学校長挨拶

                                                                  
 
第31代校長 菅野 義彦

校長のことば

 

 本校は、『文武(ぶんぶ)不岐(ふき)』(文武岐かれず:勉学と部活動の両立)を建学の精神として、大正12(1923)年に旧制中学として設立され、創立99年目に入りました。開校当時の校舎の一部をそのまま残した松高記念館は、国登録有形文化財に登録されました。その玄関には、大河ドラマ『青天を衝け』の主人公、渋沢栄一氏が本校生のために書いてくださった『為爾惜居諸』(なんじのためにきょしょをおしむ)の額が掲げられています。「寸暇を惜しんで勉強せよ」という教えは、大正、昭和、平成、そして令和と時代が変わっても大切にしたい金言です。
 この間、勉学を通して政治、経済、医学、法曹、教育など多くの分野に優れた人材を輩出するとともに、部活動を通して、オリンピック選手を含むアスリートやアーティストが連綿と続き、まさに『文武不岐』が貫かれています。
 そして、現在、普通科に加え県内最初の理数科、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、特進クラス、土曜授業の実施といった多方面での取組により、100年の歴史を迎えようとし、さらにその先の世界を切り開こうとしています。
 旧帝大を含む国公立大学や早慶上理などの難関私立大学をはじめとし、大多数の生徒が大学へ進学し、それぞれの分野でリーダーとなります。そのため、授業を中心としながらも、朝学習や松高塾(早朝、放課後、長期休業の校内進学補講)などによって、生徒の伸びようとする意欲を支えています。
 また、多くの部活動が県下でもトップクラスの実力を持ち、目指すのは関東大会の、その先です。運動部、文化部ともに、青春の熱い想いを懸けて本気で取り組んでいます。
 令和4年度入学生は、第100回入学式により松高生となります。新たな時代を築く皆さんの入学を心からお待ちしています。

校長室より

校長室より

第99回入学式 式辞 03.04.08

 春の光はどこまでもまばゆく、生きとし生けるものすべてが躍動する新たな季節となりました。本日ここに、PTA副会長 田村 裕(たむら ひろし)様をご来賓に迎え、埼玉県立松山高等学校 第九十九回入学式を挙行できますことは、私たちにとりまして大きな喜びでございます。

 学校を代表して、心から厚く感謝申し上げますとともに、ご多忙の中をご列席いただきました保護者の皆様に、心から御礼申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可いたしました三百十七名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんは、今日から、松高生の一員です。我々は、皆さんが来るのを待っていました。皆さんを歓迎します。本校は、「文武不岐」を建学の精神として、九十八年の歴史を築いてきました。これからは、皆さんの力によって、百年の、その先につながるさらにより良い伝統が積み重ねられていくことを願っています。

 皆さんの高校生活の開始をここに宣言します。

 この三年間で世の中のリーダーになる力を身につけてほしいと思います。東日本大震災の痛みが完全には癒えぬまま、新型コロナウイルスは地球規模の課題となっています。「新冷戦」とも言われる国際関係、環境問題、格差の拡大など、チャレンジに値する事柄はたくさんあります。将来、自分が置かれた場所で、リーダーシップを発揮し、自分と家族と周りの人の役に立つ、そういう人になってください。

 そのため、本校では皆さんの持てる力を最大限に発揮してもらいます。楽をするために本校に入ったのではないはずです。「どうして、こんな大変なことをしなければならないのか」と、理不尽に思うこともあるでしょう。「できないかもしれない」と、不安になることもあるでしょう。気持ちをコントロールできずに勇気が持てないときには、安心して「不安です。怖いです。」と我々に言ってください。必ず支えます。

 これから未知の世界に飛び込んでいこうとする皆さんに、エールを送ります。坂村真民(さかむら しんみん)という詩人の詩を紹介します。『鳥は飛ばねばならぬ』という詩です。心静かに、聞いてください。

 

