積んで欲しいと思います。
  次に、保護者の皆様にお願いいたします。学校では、お預かりしたお子様の希望実現に向け全力で応援いたします。そのためには、学校と保護者の皆様の密接な連携と信頼関係が不可欠です。ご家庭におかれましては、学校の教育方針をご理解の上、家庭で行われるべき、基本的生活習慣等の指導に格段のご協力をお願いいたします。また、PTA行事や学校行事への参加を始め、お気軽に学校に足をお運びいただき、忌憚のないご意見、ご要望をお寄せいただきたいと存じます。
  結びとなりますが、ご来賓の皆様を始めとする本校関係者の皆様には、引き続いての松山高校へのご支援ご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。
     平成23年4月8日 埼玉県立松山高等学校長 山田良秋

終業式挨拶(放送)3月24日
   お早うございます。まもなく、平成22年度が終わります。
皆さんは、1年間の自分自身の成果・収穫を確認してみてください。     
 今日は、重なりますが地震について話します。ご承知のように、東日本関東大震災により、多くの犠牲者が出ております。心の痛む思いです。本校においても、通常の教育活動に支障がありました。


  しかし、皆さんの協力と先生方の努力で、形は違えども、予定された教育計画は消化できました。ただ、心配になるのは、特編等の授業を実施しなかった分、皆さんが自主的に学習できたかです。更に、本来の学習習慣に変化が生じなかったかです。このことについて、是非もう一度、自分の身を振り返って見てください。反省のある人は、軌道修正してください。   
 今回本校で特に、印象に残った事は、3月19日(土)の事です。この日は、午前中のHR実施の卒業式、午後はHR実施の入学説明会、更に午前中は特進の選抜試験がありました。大きな学校行事の3本立てです。
 忙しい一日でしたが、先生方のきめ細かな手配と、参加者の協力で無事終了しました。準備に準備を重ねた面もあります。例えば、当日、東上線等の交通機関が動かなかった時に備えて、近隣の駐車場の借用に加えて、グランドに駐車場を作りました。グランドの駐車場は先生が苦労して作りましたが、当日は、幸い電車が動いたためにあまり使用はされませんでした。一見無駄になったようです。しかし、この様な時こそ、念には念を入れた準備が、必要であると考えています。                    
 また、ある地震被災地域のことですが、日頃の避難訓練が功を奏して、津波被害を、他の地域に比べ最小限に抑えたという状況もテレビで放映されていました。事前の準備が生命・財産を守るため如何に必要かと思ったところです。
 人は家の中にいても、外に出ても危険と背中合わせです。平常は、発生確率が低いので安心しているだけです。人間は、何度か怖いことを経験して本当に怖いと思うものです。今回の地震がその例です。            
 今回の地震を教訓として、皆さんは、自らの危機管理能力をアップして欲しいと思います。                   
 これで話は終わりますが、明日からの春休み、学習面では、1年間の不十分な所を是非とも補う期間にしてください。得意分野は、更に伸ばしてください。
 1年生は、来年度は生徒教育活動の中心的な2学年となります。 
 2年生は、この春休みを3年生ゼロ学期と捉えて、進学準備など、進路を見据えた充実期間にしてください。       
 また、部活動では、体育館の修理にもう少し時間を要す面もありますが、特に、アウトドアースポーツは、いよいよシーズン到来です。怪我をしないよう練習を積んで、移行期を乗り切るように自分の体と相談しながら全力で頑張って、今年は昨年以上の良い成果を求めてください。
 期待しています。  

 以上、終業式の話とします。


平成22年度卒業式式辞(放送)

 はじめに、東日本関東大震災に関わり黙祷ありがとうございました。これから、卒業式を始めますが、体育館使用の心配から、HRで実施せざるを得なかったことをお詫び申し上げます。それでは、式辞を申し上げます。