 人は生きねばならぬ

 怒涛の海を飛びゆく鳥のように

 混沌の世を生きねばならぬ

 鳥は本能的に 暗黒を突破すれば 光明の島に着くことを知っている

 そのように人も 一寸先は闇ではなく 光であることを知らねばならぬ

 新しい年を迎えた日の朝 私に与えられた命題

 鳥は飛ばねばならぬ

 人は生きねばならぬ

 

 私は、この詩の中に、『覚悟』という言葉を読み取りました。『覚悟』というと切羽詰まった悲壮な感じもありますが、決してそうではなく、これから先にある「光」を目指して飛んで行くんだという強い意志だと思います。新入生の皆さんにも「光」を目指してとびこんで行こうという強い意志を持ってもらいたいと思います。

 その際、自分の可能性に関するリミッターを外してください。

 もう一つ、皆さんに期待を込めて、話をします。わかりやすいたとえ話です。

インドやタイでは、ゾウ使いがいます。大きなゾウは、足を鎖につながれて、木の杭につながれています。決して、大きな木の杭ではありません。ゾウの力で引っ張れば、簡単に抜けてしまうそうです。 なぜ、逃げないのでしょうか?

 小さい時から人間に飼われているゾウは、小さい時から、その小さな木の杭につながれています。もちろん、力が弱いので杭から逃げることができません。成長し、大人になっても、杭から逃げることはできないと思っているのです。そういう発想自体がないようです。やろうと思えば、簡単にできるはずなのに、そういうことを考えもしないということです。

 みなさんは、どうですか? 部活動でも、進路でも、勉強でも、「できるはずがない」、「あれは、違う世界のことだから」ということはないですか? そういう発想自体持っていないということはありませんか? 

 よく見ると、簡単に抜ける杭かもしれません。抜けるかもしれない杭に縛られることなく、自分を見つめてほしいと思います。

やがて、この学校を去っていく千日後には、自分でも驚くほど大きく成長した姿になっていると思います。家族の深い愛情に対する最大の恩返しは、君たち一人一人が高校生活を充実させ、大きな志をもって本校を巣立つことであるという事を胆に銘じて下さい。

 保護者の皆様にお祝いとお願いを申し上げます。

  本日のお子様のご入学、誠におめでとうございます。そして、今までの子育てのご苦労に対して、改めて敬意を表します。

 お子様は、本日から歴史と伝統ある松山高等学校の生徒となりました。この三年間は、青春の多感な時期であり、楽しみの多い反面、何かと心を悩まされることも多いかと存じます。学校では、教職員一同、勉学や部活動等の指導に全力を尽くして参りたいと存じます。しかし、指導の効果を最大に高めるためには、ご家庭と学校の連携と協力が何よりも大切です。皆様の温かいご支援とご協力を重ねてお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが、本校で大きく成長されることを心から願い、式辞といたします。

       令和三年四月八日

               埼玉県立松山高等学校長  菅野 義彦

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令和3年度 前期始業式(体育館 2.3年生)

 おはようございます。

 3年生にとっては久しぶりに、また2年生には初めての、リモートではない式だと思います。できれば、こういう形を続けたいと思っています。しかし、新型コロナはまた拡大しています。体育祭や文化祭などの行事もできなくなる可能性もありますので、決して油断しないようにお願いします。

 さて、私はこれから1年間、いろいろなたとえ話やエピソードをとおして、「こういう人間になって欲しい。こういうことを考えてほしい。」という話をします。「結局、校長はなにを言いたいのか」を考えながら、心静かに聞いてください。

 今日は、ペンギンの話、ファーストペンギンという話をします。明治時代の実業家、五代友厚が言ったと、6年前のテレビの連続ドラマで有名になりました。野生のペンギンは群れで生活しています。特に子育ては陸上で行います。陸上の巣からエサである魚を取るために、海に向かってヨチヨチとかなりの距離を歩いていきます。ようやく海にたどり着いても、海に飛び込むのが怖いので、大きな岩の上で一つに固まりなかなか飛び込めません。海には、天敵のアシカ、シャチが潜んでいるかもしれないからです。でも、その中の勇気のある1羽が思い切って海に飛び込みます。すると、その後を追って、次々にペンギンたちは海に飛び込んでいきます。このことから、勇気をもって第一歩を踏み出す人、自らの進路を自らで開いていく人のことを「最初のペンギン、ファーストペンギン」と例えて言います。

もう、私が言いたいことの結論はわかったと思いますが、

 でも、本当は違います。ある生物の先生に聞いた話ですが、ファーストペンギンは、勇気のあるペンギンではないのです。

 やはり、ペンギンにとって、海の中は怖いんです。天敵のアシカやシャチが待ち受けていて、飛び込めば襲われてしまうかもしれません。とても怖いので、自ら一番最初には絶対にに飛び込みません。そんな気持ちを持ったペンギンたちが狭い岩場で押しあっているのです。そのうちに、誰かに押されたのか、自らバランスを崩したのか、その中の一羽が偶然、海に落ちます。それが合図となって、すべてのペンギンが海になだれ込んでいく、というのが本当のところだそうです。

 だからこそ、皆さんにはファーストペンギンになってほしくないのです。特に3年生、自らの進路を選ぶときに、「誰かに言われたから」とか、「なんとなく」、「たまたま」で、自分の進路を決めてもらいたくないのです。たとえ誰かに背中を押されたとしても、最後の決断は、自分で、責任を持ってやってください。「責任」というのは、「覚悟」です。

 海を前にしたペンギンと一緒で、先のことを考えると、漠然とした不安が多いと思います。でも、海の中にはおいしいエサがあります。本校を卒業した先には、嬉しいこともたくさんあります。「覚悟」をもって、自らの進路を選んでください。

 2年生の部活動も、勉強も同じです。「誰かに押されたから」では、やらされているだけです。ファーストペンギンになることなく、「覚悟」をもって、取り組んでほしいと思います。

 学校は、君たちを応援します。応援したくなる、そういう姿を続けてください。

                                   以上です。

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卒業生の皆さんへ

 

卒業生の皆さんへ

 寒さも緩み、春を感じる割合が多くなってきました。春の温かさを感じられる中、埼玉県立松山高等学校 第95回卒業証書授与式を挙行することができ、大きな喜びとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。

 316名の皆さんの卒業を承認いたしました。卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今年は、新型コロナウィルスの影響で、皆さんの卒業式をこれまでのような形式でお祝いすることができません。大変申し訳ありません。今は大学の講義等も、リモートで行われていることが多いと聞いています。新たなステージでの友との出会いは、4月のスタート時だけかもしれません。私たちは、皆さんのスタートが円滑に始められるよう、出会いの機会を逃さぬようにと考えました。考えすぎかもしれません。しかし、もしそのような状況になってしまったら、コロナ禍の中ではその時を取り戻すことができません。私たちにとっても、苦渋の決断でした。卒業生の皆さんには、明日から始まる新たな営みをどう充実させるかに力を注いでほしいと切に願います。明日からの道のりには課題や困難もあるでしょうが、皆さんの未来に幸多かれと心から祈念いたします。