                                              式  辞(放送)
  本日、PTA会長堀口幸男様、後援会会長大室貞夫様、をはじめ、ご来賓と保護者の皆様の出席を賜り、埼玉県立松山高等学校第八十五回卒業証書授与式が挙行できますことを、職員を代表しお礼申し上げます。
 三百六十名の皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。
 皆さんは、本校で学ぶべき全課程を修了し、栄えある卒業証書を手にします。  
 その証書の中には、皆さんの弛(たゆ)みなき努力と、励まし続けられたご家族の深い愛情、そして熱心に指導に当たった先生方の熱い心が、結晶となって込められております。「文武不岐」を建学の精神とする本校三年間の学びを通し、礼節と品格を備えた 松高の卒業生として、明日からはそれぞれの進路へと旅立ちます。
  この意義深い門出にあたり、心から幸多かれと祈念いたします。またこの間、陰になり日向になって、お子様を育み、支えてこられた保護者の皆様に改めて お喜び申し上げます。    
 それでは、これから、社会に旅立つ皆さんに一言「餞」の言葉を贈ります。
 ●まず第一は、「学び続ける心」を持って欲しいということです。
 前例が通用しない変化の激しい時代では、学び続けることによって、確かな知識・判断力が身につき、変化する社会への対応が柔軟にできるようになります。そして、自分自身の可能性を広げ、豊かな人生を送るための強力な武器となります。
  昨年10月に2名の日本人がノーベル化学賞を獲得しました。たいへん素晴らしいことです。他の学者よりほんの少しだけセンスがあったのだとは思いますが、 決定的な違いは、良い研究テーマに出逢い、強い意志を持って学び続けた成果であると考えます。皆さんも是非強い意志を持って学び続け、世界に羽ばたいて欲しいと願っております。
●二番目は、「バランス感覚」を持って欲しいということです。 
 皆さんはやがて社会のリーダーになります。人の上に立つ者ほどバランス感覚が必要となります。
 昨年6月に行われたワールドカップ南アフリカ大会において、岡田監督率いる ジャパンチームは、大方の予想に反して予選を突破し、決勝トーナメントに進出しました。ここに至るまでには様々な要因があったと思いますが、岡田監督のリーダーシップもその一つであると考えます。                
 チームの弱点を最小にし、良さを最大限に発揮する采配は見事だったと思います。様々な考えをもった選手やスタッフを一つにまとめ上げたのは、まさに監督のバランス感覚のなせる技であったのではないでしょうか。現代は情報化が加速され、人間同士の関係性が希薄になっていると言われています。
 皆さんには、周囲に配慮ができ、人の痛みがわかるリーダーに育って欲しいと思います。是非とも知識と経験を積んで、バランス感覚を養ってください。
●そして、三つ目です。「志」を高く持って欲しいということです。 
 これも昨年の例になりますが、6月に、探査機「はやぶさ」が、約7年かけて、小惑星「イトカワ」から微粒子を持ち帰るという快挙を成し遂げました。
 「はやぶさ」は、革新的なイオンエンジンを採用し、高度の自律機能で着陸させ、微少重力下で微粒子を採取し、カプセルを直接大気圏に突入させて試料を回収するという方法をとりました。何度もトラブルに見舞われましたが、NASAをも驚かせる快挙を達成し、プロジェクトチームの高い「志」を実感しました。卒業生の中には、4月から職業に就く人もいますが、常に「志」をもって生活してください。また、多くの生徒が進学をしますが、それぞれの分野で基礎をしっかり学び、将来どんな世界ででも力を発揮できるように、常に「志」を高く持って生活してください。
 次に、保護者の皆様に一言お礼を申し上げます。三年間の高校生活の間に、お子様方は心身共に大きく成長しこの日を迎えました。時にはご苦労もあったと思います。今は感慨無量のことと推察いたします。本当におめでとうございます。
 そして、これまで皆様が本校にお寄せいただきましたご支援とご協力に対しまして心からお礼を申し上げます。
 我々職員は、新たな気持ちで、松山高校の実績をより高め、卒業生が誇れる学校づくりに邁進していくことをお約束いたします。また、本日ご列席のご来賓の皆様におかれましては、引き続いての卒業生へのご指導と松山高校へのご支援ご協力をお願い申し上げ式辞といたします。
             
                           平成二十三年三月十九日 
                埼玉県立松山高等学校長  山田 良秋

全体集会(1月11日)
 皆さんおはようございます。
 新しい年を迎えました。皆さん、一人一人が決意を新たにしたことと思います。
 昨年は、国内で色々なことがありました。?県防災ヘリの墜落事故や?記録的猛暑のため、熱中症の方が多数出たり、?お米の不作などのがありました。