 その節目に、一言お贈りいたします。それは、これまでも何回かお話してきました19世紀の医師であり、作家であるサミュエル・スマイルズの言葉です。

「思いの種をまき、行動を刈り取り、行動の種をまいて、習慣を刈り取る。習慣の種をまき、人格を刈り取り、人格の種をまいて、人生を刈り取る」です。物事のスタートには、物事に対する「思い」が大切です。そして、その思いを実現するために日々行動するわけですが、その日々の行動の積み重ねが習慣に、人格に、人生に発展していくのであるという言葉です。日々の小さな積み重ねが、その人やその人の人生を作り上げるのですから、日々どのような思いで、どのような行動を積み重ねるのかが重要となります。思いとは何か。私は、それを「目標」「夢」と置き換えてもいいのではないかと思っています。この思いが、私たちが行動するときの大きな原動力の一つだと思っています。この思いは、他の動物には見られないものではないでしょうか。生きるためだけに日々を送るのではなく、目標を持ったり夢を描いたりして、一人一人が生きる意味を持って日々を送るのは、人ゆえの特徴ではないでしょうか。皆さんは、松山高校の三年間で何をどのように積み重ねられたでしょうか。これからは、松山高校で培った力を新たなステージで存分に発揮するとともに、新たな力を、習慣を、人格を身に付けていってください。期待しています。

 結びにあたり、保護者の皆様に、「お子様方の御卒業おめでとうございます」とお祝い申し上げるとともに、これまでの御支援・御協力に御礼申し上げます。松山高校での三年間、平坦な日々だけではなかったと思いますが、常に生徒の皆さんに寄り添い、励まし、支えていただきましたおかげで、本日を迎えることができました。心より感謝申し上げます。

 また、本校を支えていただいた関係各位の皆様、各教育委員会の皆様、地域の皆様にも心より感謝を申し上げるとともに、今後とも本校への御支援・御協力をお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。

 

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松山高校の生徒の皆さんへ

 

 新型コロナウィルスの影響から、十分な教育活動ができず、大変心苦しく思っています。先生方もどのようにすればこの状況の中でも皆さんの成長を・活動をバックアップできるかを考えています。でも私たち教職員は、一日も早く生徒の皆さんと顔を合わせ、共に励み、共に悩み、共に汗をかきたい!と切に願っています。

 今それが許されない状況です。だからこそ今皆さんにお願いがあります。それは、「自らを磨き・鍛え、そして本質を見抜く力を養ってほしい」ということです。今の困難を乗り越えるために、そしてこれから出会う様々な課題を解決するためには、「何が一番大切な事なのか。何がそれを成立させているのか(理由・根拠は何か)。どうすれば解決または前進できるのか。どう優先順位をつければよいのか」などを冷静に客観的に構築する能力が必要だと思うのです。

 私は、日本史を教えることが多くありました。なぜ過去を学ぶのかという質問に、歴史は人間の思考・行動が作り上げたものだから、それらを学ぶことで人間、自分、社会、組織等を知る手掛かりになるとともに、未来を予測するための貴重なデータになると答えてきました。

 しかし、昨今の社会情勢・自然環境等を見ると、これまで私達が経験したことのない出来事が次から次へと現れてきて、過去が未来を予測するためのデータにならない場面が多く見受けられます。「今までは、こうやってきた」ということが通用しない、過去の成功体験が未来の成功のヒントとならないかもしれないのです。だからこそ、これまで行われてきたこと、自分がやってきたことをもう一度客観的に見直し、今起こっていることの分析と照らし合わせ、新たな発想を加え、未来を予測し、成功のための方法を見出さなくてはならないと思うのです。

 「なぜこのような状況になってしまったのか」。「今までこんなことはなかったのに、なんで!」という悔しさや嘆きたい気持ちになります。しかし、「なぜを解明して、解決に導こう!」という前向きな思いを持たなければならないのでしょう。とは言え、「言うは易く行うは難し」だということも重々承知しています。しかしながら、このような状況だからこそ、自分自身に言い続けることが必要なのだと思います。

 今、テレビも再放送が多いようですが、その中に「仁」という現代の医師が江戸時代にタイムスリップしてしまうというドラマがありました。私は、最初に放送された時のある場面のセリフが今でも記憶に残っています。それは、「泣いても一生、笑っても一生。ならば今生、泣くまいぞ」というものです。ドイツの諺にも「Die Lebensspanne ist dieselbe, ob man sie lachend oder weinend verbringt.」 すなわち「笑って暮らすも一生、泣いて暮らすも一生」というものがあるそうです。同じ時間を過ごすのなら笑って過ごせたらと思うのは当然です。ドラマの中では、西洋からもたらされたコレラという病・解明されていない病と闘う江戸の人たちが描かれていました。そこには、笑って生きることの難しさ、人の世の儚さや無常さ、それでもなお、笑って生きるために前向きで強い思いを持たなければならないというメッセージが発せられていたと記憶しています。

 松山高校で今この時を過ごす生徒の皆さん、今私達の前には厳しい状況が横たわっています。だからと言って、この時を無駄にせず、いやこんな時だからこそ、自分自身とじっくりと向き合い、どんな力を身に付けるべきか、どうすれば身に付くのかを考え、自らを磨き・鍛えてほしいと思います。そうすることで、様々な物事の本質に迫り、見抜き、分析し、解決のための方策を立て行動することができると思います。確かに、それはそれは大変厳しい要求であると思いますが、困難にも毅然と向き合い、折れることなく努力し続ける姿こそが、真の松高生の姿だと信じています。そして、それが必ず皆さんの未来の扉を開くことになると思います。 

「You'll be alright. You can get it over.」

 

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入学に当たってのお祝いの言葉

 

 自然界を見れば、花々が咲き誇り、桜の花の美しさを十分楽しむ間もなく、木々の緑がまぶしさを増している今日この頃ですが、新型コロナウィルスの影響で、全ての学校の教育活動が困難を極めているのが現状です。

 そのような現状を踏まえ、本校では緊急事態宣言発令前ですが、入学許可候補者の皆さんの安全を第一に考え、断腸の思いではありますが、4月8日の入学式を延期させていただきました。

 このような状況の中ではありますが、松山高校全日制の課程への入学許可候補者となっていた318名の皆さんの入学を許可いたしました。在校生・教職員一同、皆さんの入学を心待ちにしており、松高の伝統に基づくお迎えを計画していたのですが、それらができず、大変残念でなりません。

 しかし、一番残念なのは、新入生の皆さんでしょう。それでも、皆さんが伝統ある松山高等学校の1年生としてスタートを切ったことには変わりありません。まだ、1年生全員が揃い、互いに顔を見合わせる機会はありませんが、心の底から「入学おめでとう。君たちの前に多くの課題が姿を見せるだろうが、それらを乗り越えた先に道は開ける!」と言いたいです。現状は大変厳しい状況ではありますが、現実と向き合うとともに未来に期待しつつ、今何をすべきかを考えてほしいと思います。ダーウィン曰く「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」。また、ナイチンゲールは、「進歩し続けない限りは、後退していることになるのです」と言っています。立ち止まることで力をためたり、客観的に見つめて今の状況を確認したり、たまには無になる時間は大切ですが、一人一人が自分の未来を切り開くために歩み続けることが基本です。これからの皆さんは、自分の意思でどの方向へも行けます。その代り、平坦で準備された道ばかりではありません。松山高校での生活を通し、様々な力を身に付け、自分の夢に向かって、自分を信じ、自分の力で、自分のために一歩一歩前へ進でください。そんな歩みを続けていると、立ち止まって自分を見つめ直した時に、以前とは違う自分の姿を見つけたり、見える景色が違ってきたことに気付いたりできるでしょう。そして、次の一歩が新たな可能性を生み出してくれるかもしれないとワクワクしている自分に気付けると思います。皆さんの大変だけれど期待に満ちた一歩を踏み出す姿を私たちも全力で応援します。松山高校での3年間を友と先輩と私たち教職員とともに、意義あるものとできるよう全力を尽くしましょう。

 保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。高校受検という厳しい試練を乗り越え、松山高校へ合格するまでの日々は、生徒本人だけでなく保護者の皆様においても御苦労の多い毎日であったと思います。本当にありがとうございました。そして、おめでとうございます。