 一方、埼玉県に目を向けると?本県出身の川島選手、中沢選手、阿部選手が活躍し日本サッカーチームがワールドカップサッカー大会で世界16強に入ったことや?本県出身のプロボクシングの内山選手が世界王者獲得という明るいニュースもありました。更に?文化・芸術面では、蜷(にな)川(がわ)氏や中村氏が文化勲章や文化功労賞を受賞し、埼玉に元気をもたらしました。
 そして、目を松山高校に移したとき、非常にたくさんの生徒の表彰を行いました。昨年末の全体集会では、受賞者の人数も一昨年を大きく上回り、伝達表彰は当初予定された時間の1.5倍近くかかりました。時間がかかった中、多くの生徒が被表彰者に対して賞賛の拍手をして、自分の事のように喜んでくれました。素晴らしいことです。          
 さて話は変わりますが、皆さんも知っているように、今世の中は大きな不況に襲われています。現役大学生の求人倍率も昨年末にようやく0.5倍を越えた程度でした。2人に1人しか正社員にはなれないという状況なのです。勿論、居住区によっても異なりますが、非常に厳しいという事は間違いありません。国でも対策を講じています。菅総理は、年末に地方自治体への支援を厚生労働大臣に指示しました。今日の新聞やラジオは、地方自治体も動きだした事を報じています。報道によると、従業員300人未満の企業については、求人倍率が4倍を越えているということですが、大学生の希望と現状はミスマッチしているようです。日本では、世界で通用する特許を有す中小企業もあります。いずれにせよ、大学生の就職に関して、この厳しい状況は一(いつ)朝(ちよう)一(いつ)夕(せき)に改善することはないかもしれません。           
 ここに参加している多くの皆さんは、高校時代は、保護者の保護の下、先生方の指導の下、いわば君達を守ってくれる城壁の中で幸せに暮らしている立場にあるといえるでしょう。しかし、進学する人も、大学卒業の頃、或いはその先には、今と同じような厳しい時代が待っているかも知れません。その可能性が高いとの心構えを持つべきだと考えます。その時を迎えたとき、何があっても対応できる力を、ここにいる一人一人が持って欲しいと私は希望しています。   
 具体的には、今日から「知識」即ち、今以上に学力をつけることです。それに加えて、「忍耐力」「集中力」を備えることだと私は思っています。       
(1) 多くの事を知っている「知識」、これは試験にも役に立ちます。授業や日常の生活で積み重ねます。                        (2) どんなに状況にも絶えられる「忍耐力」、これは努力し、成功するためには、不可欠な要因です。                         (3) そして最後に、「集中力」です。この集中力の持続には「忍耐力」が必要なのは言うまでもありません。
 1、2年生の皆さんは、在学中に勉強や部活動を通して、「知識」「忍耐力」「集中力」の3つをつけて下さい。 3年生の皆さん、就職する人は職場で是非、また進学する人は進学先で、「知識」「忍耐力」「集中力」をつけて欲しいと思います。
 そしてこの3つを生かし、夢のある人生を送って欲しいと思います。更に、松高に学ぶ君達には「人に夢を与えられる」人間になって欲しいと願っています。  
 以上、全体集会の話とします。

夏季休業前全校集会「挨拶」
  あらためまして、お早うございます。
私の手元にあるのは、4月から今日まで、学校長宛に送られてきた単行本です。
 単行本はこの5冊ですが、雑誌類は非常に沢山送られてきます。