 しかし、晴れて入学が決まったのにこのような状況では、不安もあるかと思います。しかし、今の若者は、この状況の中で生きていかなくてはなりません。この状況の中で、一人一人が自らを磨き、成長し、社会で活躍していかなければならないのです。ある意味、現実に毅然と向き合う覚悟を決め、そのための力を松山高校でどう身に付けていくのかという強い思いを養ってほしいと願います。私たちは、それを全力で支援していきます。お子様の成長には、学校と家庭が同じ方向を向き連携と協力が不可欠です。連携が取れないと、お子様方が迷ったり、安易な方向へと流れてしまったりするなど、よりよい成長は図れないと思います。不安な事や疑問な事がありましたら、早い段階で御連絡ください。初期に対応することで、物事が複雑化する前に解決できると思います。私達松山高校の教職員一同、お子様の成長を全力で支援してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 新入生の皆さんにとって本校における3年間が、一人一人の夢を実現するための時間であり場であることを祈念するとともに、私達教職員もそれらの実現を誓い、次の一歩に期待する姿を見せてくれることを信じ、本校への入学に当たってのお祝いの言葉といたします。

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卒業生に向けて

 

 木々の芽も大きく膨らみ、花々も春の訪れを告げるこの日に、埼玉県立松山高等学校 第九十四回卒業証書授与式を迎えることができますことを、大変うれしく思います。

 しかしながら、今年は、新型コロナウィルスの影響で、皆さんの卒業を従来の形式でお祝いすることができません。大変心苦しく思います。皆さんが一番悔しい思いをしていることと思いますが、私たちは皆さんの安全を第一に考えました。そして、高校卒業は大きな節目ではありますが、過ぎた日々よりも、明日から始まる未来の営みをどう充実させるかを第一に考えていいただきたいと切に願っています。

 そして、只今、三百十九名の生徒の皆さんの卒業を承認いたしました。卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。その節目の皆さんに二つお話ししたいと思います。

 一つ目は、物事の本質を見極める目を持ってほしいということです。現代社会は、日本のみならず世界が過去に経験をしたことがない状況が次々と現れ、過去が前例になりにくい状況です。近年の日本でも、大きな地震や大雨、台風、竜巻、そして新型コロナウィルス等、それらが自然環境のみならず、経済にも人々の生活、そして心の在り様にも大きな影響を与えています。だからこそ、皆さんには、「本当に大切なものは何か。目指すべきものはどこかを見極める目を持ってほしいと思います。そして、過去を参考にしつつも、前例や目先の利益にとらわれず、冷静に柔軟に、そして迅速に対応する心とスキルを身に付けてほしい」と思います。

 二つ目は、「継続は力なり」ということです。使い古された言葉のようですが、できそうで、できないからこそ、言われ続けているのだと思います。この言葉の出所には諸説ありますが、大正・昭和期に活躍された宗教家である住岡夜晃氏の「讃嘆の詩」の一説に以下の部分があります。

「青年よ強くなれ 牛のごとく、象のごとく、強くなれ 真に強いとは、一道を生きぬくことである 性格の弱さ必ずしも悲しむなかれ 性格の強さ必ずしも誇るに足らず 念願は人格を決定す 継続は力なり 真の強さは正しい念願を貫くことにある 怒って腕力をふるうがごときは弱者の至れるものである 悪友の誘いによって堕落するがごときは弱者の標本である 青年よ強くなれ 大きくなれ」

日々の積み重ねがその人の心や体を作ります。卒業生の皆さん、松山高校で培った力を存分に発揮し、これからの進む道を切り開いていってください。

 結びにあたり、本日はご出席いただけませんでしたが、保護者の皆様に御礼申し上げます。常に生徒の皆さんを励まし、支えていただくとともに、本校の教育活動にご理解・ご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

 また、本校を支えていただいた関係各位の皆様、各教育委員会の皆様、地域の皆様にも心より感謝を申し上げます。

 私たち教職員一同は、今後とも生徒の皆さんの成長のために全力で取り組むとともに、松山高校が生徒の皆さんにとって安全な場、成長の場となることを願い、そして誓い、式辞といたします。

 

  令和二年 三月 十三日

   埼玉県立松山高等学校長  加 藤  浩

 

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「生徒の輪」

 令和二年が、始まりました。今年一年が、皆様にとってより良き年となることを願っています。

 さて、時期的にだいぶ遅れてしまった内容のお話です。去る10月3日に、東松山市の岩鼻運動公園競技場において、本校の体育祭が開催されました。男子校の体育祭ですのでレクレーション種目はほとんどなく、学年・クラスを越えて、全力の競い合いが展開されました。生徒達がすべての競技に全力で取り組む姿に感動したり、仲間を応援する姿から勇気をもらったりとそれはそれは素晴らしい体育祭でした。

 終盤に雨が降り出し、最終種目が終わろうとしていた時のことです。應援團の生徒が寸劇を行うとともに、今日一日の全員の頑張りにエールを送っていました。その光景を見ていた全校生徒が次第に彼らを囲み始めました。その姿だけでも、「松高っていいな!」と思っていたのですが、驚きの光景は應援團生徒が応援歌を歌い始めた時に起こりました。応援歌は、部活動の壮行会等で全校生徒が歌う場面はままありますが、ここで歌うのかと思っていると、輪になって見ていた生徒達が、学年・クラス関係なく、全員が肩を組み歌い始めたのです。誰の指示でもなく自然と肩を組み、共に称え合い、この輪の中にいることに喜びを感じている顔・顔・顔。最後の最後にとても大きな贈り物をもらった気持ちです。応援に来ていただいた保護者の皆様も、思わぬサプライズにシャッター音が鳴りやまず、慌てて携帯で動画を撮っていらっしゃいました。「この輪の中にいる感じって、どんなものなのだろうか?」と想像しつつ、今年の体育祭を無事終了することができました。ありがとうございました。重ね重ね、御報告が遅れてすみませんでした。

 またの御来室をお待ちしています。

 

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伝統の力

 去る11月28日木曜日に松山高校第55回比企一周駅伝大会が行われました。本校の駅伝大会は、東松山市、滑川町、嵐山町、小川町、ときがわ町、吉見町をめぐる約61.8㎞を15区間に分け、クラス代表の15人がタスキをつなぐものです。交通量の少ない道を選ぶといえども一般道を走りますので、交通の要所のみならず、道々に見守りが必要であり、中継地点では、次の走者や選手係・役員、そして走ってきた生徒やバックアップ要員などの指導や待機場所の手配、水や栄養補給の用意など、様々な準備と人手が必要となります。今年が55回目、55年目となりますが、保護者の皆様、地域の皆様、警察の皆様の御協力がなければ、この行事は成立しません。私も松高駅伝大会の全容を知り、一高校が実施できるものなのだろうかと大変心配しました。

 また、今年は、台風19号をはじめ、台風や大雨等による大きな災害にみまわれた年でした。この場を借りまして、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。台風等による被害は、比企地区全域に広がり、3デイマーチをはじめ中止となる行事も多くありました。本校の駅伝大会も開催が約一カ月後とはいえ、保護者・地元の皆様からの情報では、家屋への浸水、道路のアスファルトのめくり上がり、橋のダメージなど、とても走れる状態ではないとのことでした。職員も何度も下見をし、被害状況や復旧状況の写真から今年の開催は難しいと予測していました。

 11月に入り、そろそろ最終判断をしなければならない時期となり、本校担当教員が、各市町村に連絡を取り、復旧状況を確認しました。担当者の説明も「全力で作業をしていますが、いつまでに復旧できるか、正式な目途までお話しできないのです」との回答とともに、「なにか理由があるのですか」と質問がありました。「11月28日に松高の比企一周駅伝大会を計画しているのです」と答えると、「松高の駅伝大会、この時期でしたね。完全復旧までとはいかなくとも、生徒の皆さんが走れるようにします。大丈夫です」とのお言葉をいただいたと、担当教員が感動の面持ちで報告してくれました。工事の進行状況から、それまでには復旧可能であるとの見通しがあったからだと思いますが、それでも松高の駅伝大会を知っていてくれたこと、そして駅伝大会を応援しようというお気持ちを感じ、胸が熱くなったのを覚えています。