?一冊目ですが、須藤靖貴(やすたか)さんの小説「どまんなか」です。本の中で扱っている写真は、ほとんど見た所ばかりです。松山高校がモデルに書かれているからです。実話ではないようですが、松山高校はこの様な見方もあるのかと、思いました。
?二冊目は、島田善生(よしお)さんの「くちなしの花のように」です。ナイチンゲール記章を受章した埼玉県出身の「新井サダ」さんの生涯が書かれています。著者の島田さんは、埼玉で開催されたインターハイにおいて、民間の資金でインターネット放送をはじめて実現した方です。
?三冊目は、明治大学文学部が「高校生や一般の方の読書感想文」をまとめたものです。感想文には、さまざまな切り口があるものだと思いました。
?四冊目は、吉田友英さんの「トコテン事務長ふん斗記」です。伊奈総合学園の事務局長を務めた方で、県の事務職の仕事を行いながら大学院に通学し、博士課程まで勉強した方です。吉田さんは、私の前任校の事務長さんでしたので、過日お会いした時、もう少し踏み込んで書いたら?とお話ししたところ、それは今は、と恐縮しておりました。
?最後の五冊目は、東京理科大学学長の藤嶋昭さんの「科学も感動から」です。自らの光触媒との出会いからわかりやすく書かれた本です。藤嶋さんの心に残った「名言」も沢山でてきます。名言の一つで、安岡正篤(まさひろ)の「ものの見方三原則」の一つを紹介します。「?目先で見ずに長い目で見よ」です。現実だけを対象にして、物事を判断しがちだが、目先のことで右往左往するな、と言うことです。                
 これらの本、著者は全力投球で書いています。そして、著者の「ものの見方、考え方」が凝縮されています。この後、この5冊は図書館におきますので、読んで下さい。
  さて、今年は「国民読書年」に定められました。本校の図書館は、平日の利用が昨年度は30人程度であったのが、本年度は40人を超えているそうです。大変好ましいことです。皆さんには、どんどん図書館に行って欲しいと思います。
 過日、新聞に読書年を記念し特集が組まれていました。「出版文化産業振興財団」の昨年の調査によれば、中高生の10人のうち8人以上が1か月に1冊以上の本を読むそうです。松高生は、1冊も読まないという残りの2人に入っていないと信じています。

  私自身も本は好きです。余暇の時間は余り難しい本を読まないタイプです。今、読んでいるのは村上春樹さんの「1Q84」です。寝る前の楽しみとして少しずつ読んでいます。もう少しで読み終わりますが、おもしろくなってきました。しかし、若い時読んだ本の方が印象は強いようです。「青春の門」とか「橋のない川」など今でも鮮明に覚えています。さらに、自分のその後の生き方にも強く影響しているように思っています。それは「読書」というのは、本を通じて、自分が知らない世界を追体験でき、短時間に多くの知識や感性などが身につくからでしょう。

  明日から夏休みです。自己裁量の時間が多くとれると思います。無駄に過ごさないで下さい。皆さんが、是非とも良い本を多く読んで、豊かになってくれることを期待しています。3年生は受験モードとなりますが、受験と読書のバランスをとって下さい。
 それでは夏休み終了後、ふたたび元気な顔を見せて下さい。 以上、全体集会の話とします。

平成22年度第88回入学式 式辞(全) (4月8日)
  厳しかった冬も過ぎ去り、桜の花も満開のこの春の佳き日、PTA会長堀口幸男様、後援会会長大室貞夫様、同窓会会長荒井桂様、東松山市教育委員会教育長中村幸一様を始め、多くのご来賓・保護者の皆様のご臨席のもと、平成22年度第88回入学式が挙行できますことは、私たち教職員、在校生にとって大きな喜びであります。

   ただいま、本校への入学を許可した362名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様には、お子様が厳しい入学試験を突破し、本校に入学されましたことをお慶び申し上げます。
   本校は「文武不岐」を建学の精神とし、教育活動を進めてきました。その結果、比企地区の伝統校として多くの優れた人材を世に輩出してまいりました。卒業生は、26,932名に及び、政界、財界、法曹界など様々な分野で活躍しております。これからも教職員一同、生徒一人ひとりの「学力の向上」や「個性・適正」を最大限に伸ばす指導を進め、また、時代に即した教育システムづくりにも取り組んでまいります。生徒諸君の真摯な取り組みと保護者の皆様のご理解ご協力を強く期待しております。
   さて、新入生の皆さんは、今日から松高生としての生活が始まります。そこで、松山高校での生活を充実させるために心がけて欲しいことを二点お話しします。
  一点目は、「全てに全力投」ということです。本校には熱心な先生方が皆さんのためにさまざまな活躍の舞台を用意します。また、君達の先輩が伝統的に作り上げたものもあります。 
  高校では、授業や生徒会活動などが高いレベルで行われています。そして部活動などもめざましい活躍をみせています。明日から校歌の練習も始まります。これら全てが皆さんの将来にとって大切であると考えて下さい。高校時代は、自分の好みとするものを学ぶだけではなく、可能な限り多くのものに取り組んで下さい。この三年間は、専門分野を学ぶ大学へ入るまでの総合的な感覚を磨く大切な時期となるからです。全体を学んでこそ、自らの個性や能力が発揮できるものだと確信しています。是非とも松高で行われる教育活動一つひとつに全力で取り組んで欲しいと思います。                     二点目めは、「責任感と思いやり」を持って欲しいということです。これから皆さんは、クラスや部活動で、新たな仲間との出会いが始まります。是非とも、友達同士お互いに、相手を思いやる心を持って下さい。相手を気遣い支え合う気持ちを持ち、その上に立って良いライバルの関係を築くことを望みます。時に、人間関係の構築を間違え、相手を苦しめてしまう場合もあります。自分が何か行動を起こしたとき、それが自分の周り、更には社会にどのような影響を与えるのかを想像できる知識と経験を積んで欲しいと思います。
   次に、保護者の皆様にお願いいたします。学校では、お預かりしたお子様の希望実現に向け全力で応援いたします。そのためには、学校と保護者の皆様の密接な連携と信頼関係が不可欠です。ご家庭におかれましては、学校の教育方針をご理解の上、家庭で行われるべき、基本的生活習慣等の指導に格段のご協力をお願いいたします。また、PTA行事や学校行事への参加を始め、お気軽に学校に足をお運びいただき、忌憚のないご意見、ご要望をお寄せいただきたいと存じます。
   結びとなりますが、ご来賓の皆様を始めとする本校関係者の皆様には、引き続いての松山高校へのご支援ご協力をお願い申し上げ式辞といたします。
     平成22年4月8日 埼玉県立松山高等学校長 山田良秋