 私は、大会前日の開会式で、「松高の駅伝大会は、単なるマラソン大会ではない。55年受け継いできた伝統は、松高の先輩方の熱い思いだけでなく、それを支えてくださる多くの皆様の熱い思いが相まって成立しているのです。そんな行事に参加できるって素晴らしいと思いませんか。自分自身やサポートに回って自分たちを支えてくれる身近な仲間たちの思いだけでなく、大会の成立に関わってくださる多くの方々の思いも感じながら、感謝の気持ちで走ってもらいたい。」と開会を宣言しました。

 当日は、寒風吹き抜ける中、小川警察・東松山警察からも御支援をいただき、PTA後援会から500名を超える御協力をいただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。また、道々での同窓会の皆様の熱い応援、園児の皆さんの応援、椅子に座りながらの地元の方々の応援など、声援を一身に浴びながら走る今の生徒たちも、その背に先輩方が受け継いできた伝統をしっかりと背負っていたと思います。 

 松高の行事には、これまで受け継いできた思いがあります。それを支える形があります。そんな中に身を置ける生徒は、本当に幸せだと感じました。私も、伝統を受け継ぐ一人として頑張りたいと思います。

 またの御来室をお待ちしています。

 

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「思いを形に」

   現在、日本の教育界は、大きな変革期にあります。高大接続による入試制度改革や新学習指導要領の導入による様々な取り組みが実施されようとしています。しかし、入試改革など実施の日程は決まっていますが、不確定な要素も多いうえに、同じ大学でも学部・学科によってその扱いが異なっているなど、制度の詳細を把握するのが難しい現状があります。私たち高校も大変困っています。

 しかし、立ち止まっている訳にはいきません。本校も、改革や変化に対応すべく様々な取り組みを行っています。本校ホームページでも御紹介していますが、学校説明会等で詳しく御紹介しています。

 ここでは、ちょっと視点を変えた紹介をしたいと思います。通常、学校の紹介と言えば、施設設備やカリキュラム、活動内容等が中心となると思いますが、一見、見えにくいけれど、確かにそこにある松高ならではのものを御紹介します。

 

1 「男子校」

  〇自己を表現

   ・異性を意識せず自己を表現しやすいと思います。

  〇個性の確立

   ・切磋琢磨し、自分自身を磨けます。

2 「伝統校」(大正12年創立)

  〇多くの先輩

   ・東松山周辺だけでなく、埼玉県内外で活躍する先輩が多数います。先輩方が様々な面から

    後輩たちを応援してくれています。

  〇松高プライド

   「松高生なら〇〇が当たり前だよね」と言う思いが、生徒の心を鍛え育てていきます。

3 「未来を見据えた視線」

  〇社会で活躍するためのスキル

   ・直近の大学進学等も重要ですが、本番は社会で活躍することです。そのために必要なスキル

    を意識した教育活動に取り組んでいます。「文武不岐」を合言葉に人間力の育成に努めるとと

    もに、アクティブ・ラーニング等、先進的な学びを実践しています。そして、それらを効率的に

    実現するため、電子黒板機能付きプロジェクターを全教室に設置しています。

4 「友の存在」

  〇一生の宝、最も影響を受ける存在

   ・良くも悪くも最も影響のある存在が「友」です。どんな友がほしいですか。あなたが求める友が見

    つかると思います。

 

 まだまだ言い切れないほどの松高らしさがありますが、今日は、形としては説明しにくいけれど、確かにそこにある思いが、先輩から後輩へ受け継がれる中で、自然と明確な基準やスキル、思いやシステムになっていると思われる点について御紹介させていただきました。

 またの御来室をお待ちしています。

 

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