平成22年度前期始業式「挨拶」(4月8日)
  お早うございます。
  今日は、植物の「竹」について少し話します。
実は、「竹」類は分類すると、イネ科タケ亜科に属します。 また、「竹」類には、タケ「竹」、ササ「笹」、バンブーがあります。
 その竹ですが、たくさんの用途がることは、皆さんも知っていると思います。

■素材としては、釣り竿、昔は建築物の足場や棒高跳びのポールなどにも使われています。また、吹き矢の筒、キセル、水筒、ロープ代わりにも使われました。今現在でも、竹垣、ざる、茶杓(ちやしやく)、うちわ、扇子、和傘など上品に利用されています。トーマスエジソンが白熱(はくねつ)電球を改良した際、日本の竹(京都産)をフィラメントに使い、実用レベルの白熱電球(白熱:金属などが高温に熱せられて白い光を放つこと)を開発したという歴史もあります。
■食材としても利用価値があります。
春の季節料理としてタケノコご飯があり、メンマ、シナチクも中華料理で食される竹の一種です。
■生薬としても利用されます。
マダケの葉は、竹葉という生薬で解熱、利尿作用があるそうです。なお、中国には竹の葉を利用したリキュール酒もあるそうです。
■また、「竹」は燃料としても使用されます。 
  「竹」にまつわる慣用句「竹をわったような」「破竹の勢」「竹馬の友」もあります。「竹取物語」「美女と竹林」などの作品もあります。
 今日は、「竹」の中で、川縁(かわべり)にあるマダケや林の中にあるモウソウチクを想像して下さい。要するに普通の竹です。                 
  竹は、普通の木々と比べて、細い桿(かん:木で言えば幹)で高く伸びています。風が吹いても倒れません。雪が積もっても一旦はお辞儀をしますが、再び元に戻ります。竹は、硬くても、柔軟性があり、弾力性があります。だからこそ、先に話した素材としてさまざまな用途がある訳です。
 細い桿であれだけ高くなることは普通の樹木ではありません。ところが、桿の中は空洞になっています。しかし、一定の間隔で節が入っています。外から見ても場所はわかります。はちまきの部分です。
 実は、竹が丈夫なのは節があるからです。節自体は余り使い道はないと思いますが、竹を丈夫にする重要な役目を果たしています。この節がなければ竹は生長することが出来ないわけです。
  今日は始業式です。学校生活の節目(ふしめ)となります。言わば、人生という長い管の中の節にあたります。学校では、皆さんの学校生活に変化や折り目を付けて、新しい生活への動機付けを図りたいため、この様な始業式を行います。  
 簡潔にいうと、今「決意を新たにして欲しい」ということです。    
 人は、過去を振り返ることは勿論大切です。しかし、過去にこだわり過ぎると、現在そして未来の展望が見えなくなることがあります。だから、頃合いを見て「リセット」し、高い志を定めることが必要となります。     
   新しい年度が始まりました。年度当初にあたり、一人ひとりの皆さんに、将来の目標と目標実現のための手立てを、具体的に考えて欲しいと思います。
  以上、始業式の話とします。